
RX-7を特別講演のテーマに据え、盛り上がりを見せたマツダミュージアムの土曜開館。
1Fエントランスでは歴代RX-7や競技車両のスペシャル展示、2Fの歴史展示ゾーンにも2台のFD3Sが登場して熱心な来場者を大いに楽しませてくれました。
でも、実は私にとって一番インパクトがあったのは、初代ファミリアの展示車が800バンに入れ替わったこと。前回までは1000クーペ、その前は800セダンでしたから、商用タイプは初お目見え。しかもこのバン、普段はマツダの横浜研究所で保管されているレアな個体なんですよね。
言うまでもなくファミリアは東洋工業初の本格的な小型乗用車。
但し、1963年にまず登場したのはこのバンタイプで、翌1964年の春にワゴンを追加、そして秋口に満を持してセダンが発売されたのです。
拡大期を迎える直前だった日本のモータリゼーションの状況を熟慮し、いきなり真打ちの乗用車を出さず、まずはビジネス兼用で使える利便性の高いバンタイプで様子を探ったあたり、軽乗用車を皮切りに徐々にラインナップの拡充を図ろうとする東洋工業の手堅い戦略が窺えます。果たして、その思惑通りにバンもセダンも高い市場シェアを獲得する幸先の良いスタートを切ったので、まさに"してやったり"でしたね。
ちなみに、セダンの数ヶ月後にはトラックが、翌1965年にはマツダ車初のOHCエンジンを搭載したクーペが追加され、超ワイドなバリエーションを揃えたファミリアは、東洋工業の代表的な基幹車種に成長していきます。
その先陣を切ったのがこの800バン。
現在もプロボックスOEMにその名を残すファミリアバン。その遠い遠い元祖にあたり、9代にもわたる大衆車ファミリアの長い長いヒストリーの嚆矢ともいえる存在です。
今回は隣りのルーチェも同様にセダンからロータリークーペに車両が交代。こちらは久々の表舞台への復帰で、流麗なボディラインはいつ見てもうっとりしてしまいますが、私には初見参のファミリアバンの方が強いインパクトが残りました(^^)。
…この調子で、右隣に隠れている初代キャロルも、いつか後期型の車両から初期型に入れ替わって欲しいなぁ(笑)。
Posted at 2024/07/16 22:52:08 | |
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