
(1)からの続きです・・・
「もっとデミオに乗ろう!」
私がすっかり疎遠になっていたこの嫁さん専用車を、意図的に何度もチョイ乗りへ担ぎ出してみた土曜日。
そうそう、コレだよコレッ!
待望のフルSKYACTIV化の効果で、走る・曲がる・止まるの全ての場面で、前車・SKYACTIVデミオ(DE)からのレスポンスの進化を感じ取り、思わずニヤけてしまったのが、納車直後の頃でした。
幸いにも私は、3ヶ月前のあの感動が蘇ってくるのをハッキリと実感することができました。
ただ・・・その余勢をかって、暫く「4.9」のまま停滞していたi-DMのアベレージスコアをサッと満点まで押し上げ、
「やっぱ、ドライブの機会を設けて良かった!」
と、意気揚々ブログで報告するつもりだったのに、いざ蓋を開けてみると、停止間際のブレーキングコントロールに思いがけず手を焼くこととなり、スコアは逆に「4.8」へと後退(-_-;)。
なんてこったい・・・
予期していなかった白ゲージの連発に人知れずショックを受けた私は、思わず頭の中に『?』が沢山渦巻いてしまったのですが、実はその困惑めいたものは、直後に二段階のステップを経て、少しずつ中身が解明されていくことになります。
まず最初のステップはその日の夕方。
同じAT車のビアンテに乗り換えた際、私は知らず知らずのうちにこのミニバンの5速ATの操作感覚が染み付いてしまっていることに気が付きました。
ビアンテの5速ATとデミオの6速ATは全く世代が違っているし、クルマの方だってエンジンから車重から全てが違うわけですから、同じようなスムーズでメリハリのある車両の挙動を実現しようとしても、両車でその手段・・・つまりは操作の仕方が異なってくるのは当然のこと。
デミオはデミオなりに、高効率トランスミッション「SKYACTIV-DRIVE」の特性をしっかり理解し、減速Gを巧くコントロールする術をこれから身に付けていかねばならないのです。
そう決意を新たにした私の前に、衝撃的な2つめのステップが訪れます・・・。
一夜明けた日曜、車検を迎えたファーストカー・RX-7を旧アンフィニ店に預けた後、自宅までの足として担当セールス氏が用意してくれた試乗車が、アクセラスポーツ・20Sツーリングの「6AT車」だったのです。
「折角なので、自宅まで運転させてください♪」
と、嬉々として運転席に乗り込んだ私。
奇しくもトランスミッションは我が家のデミオと同じSKYACTIV-DRIVEの6速ATですから、前日に散々苦労させられた停止時の減速Gコントロールのことを私が強く意識していたことは言うまでもありません。
ところがところが
ここでも私の意に反して、シナリオ通りに事が運びません。
旧アンフィニ店から自宅までは6kmくらいの道程で、途中で幾度となく赤信号や右折待ちのシーンが巡ってきたので、その都度、ブレーキの踏力を変えながら何通りかの止まり方を繰り出してみたのですが、ただの一度も、昨日のデミオのようなシフトショックらしきものは発生しなかったのです。
えー、そんなバカなぁ・・・
そればかりか、15分程のドライブでこのアクセラの6ATが見せたスムーズかつダイレクト感のある変速マナーたるや、まさに「素晴らしい!」の一言で、感動さえ覚えてしまったほど。
「わぁ・・・アクセラの20S、すっかり見直しましたよ!」
と、助手席のセールス氏に興奮して何度も語りかけてしまいましたから^_^;。
まぁ、無理もありません。
思わず体がつんのめるようなシフトショックまで覚悟して、予め期待値を下げて走らせたのに、逆に非の打ちどころのない完璧な変速パフォーマンスで返されてしまったのですから、そのギャップがとても大きかったわけですね(苦笑)。
つい先日、アクセラセダンのフォルムの美しさを再認識したばかりだというのに、ここへきてまたハッチバックに回帰してしまいそうです(^_^;)。
いやいや、そんなアクセラのスタイル話なんかどうでも良くて・・・
一体なんなんだ? このシフトショックの差は!?!?
そこで、あらためて自分の記憶を必死に辿ってみると・・・
今を遡ること3年半、BLアクセラで初めて「SKYACTIV-DRIVE」を体験して以来、CX-5、アテンザ(GJ)、プレマシーSKY、ビアンテSKY、そしてアクセラ(BM)と、私はこの6速ATを搭載したクルマに数多く試乗させてもらいましたが、少なくとも短時間の試乗中には一度たりとも、変速ショックが気になったことはなかったのです。
それなのに、何故・・・
どうにも納得のいかない私は、我が家のデミオのSKYACTIV-DRIVEの素性を解き明かそうと、まずは各車パーツカタログで部品番号を見比べてみたのですが、トルコンに関してはどうやら3つのグループ(①「1.3G」、②「1.5G/2.0G/2.5G+1.5D」、③「2.2D」)にキレイに分かれてそうな番号の規則性が見い出せたものの、トランスミッション本体についてはそこまでハッキリとは読み解けず(^_^;)。
仕方がないので、ダメ元で『デミオのすべて』を探し出し、技術解説のページを読み返してみたら、
「ガソリン用には小型・軽量化を施した6ATを新開発」
と、あっさり書いてあるではありませんか(笑)。
つまり、マツダ最新の6速AT「SKYACTIV-DRIVE」はそのバリエーションとして、既に世に出ていた「ラージ」版(許容トルク:460Nm)、「ミドル」版(同:270Nm)に加え、今回のデミオから「スモール」版も登場し、大・中・小の3タイプが出揃っていたのですね(^_^;)。
(ったく・・・オーナーならよく読んでおけよ)
ふむふむ、アクセラの6ATよりも小型で軽量なタイプが搭載されていたのか・・・遅まきながらそのことを知った私。さらに続けて「すべて本」を読み進めていくと、衝撃的な記述に行き当たりました。
「1速ギアは、変速ショック緩和用のワンウェイクラッチを廃止」
なぬっ?
気を取り直して読み進めると、このワンウェイクラッチ廃止は引きずり抵抗の低減を狙ったものとのこと。
そして・・・
「代わりにピストンを二重構造にして・・(略)・・ショックのない変速を実現」
なるほど。
たしかに、発進・加速時に1速→2速のシフトショックを意識させられたことはなく、むしろ、そんな機構の省略や代用があったと聞いて驚いたくらい。
ただ・・・そもそもは、引きずり抵抗の多少の増加に目を瞑ってでも、ワンウェイクラッチを採用するメリットが確実にあったはずですから、廃止した結果として、どこかで変速ショックが犠牲になっている可能性は否定できません。それがもし仮に、2速→1速のシフトダウン時のマナーだとしたら・・・・私がアクセラとデミオがハッキリ「違う」と感じたのも、あながち的外れではないのかも。
もっとも、アクセラ20S-Tの試乗車が走行5,000kmほどだったのに対し、我が家のデミオはやっと1,500kmを超えたレベル。本邦初登場の「スモール」版の6AT、もう少しばかり経過観察をしてあげても良いでしょうね(^_^.)。
それに・・・車両が停止するタイミングと、1速に入るタイミングが重なってしまうケースは、例えば前方の信号が急に赤に変わってしまった時など、比較的速い(慌てた)減速を行った場合に限られるので、停止のたびに毎回起こるわけではありません。
しっかりと余裕を持ち、意図的にゆっくりとした減速モードに持ち込んでやれば、確実に停止よりも先にシフトダウンするので、心穏やかに停止の瞬間に備えることはできるのです(^_^;)。
あー、スッキリした。
土曜日の私はホント、停止時の白ゲージが抑え込めない事態にただただ閉口。
デミオとの関係構築に突如暗雲が垂れ込め、先行きに大いに不安を感じてしまったものですが、こうして少しずつでも状況が整理されると、それだけでもまずはひと安心。
要は、デミオ・13Sの6ATが他の6ATとは少し素性が違う(かもしれない)こと、そして何より、私自身にビアンテの5ATのクセが染付いてしまっていること、この2つの要因が把握できただけで、心理的には随分と楽になりました。
先代デミオ(CVT)では、微低速域から「ドンッ」と段付き加速をしてしまうそのカラクリがスッキリ解明し切れず、得体の知れない白ゲージに思わず戦意を喪失しかけたものですが、それに比べれば、今回のシフトショックなんて、十二分に予見できる現象ですから、ここは落ち着いて克服にチャレンジしていけそうです!(・・・たぶん 笑)