
あれはたぶん・・・昨年の出来事。
忙しくてマイカーの洗車もままならなかった状況と絡むので、介護の負担が増し始めた晩秋あたりのことかもしれません。ほんの一瞬だったとはいえ、心が和んだ鮮明な記憶があるので、何かと気忙しかったあの頃で間違いないでしょうね(^_^;)。
日曜の夕方、近所のホームセンターに慌ただしく駆け込んだ私。その用件はたぶん、母親の転倒防止の手すりを急いで買い足すため。この頃は考え付くあらゆる場所に対策を講じていたので、力を込めてドライバーを握る右手の筋肉痛に悩まされてもいました^^;。
駐車場にビアンテを停め、店内に向かって歩き始めると突然、見ず知らずの年配の方に話しかけられたのです。
ん? そういえば・・・
1台隔てた左隣の駐車枠から、なぜかチラチラと視線が向けられていた直前の状況がすぐに頭を過ります。
いったい何の話だろう?
少なくとも苦情を言われる筋合いはないはずだけど・・・
瞬間的に様々な「?」が渦巻き、やや警戒心を抱き始めた私に掛けられた言葉はなんと
これ、なんていう色ですか?
全くもって意表を突くものでした^^;。
どうやら、今まで見たことのない鮮やかなボディ色が目に留まり、ドライバーにひと言話し掛けたくて、ずっと頃合いを見計っていたご様子。歳上の方からの気遣いに恐縮しながらふと見てみれば、傍らには上品なライトイエロー色をまとう欧州コンパクトカーが。なるほど、クルマのボディカラーには一家言持たれているような雰囲気です。そこで私も、
こちらのお車も素敵な色ですね…
と、会話の合間に必死にお返しを試みますが、反応もそこそこに
チリってあの南米の国のことです?
マイカが入ってるのがまたイイですね♪
最近出た色ですか?一度も見たことないし…(←苦笑)
などと畳み掛けるように、チリオレンジマイカの個性的な色合いをひたすら誉めてくださったのです。
ついさっきまで1ミリも想定していなかった話の展開に戸惑いながら、必死で受け答えを続ける私。会話の主導権を握れないまま、
イイものを見させてもらいました。
ホントにありがとう!
との別れの言葉に、重ねて御礼をするので精一杯。防戦一方とはまさにこのことです^^;。
だって
発売直後で話題性の高い2008年頃ならまだしも、すでに絶版車となって久しいビアンテが、超レアなボディカラーのことで今更話しかけられるなんて、自意識…もとい、"マイカー意識"の過剰なこの私でも、さすがに想定外だったのですよ。
なんとか心の動揺を落ち着かせ、ささっと買い物を済ませた私。駐車場にポツンと佇むビアンテまで戻ってみると、斜陽を浴びたボディがキラキラと独特の風合いを放っていることに気付きます。
実をいうとその時、ビアンテは哀れなことに1ヶ月近く洗車とは無縁の身でした。ただ、偶々前日に雨の中を走った直後、カーポート下で満遍なくボディに放水。最低限のレベルでしたが、汚ない雨跡や泥跳ねを落としていたのです。ひょっとするとこれが功を奏したのかも…。
しかしながら、あらためてビアンテの14年間を振り返ってみても、レアなボディカラーのことで実際に話し掛けられた記憶はひとつもなく、とにもかくにも"驚き"の一言に尽きたひと時でした。
それと同時に・・・
クルマ好きの一人として、色やデザインに感度の高い人々の存在を嬉しく思ったのも事実。普段からの細かなケアと絶妙なタイミングが取り持った、小さくもほんのり温かいご縁に心から感謝したのでした。
Posted at 2022/06/01 09:50:14 | |
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隠れ家のビアンテ | 日記