
それは、ボディーコーティングメンテナンスのためにディーラーを訪れた、日曜午後の出来事でした。
私が駐車場にビアンテを停めると、店頭で新型アテンザの試乗車を熱心に見つめる年配のご夫婦の姿が目に入りました。
太陽光を浴びて一段と輝きを増しているソウルレッドプレミアム色のアテンザセダン・・・その美しい姿に見惚れるお客さんは決して珍しくはないので、とくに気に留めることもなく、その傍らを通り過ぎたのです・・・。
ところが、席でアイスコーヒーを飲みながらあらためて試乗車の方向を見やると、そのご夫婦の雰囲気が通常のお客さんと少しばかり違っていることに気付きました。
クルマの傍らで営業スタッフとずっと会話を続けている品の良さそうな感じの御二人。
終始、まるで可愛いお孫さんを見つめるような温かい眼差しで、話すたびに笑顔、聞くたびに笑顔、そして、アテンザに視線を戻して、また笑顔。まさに
”眼がハート”という表現がピッタリ(^O^)。
単にディーラーの試乗車を囲んでいるだけなのに、待ちに待った納車の瞬間と勘違いしてしまいそうなくらいに、気持ちの高揚が伝わってきたのです。
そこで担当セールス氏にこっそり聞いてみると、かなり購入の意志を固めておられるようで、この日は奥様のリクエストで、本命のワゴンの試乗車を他店舗から取り寄せたのだとか。
(画像では隠れてしまってますが、すぐ左隣りにワゴン・20Sが)
この直後、ワゴンに乗り込んで颯爽と試乗に出掛けたご夫婦は、きっと心行くまでテストドライブを楽しんだのでしょう。結局、私が用事を終えてディーラーを後にするまで、ストーミーブルーの20Sは戻って来ず(^^)。
いやぁ、ここまで溺愛ぶりがビシバシ伝わってくるのも珍しい。
ご夫婦が努めて冷静に振る舞おうとされていることまで伝わってきて、なんだか微笑ましくもありましたね。
きっと、真新しいアテンザで仲良くドライブに出掛ける御二人の姿が拝める日も近いのではないでしょうか。
傍らで見ている私までがすっかり幸せな気分になってました(^o^)。
それにしても・・・
たった一台のクルマがこんなにも多くの笑顔を運んでくれるなんて・・・
素晴らしいの一言!
これこそが、私が「クルマ好きで良かったなぁ・・・」とつくづく思える、至福の瞬間でもあります。
そしてその瞬間とは、何も贔屓のマツダ車に限ってやってくるわけではありません。
とくにここ最近、私がそんな嬉しいシーンを頻繁に目にするのが、トヨタの
86なんですよねぇ。
・・・あ、86は86でも、赤CHARGE号との車間を詰めてくるような粋がった若者のは論外ですゼ(-_-メ。
私がしみじみ「イイなぁ」と思うのは、主に中高年層の「大人の」86オーナーの方たち。
良く晴れた休日などに、ピカピカに磨いた愛車のコクピットに収まり、思わず顔がニヤけてしまうのを必死に堪えているかのように、紅潮したような表情で楽しそうにドライブしている姿が、そのシーンというわけ。
残念ながら、私自身と86は
全く縁がないらしく(苦笑)、未だに試乗すら叶わず。
ハードウェアの評価やクルマとしての感触は未知数のままですが、未だに月販台数四桁をキープし続けるヒット作。決して少なくない人たちの「スポーツカーに乗りたい!」という夢を叶え、その夢の数だけ笑顔を運んできたという功績だけでも、十分に存在価値があったというものでしょう。
クルマが"低燃費こそが命"の単なる移動の道具だなんて・・・全くもって夢のない話。
その所有や利用を通じ、いかに人々の生活や心を豊かにできるかが真の価値だと思うクルマ好きの私からすれば、まだ素性を知り得ぬ86ではありますが、確固たる市場を形成したという客観的事実から、多くの人々に新鮮なスポーツカーライフを届け、強く記憶に残る存在となったことは間違いないところ。
後に"名車"と呼ばれる資格を得たといっても良さそうですね。
あ、言うまでもなく新型アテンザも立派な新世代の名車だと思いますよ(^O^)。
Posted at 2013/07/15 22:16:51 | |
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