
( by 別宮賢治氏 )
今日は会社帰りにCAR GRAPHIC誌の11月号を購入しました。
お目当ては…6ヶ月間にわたるMX-30 Rotary-EVの短期テスト連載の最終回。
実をいうと、前号までの計5回のレポートは比較的厳しい内容を含むものでした。ロータリーエンジンの新たな挑戦に興味と好意を示しつつも、エンジンの音や振動は今時の電動車として気になるレベルだとか、BEV版と比べて乗り心地が今ひとつ質感に欠けるとか、SOC:45%を維持するシステムの考え方が腑に落ちないとか、個々の事象とその評価についてはオーナーの私も納得できるものばかり。さすがはあらゆる国籍やジャンルのクルマを様々な視点から繰り返し評価してきた媒体だけあって、一言一言に重みがある感じ。
そのうえで、現段階ではREらしさやそのメリットを感じにくいクルマだとの的確な指摘には、もはや反論の余地はないとも感じていました。
そして、
このクルマの真の狙いは?
ターゲットユーザーは一体誰?
といったテスター側の真っ当な疑問の数々を、あらためてマツダの開発陣に真正面からぶつけたのが今回の最終レポートでした。
しかし、その中身は基本的にエンジニアの回答(言い分)を紹介するだけに留まり、残念ながら疑問の解消とまではいかず。挙げ句に、現状ではEVとしてもRE車としても中途半端であり、万人に諸手を挙げて勧められるクルマではないとも締め括られています。
ウーン・・・
さぞやオーナーとして不快に感じたとお思いでしょう。
でも、答えは
「NO」なんです。
むしろ、正確な事実分析と等身大の実力評価が好印象だったくらいで。(でないとわざわざ購入しません)
もうね、私は一時期巷に溢れた提灯記事・・・とは言わないまでも、論理性に欠ける好評価や強引な賞賛の記述に触れるたび、違和感を通り越して薄気味悪さすら感じていたのですよ。
賑やかな昼間の短時間走行だけでエンジン音は気にならないと断言してしまう無責任さはいうに及ばず、乗り心地にしても「EV→低重心→重厚な乗り味」と判で押したような画一的な論評だらけでホント辟易していましたからね。
よくぞ、オーナーに「その通り」と言わしめる正確な評価記事を書いてくれたものです。
半年のテスト期間中に計9,040kmを走行した結果、平均燃費12.3km/L、平均電費6.0km/kWhという数字もリアルで想像の範囲内でしたし。
広報車を提供した自動車メーカーに忖度することなく、きちんと追加取材まで行った上で、現状に対する正直な不満と今後への期待を明言してくれた点で、信頼に足る媒体/記者だと思いましたし、それでもなおロータリー愛が勝り、Rotary-EVの所有に心から満足している今の私の心境を末永く記録に残しておくという意味からしても、私はこの僅か見開き2頁のために、喜んで1,740円を投じたのでした(笑)。
Posted at 2024/10/11 01:16:04 | |
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隠れ家のMX-30