
一般的にマツダ車の聖地・本拠地といえば広島ですが、新型デミオの場合、その生産工場は広島ではなく、山口県にあるマツダの防府工場。
デミオにとっての広島はあくまで企画から開発・育成までの地なので、こうして広島に足を踏み入れても、半分ホームで半分アウェーのような、微妙な感じが伴いますね^m^。
ということで、先週末は家族で嫁さんの実家へプチ帰省。
3年ぶりのNewカーを広島の義父母にもしっかりお披露目してきました(^^)。
つい一週間前に納車されたばかりの我が家のブルーリフレックス号にとって、これが初の県外ドライブ。
加えて、初の高速道路走行や山岳路走行までもが含まれた、盛り沢山の内容の旅となったのでした。
当然ながら、二日間に亘ってこの13Sのステアリングを握る私にとっても、今回のプチ帰省は新型デミオと真正面からしっかり向き合う初めてのチャンス。
すでにこれまで、ディーラー試乗や数度の市街地走行を通じ、フルSKYACTIV車らしい素直で爽快なレスポンスをはじめ、先代SKYACTIVデミオからの全方位にわたる進化の跡はしっかり感じ取れていたので、あとはこの遠乗りステージにおいても同様の好印象が持続できるかどうか・・・そこが最大の注目ポイントでした。
ひとまず、今回のプチ帰省を無事にこなしてくれれば、話題のクリーンディーゼルの陰に隠れた地味な存在のSKYACTIV-G搭載車ではありますが、我が家の嫁さん専用車として十分な及第点を与えることができそうですので^m^。
そんな大きな期待を抱いてスタートした往路は、夕暮れの山陽自動車道を東進した後、闇夜の三桁国道をひたすら北上して嫁さんの実家に到着するという、正味2時間ほどの旅。
それは同時に、「家族4名乗車+荷物満載」という、我が家で想定される最大級の負荷を課した状態での片道100キロの旅ともなったのです。
果たしてその道中、最も私の印象に強く残ったのは・・・
1.3L車とは思えないほど
「良く走ってくれた」ということに尽きます(^^)。
このパワートレインの好印象ぶりは、前車のSKYACTIVデミオ(1.3L-CVT)はもちろん、前々車のベリーサ(1.5L-4AT)と比較しても明らかに優位性を感じると思えたくらい。
山陽自動車道やその先の三桁国道に待ち構える長い長い上り坂。
そこでは従来、ただ単に周囲のクルマの流れに乗るだけなのに、時に非力なエンジンが唸りを上げ、しかもその勇ましい音と車速上昇が一致しない惨状についついストレスを溜めてしまいがちだったのですが、今回は全体を通じてそんなシーンは皆無ときました。
アクセルをグッと踏めば力強く、じわっと踏めばそれなりに、常に状況に応じてドライバーの意図した通りの加速態勢へ「スマートに」移行してくれたのが、今回の新型デミオでした。
無論、その立役者が、ロックアップ領域の広いSKYACTIV-DRIVE(6速AT)のリニアで節度感のあるレスポンスだということは疑う余地のないところですが、私がその上であらためてイイなと感心したのは、そうしたドライバーの意志を反映させるためのアプローチ方法が決して一通りではないという多様さ。
例えば、即座にシフトダウンして強い加速をしたい時、アクセルを強めに踏んでキックダウンを誘発するもよし、左手でATセレクターをマニュアルシフトするもよし、はたまた、ダイレクトモード対応のステアリングシフトスイッチ(※Shopオプション)を操作するもよし。
そして重要なのは、何れのアプローチ方法を選んでも、速やかにクルマ側が反応してくれるので、ドライバーの意図通りの加速が極めてスムーズに実現できるのです。
もっとも、ベリーサの4速ATにも「HOLD」スイッチや「Sレンジ」はあったわけだし、SKYACTIVデミオのCVTにも「SSモード」というスイッチがあって、強制的に低いギア(比)に持ち込む手がなかったわけではありません。が、それらは何れも下り坂等でエンジンブレーキを多用する場面を想定したもの。仮に急加速時に使用したとしても、悪戯にエンジン回転数が跳ね上がるだけで、新型デミオが見せたようなスムーズでスマートな加速移行には程遠かったはず^_^;。
このちょっとしたレスポンスの差は一見些細なことにも思えますが、ドライブ距離が長くなればなるほど、ドライバーの疲労の蓄積にジワジワと効いてくる、見逃せないポイントだと思います。
とまぁ、新型デミオ・13Sのパワートレインに関しては概ね、予め想像していた通りの良い印象が残ったわけですが、一方で、個人的に「オヤッ?」と思えた点も少しだけありました。
それは・・・ただ単に私が6速ATに不慣れというだけの情けない話なんですが(苦笑)、旧来のAT車の感覚で運転していると、エンジンブレーキが「利きにくい」・・・というか、エンジンブレーキを「引き出しにくい」ケースが多々ありました。
これは翌日の復路、三桁国道を下って行くシーンがもっとも典型的な例で、下り坂の途中で少しでも平坦な巡航部分があると、ギアがすぐさま6速に入ってしまうので、いざ次のコーナーに備えて手動でシフトダウンを開始しても、時すでに遅し。1速ずつのダウンでは3速や2速へ到達するまで時間がかかり過ぎ、結局はフットブレーキに多くを頼らざるを得なかったというわけです。
・・・まぁ、我が家のベリーサや義母のe-4WDデミオのATは4速止まりだったので、必要なエンジンブレーキを得るまで、そう時間がかからなかったわけですよ(苦笑)。
・・・などと振り返ったところで、今回の新型デミオには”ドライブセレクション”なる機能があったことを思い出しました(汗)。
シフトレバー手前の「SPORT」ボタンを押せば、ATのシフトスケジュールがより低速寄りに振られるので、坂道の上り下りの印象が全く違ってきた可能性もあったのですが、今となっては後の祭り(^_^;)。
そもそも、黙々と一人でドライビングに集中できる環境であったのなら話は別ですが、同乗の家族との会話はもちろん、時に助手席の嫁さんや長男に対しマツダコネクトのコマンダー操作方法を伝授しながらの忙しいドライブですから、そこは致し方ありません(笑)。また次のドライブの機会にこのスイッチの効果を試してみることにしますm(__)m。
あらあら、一泊二日のプチ帰省の報告なのに、パワートレインの印象のパートだけですっかり長くなってしまいましたね・・・。
一旦ここで区切りを付け、次回の「その2」で、ハンドリングについての印象を述べたいと思います。
(つづく)