
SPIRIT Rの試乗車でRX-8の走りを堪能し、REの独自の世界を再認識したはずの私が、SKYACTIVデミオほどの強い購入意欲を湧き起こせなかった2つの理由とは・・・。
まずひとつは、技術史的な側面とでもいいましょうか。
言うまでもなく、SKYACTIVは120年に及ぶ内燃機関の歴史にさらなる一歩を刻もうという、気迫に満ちたマツダの最新技術。
それに対し、RENESISはというと「かつて」一大センセーションを巻き起こし、内燃機関の新たな扉を開いたマツダの革新技術REの(一旦の)最終形。
今この瞬間、そこに見出せる技術的な意味や新規性、また、それを自分自身が率先して広めていくことの意義や重要度において、私はこの両者の間に埋め切れないギャップを感じてしまったのです。
そしてもうひとつは、受け入れ側である、我が家のクルマたちの今の顔触れ。
私が現在、スポーツカー/コンパクトカー/ミニバンという3台体制を敷いている理由は、子供の頃から大好きだった「クルマ」をその目的や用途に応じてきっちり使い分け、それぞれのクルマが本来最も輝くシーンで存分に活躍させてやりたいという独自の考えがあるから。
実は私、この信念を貫きたいがために、通勤や買い物に至極便利だった広島の地を捨て、十分なクルマ置き場が確保できるという理由から、わざわざホームタウンに舞い戻ってきたといっても過言ではないのです。
だからこそ、大のRE好き・マツダ好きという私の個性を余すことなく表現したRX-7にしても、気軽に買い物に行き難いとか、人や荷物が大して運べないといったウィークポイントを露呈してしまうことなく、時折りスポーツ走行で存分にその真価を発揮させながら、堂々メインカーの地位を保ち続けられているのです。
つまり、我が家におけるRX-7のポジションには、強力な志向性を持つ尖ったクルマでも容認できるポテンシャルがあり、あの個性的な外観を持った私の赤CHARGE号でさえ、何の違和感もなく(?)収まれているのはまさにそのお陰。
だから極端な話、もし将来、新世代RE搭載車が、仮にオールアルミボディ、サイクルフェンダー(マツダスピードのMS-007を思い出しますね)、シングルシーターの超ライトウェイトスポーツマシンに大変貌を遂げて復活したとしても、我が家のガレージは諸手を挙げて迎え入れる体制ができているのです。
(あっ、金銭面は別の話ですけどね・・・笑)
そう思うと、スポーツカーとして異例ともいえる高い実用性を兼ね備えたRX-8は、我が家にとってはあまりにも優等生過ぎる・・・。せっかく現時点「会心」ともいえる3台の棲み分けが成立しているのに、あえてそのバランスを崩してまで強引に迎え入れる理由に乏しいと感じてしまうのです。
こうして、技術的なインパクトおよび現所有車との兼ね合いという2つの理由が、プラスαの動機を生み出すことを阻み、無謀な購入チャレンジに走ることを踏み止まらせたというわけです。
「やっぱり、そうだったかぁ・・・」
ディーラーからの帰途、私を支配していたのは、期待を超える感動が得られなかった残念な気持ち。
この瞬間、今年の正月に一旦決意していたはずのRX-8購入プランは実質的に雲の彼方に消え去ったわけですが、そんな私にもひとつだけ予想外の展開が待ち受けていました・・・。
(番外編につづく 笑)
Posted at 2011/12/25 18:55:24 | |
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