
1月のデイトナ24時間で開幕した2013年のROLEX GRAND-AMシリーズも、いよいよシーズン最終戦。
今年から新設されたGXクラスに挑戦を始めたMazda6 GX(新型アテンザ)とSKYACTIV-D レーシング(クリーンディーゼルエンジン)は、序盤の3戦こそマシンの熟成不足によりポルシェ・ケイマンの先行を許したものの、DEユニットとしての歴史的な初優勝を飾った第4戦・ロードアトランタから第11戦・ラグナセカまで、怒涛のクラス8連勝を達成。
その8勝の内訳も、#70・Speed Source号が3勝、#00・Visit Florida号が5勝で分け合い、Speed Sourceチームと北米マツダによる懸命のマシン開発が、Mazda6 GXのマシンポテンシャルを全体的にきっちり底上げしてみせた事実を物語っています。
ただし、ことシリーズポイント争いにおいては、この勝利の分散が結果として裏目に。
Mazda6 GX陣営は第4戦以降、2台のマシンが代わる代わるTOPチェッカーを受け続けたものの、残りの1台が常に何らかのトラブルに見舞われ、3位以下に低迷。1カーエントリーで戦ってきた#38のポルシェ・ケイマンにその隙を突かれ、、クラス2位の座をしぶとく奪われ続ける結果となってしまいました。
1-2-3位の獲得ポイント差が少ないGRAND-AMのポイント制度ではこれが大きく響き、序盤の3戦で背負い込んだビハインドをなかなか埋め切れず・・・。ドライバーズポイント、チームポイントともに、唯一のライバルである#38・ポルシェケイマンのJ.ノーマン選手とBGB Motorsportsのリードを許したまま、ライムロックでの最終戦を迎えることになったのです。
前戦からロータス・エヴォーラ GXが参戦してきたため、GXクラスのエントリーは総勢4台。
よって、最終戦で挽回し得るポイントは最大で、1位(35pts)と4位(28pts)のポイント差の「7pts」。
11pts差のドライバーズポイントは逆転不可能となり、6pts差のチームポイントのみ、「#00・Mazda6 GXが優勝、かつ、#38・ケイマンが4位」という条件に限り、逆転チャンピオンの可能性を僅かに残していました。
それにしても、2位フィニッシュが定位置の#38・ケイマンが、勝負のかかった最終戦でクラス最下位に沈むことなどあり得るのでしょうか・・・
さて、注目の最終戦のリザルトは・・・
ライムロックでGXクラス優勝を飾ったのは#70のSpeed Source号で、期待された#00のMazda6 GXはクラス3位に。ここでも#38のポルシェ・ケイマンが2位表彰台に入った結果、BGB MotorsportとJ.ノーマン選手がGXクラス初年度のタイトルを獲得しました。
・・・それにしても、GRAND-AM公式サイトに速攻でUPされたレースダイジェストで観た、スタート直後のクラッシュ映像にはホント息を飲みました。
事の発端は、GTクラスの中団で起きたポルシェGT3とアストンマーチンの接触。
GTクラスのポイントリーダーでもあった#44・ポルシェがスピンし、コース中央に横向きにストップしたところに、GXクラスの4台が団子状態で差し掛かったから堪りません。
哀れ、GXクラスの先頭に躍り出ていた新鋭の#11・エヴォーラ GXはこれを避け切れず、ポルシェに激しく衝突。真横にいたGTクラスのBMW M3を巻き添えにコースアウト。
続いて来たのが2台のMazda6 GX。#00・Visit Florida号は大きくグリーンに飛び出して回避した一方、#70のSpeed Source号はエヴォーラやポルシェの破片を弾き飛ばしながらコースを中央突破。
そして、結果的に最も安全にクラッシュ現場を通過したのが、クラス最後尾からスタートしていた#38・ポルシェ・ケイマンだったというわけです・・・。
GTクラスのチャンピオンシップを左右したこのクラッシュシーン、もし、#11と#38のポジション取りが逆だったら、GXクラスの展開もどうなったか・・・なんてタラレバを考えても仕方ありませんね。
一歩間違えば、Mazda6 GXも災禍に遭うところだったわけですから。
この結果、2013年のGRAND-AMシリーズ・GXクラスは、Mazda6 GXが第4戦から9連勝を果たし、ポルシェの3勝を大きく上回る活躍を見せたものの、肝心のチャンピオンシップ争いでは、チーム&ドライバーともに僅差でポルシェ・ケイマン陣営が勝利することになりました。
ディーゼルエンジンでのGRAND-AM初優勝をはじめ、極めて短期間でのマシン戦闘力の向上など、話題に事欠かなかったMazda6 GXとSKYACTIV-Dレーシングの初年度チャレンジ。
残念ながらデビューイヤーのタイトル獲得にはあと一歩及びませんでしたが、SKYACTIV-Dレーシングの目標は、あくまでLMP2レーシングユニットとしてのル・マンでの活躍。
来年はALMSとGRAND-AMの統合により、また新しい体制でのチャレンジが見られることでしょう。
というわけで、"記録"よりも"記憶"に強く残った、Mazda6 GXの2013年シーズンでしたね(^o^)。
Posted at 2013/09/30 21:27:15 | |
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