
開幕戦のデイトナ24時間から約4週間。
3月中旬に開催される第2戦・セブリング12時間レースを前に、2日間にわたるテストデーが設けられ、40台を超えるUSCC参戦マシンがフロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイに集結しました。
ALMSとGRAND-AMを統合した新生USCCシリーズの記念すべき開幕戦は、北米マツダとSpeed Sourceチームにとっては大変厳しい戦いとなりました。
デビュー戦となった2台のマツダLMP2 SKYACTIV-D Racingは、最高峰・Pクラスのライバル勢に大きく遅れをとったばかりか、格下のGTマシン勢にもタイムで及ばず、予選グリッドはなんと全出走マシンの最後尾となる総合59位/総合60位。
決勝レースではスタート直後から次々にトラブルが発生してピットインを重ね、最終的には2台ともガレージで息絶え、デイトナのチェッカーフラッグを潜り抜けることはできませんでした。(公式リザルト上は総合56位/総合57位)
昨年、GRAND-AMシリーズのGXクラスでマニュファクチャラーズタイトルを獲得したSKYACTIV-Dクリーンディーゼルエンジンは、大幅に出力を向上してLMP2シャシーに搭載されたものの、Pクラスの上位マシンとのタイム差は途轍もなく大きく、速さや信頼性における種々の課題を克服してライバルたちと戦えるようになるまで、長い長い道程が待ち構えていることを予感させました。
ま、マツダの歴史を振り返れば、ロータリーエンジンによるル・マンへの挑戦も最初は似たような苦戦続き。
ここは焦ることなく一歩一歩、着実に前へ進んでもらいたい・・・そう願う一方で、真紅のソウルレッドのボディにSKYACTIVデカールを散りばめた、まさに現在のマツダを象徴するような最新鋭マシンが、シリーズ唯一のディーゼルエンジン搭載車というハンデはあるにせよ、PCクラスのみならずGTカーたちの後塵をも拝する姿は、ファンとしては到底堪え難いものでもあります。
よって、
「2月のテストでは・・・せめてGTDクラス勢くらいは蹴散らして欲しい・・・」
これが私のささやかな希望だったわけです。
果たして、注目のセブリングテストデーの第1日目。
昨晩、USCC公式サイトのライブチャートで1回目のセッションの途中経過を覗いてみると・・・なんと、マツダLMP2 SKYACTIV-D Racing(#70)は、総合TOPのマシンからは10秒落ちのタイムながらも、順位は全体の中団あたり・・・よく見れば、GTDクラスの全18台のマシンを見事に従えているではありませんか!!
どうやら、ここセブリングはデイトナに比べると各クラス毎のタイム差が大きく出るコースのようで、なるほどチャートを眺めてみると、上位からPクラス勢、PCクラス勢、LMGTクラス勢、そしてGTDクラス勢の順にきっちり集団を形成しています。
#70のマシンはその中では例外扱いで(苦笑)、1台だけPクラス/PCクラスの群れから離れ、LMGTクラスとGTDクラスとの間に単独でスッポリ嵌った感じ(^_^;)。
結局、#70は初日1回目のセッション(150分間)でトータル32LAPを周回し、2:04.998のベストタイムで総合22位(全41台中)で終了。
そして今朝、初日2回目のセッション(135分間)のリザルトを確認してみると、#70はベストタイムを2:01.311まで短縮し、総合24位(全42台中)。周回数はトータル40LAPにも及びました。
総合TOPのコルベットDPとの差も9秒弱まで縮まり、次なるターゲットのGT-LMクラス勢からのビハインドも僅か1秒前後と、相対的なポジションを大きく回復。
依然、Pクラスでは最下位のポジションですが、つい1ヶ月前、デイトナで全車の最後尾あたりを迷走していたのが嘘のような大躍進です(^^)v。
<初日2回目のセッションの最終結果>
1位 P-1 1:52.480 ( - ) #5 コルベットDP
2位 P-2 1:53.267 (+0.787) #42 ニッサン・モーガン
3位 P-3 1:53.425 (+0.945) #90 コルベットDP
4位 P-4 1:54.522 (+2.042) #10 コルベットDP
5位 P-5 1:54.686 (+2.206) #01 フォード・ライリー
6位 P-6 1:54.918 (+2.438) #1 HPD・ホンダ
7位 P-7 1:55.184 (+2.704) #2 HPD・ホンダ
8位 P-8 1:55.190 (+2.710) #6 ニッサン・オレカ
9位 P-9 1:55.821 (+3.341) #60 フォード・ライリー
10位 P-10 1:56.096 (+3.616) #31 コルベットDP
11位 PC-1 1:56.561 (+4.081) #25 オレカFLM09
12位 PC-2 1:58.750 (+6.270) #88 オレカFLM09
13位 P-11 1:59.023 (+6.543) #78 ホンダ・ライリーDP
14位 PC-3 2:00.060 (+7.580) #87 オレカFLM09
15位 GTLM-1 2:00.364 (+7.884) #911 ポルシェ911RSR
16位 GTLM-2 2:00.496 (+8.016) #93 バイパーGTS-R
: :
22位 GTLM-8 2:01.000 (+8.520) #4 コルベットC7.R
23位 PC-4 2:01.076 (+8.596) #8 オレカFLM09
24位 P-12 2:01.311 (+8.831) #70 マツダSKYACTIV-D
25位 GTD-1 2:04.487 (+12.007) #94 BMW Z4
26位 GTD-2 2:04.703 (+12.223) #73 ポルシェ911GT
: :
42位 GTD-18 2:08.610 (+16.130) #32 アウディR8 LMS
さて、引き続き現地では、テスト2日目の最初のセッションが始まっています。
初日の余勢をかって、#70のマシンがどこまでポジションを上げるかに期待したい気持ちもありますが、その一方で、3週間後に迫った本番の12時間レースを睨み、ここからは速さよりも耐久性の確保を優先させてもらいたいとの思いも^_^;。
何といっても、(北米マツダによれば)SKYACTIV-Dには燃費上のアドバンテージがありますからね・・・。
いやー、今後がますます楽しみになってきました!(^^)!。