
(
第八話からの続きです)
間口僅か8メートルという縦長の敷地にもかかわらず、そこで私が突き付けた車庫周りの機能要件ときたら、
・クルマが4台平置きできること
・全車がそれぞれ単独で出入りできること
・全車とも雨に濡れずに乗降できること
なんて無理難題ばかり。
(土地が広ければ難しくも何ともないんですけどね)
でも、これらは何れもカーライフの環境改善を最重視する私にとって不可欠であり、最低条件に過ぎません。
これを満たさないと先へは進めませんよ(-_-)
強硬な姿勢で打ち合わせに臨んだ甲斐あって、複数の業者さんが晴れて次のステップへ駒を進めることに。
そこで私はすかさず、車庫周りの必須要件をクリアした4提案を徹底比較。
ドア開閉スペースの広さをはじめ、クルマへのアプローチのしやすさ、父のアクセラの出入りのしやすさ、果ては来客用駐車スペースの有無など、様々な視点から私的なランク付けを実施したのです^m^。
その結果、ハウスメーカー系の2案が、一歩抜きん出てワン・ツーを形成。
実をいうと、その2案は普段使いの2台を置く向きが90度異なる、似て非なるレイアウト。しかし、何れもが十分な合理性を備えた優れた提案で、一旦は順位を付けたものの、私自身の評価の差は“ごく些細な”ものだったのです・・・このあと出てくる”果てしない“差に比べたら、ね(^^;)
大きく事態が展開していったのは、メインデッシュの本体(=家)の方に目をむけてから。
当初は車庫周りにしか関心のなかった私ですが、ふと気が付くと、建物の構造からして、木造、重量鉄骨、軽量鉄骨、鉄筋コンクリート+木造と”四者四様”の乱立状態。
そして、外観のテイストも似たような状況であり、パッと見の印象だけで語っても、”モダン”、”クール”、”スタイリッシュ”、”エレガント”と多種多様。
ま、私たちの側からは、家の外観や雰囲気に対する要望や指定を一切出してこなかったので、当然といえば当然の話だったのですけどね。
世間一般でいうならば、まさにここからが真の「お楽しみステージ」かもしれません。
でも、当の私の正直な心境はというと・・・
「し、しまった・・・全く物差しがないゾ」
(爆)
そう、カーライフの環境改善を申年プロジェクト最大の目的に掲げ、その実現性を徹底検証してきた一方で、私は迂闊にも、それ以外のことは全くといっていいほど無関心であり、無頓着だったのです(苦笑)。
必然的に、車庫周りの成立性を云々していた一次選考の段階ではずっと静観していた嫁さんが、次第に打ち合わせの主導権を握っていくことになるのですが、この展開は、内外装へのこだわりや具体的な思いのなかった私にはむしろ好都合。少なくとも、業者さんの提案に対し、「はぁ・・・」「うーん・・・」といった煮え切らない返答を繰り出さなくて済んだのですからね。
そんなわけで、一見うまく転がり始めたかのように見えた家選び。
しかしその序盤において当プロジェクト最大の難題が浮上し、シビアな決断を迫られることになります。
先の車庫周りに関する私自身のランク付けでは甲乙付け難かった上位2社。
しかし、その外観テイストは見事なまでに180度異なっていたのです・・・
それ即ち、
無機質なキュービックスタイル vs エレガントな洋風スタイル
という決定的なまでの対比(^^;)。
そして困ったのが、嫁さんが前者に対して激しく
ネガティブだったこと(-_-;)。
実をいうと、私はむしろ無機質な外観イメージの方を好感していて、車庫周りの成立性で負った僅かな劣勢など十分に挽回できるとの見立てでした。私にとってエレガントな外観イメージは”嫌いでも好きでもない”レベルに留まっていましたからね。
おまけに、その時点における間取りの完成度と満足度は、夫婦揃って前者の方が圧倒的に高かったのも事実。
かの無機質で素っ気ない外観イメージに対する嫁さんの拒絶反応さえなかったら、たぶん呆気なく前者に決まっていたと思われるのですよ。
でも現実はそうではありません。
さーどうする!?
私の資金で建てる家だから、私の好きなようにするべきでは?
そんなもっともらしい言い分が頭に浮かぶ一方で、一緒に住むのは家族であり、私1人の占有ではありません。トータルの満足度が少しでも高い方が良いに越したことはないのです。
それに、どちらの提案も私が異様なまでに執着した車庫周り要件は見事にクリアしているわけだし・・・
いやいや、でもやっぱり家に限ってはデザイン性よりも機能性を重視したい!
(マイカーの色選びではかなり冒険してますけど 爆)
斯くも様々な思いが渦巻く中で、次第に私の頭をもたげてきたのはスケジュールの話。
今回の申年プロジェクトは、何度も言ってきた通り、カーライフ環境の抜本的改善がメインの目的。
そこが実現できなければ新築を諦めるくらいの不退転の決意で臨んできたわけですが、いざその難関をクリアすると、少しでも早く事を進めたくなるのが心情というもの。
いや、サブの目的として、年老いた両親の生活サポート強化や通勤の負担低減がある以上、悪戯に時間を浪費するのは得策ではなかったのです。
そこで私は、上位2社の間でずっと迷い続けたり、両社を競わせて次のラウンドに持ち込むのを止め、スパッと決断。残された時間をできるだけ決定業者との細かな打ち合わせ作業に宛てることにしたのです。
些か急な展開で仮契約書にサインしたのは・・・私が申年の誕生日を迎えた直後、父親がみたび体調を崩す少し前のことでした。
(
第十話につづく)
あ・・・どちらのテイストを選んだかは、ブログの中に答えがあります(笑)