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第十話からの続きです)
昨年、年男となった私が、勢いに任せてぶち上げた“申年プロジェクト”。
その唯一かつ最大の証しとなる、新しいカーライフ拠点の完成まで
あと2ヶ月弱!
・・・のはず(苦笑)。
相変わらず進捗がハッキリ見えないハウスメーカーさんとの打ち合わせ(※この期に及んでもカーテンや照明類が未確定なのに急かされる気配もなし 汗)に一抹の不安を覚えながらも、また、高齢の父に忍び寄った新たな病魔の進行に気を揉みながらも、一世一代のプロジェクトはようやく大団円を迎えようとしています。
第一話からここまで、本来なら”生活拠点”と言うべき部分を”カーライフ拠点”と言い換えていたり、私が絶対に譲れない車庫周りの要件をコンセプトシートに書き連ねて最初の打ち合わせに臨んだりと、当プロジェクトは徹頭徹尾「クルマ中心」のコンセプトを貫いてきた印象がきっと強いと思いますし、私自身も意識してそのようにしてきたつもりです。
小学生時代から「クルマ馬鹿」と言われ続けてきた自分自身のアイデンティティを不滅の形で表現するためにも!(←それは言い過ぎか)
でもね・・・
大変不本意ながら、この私が譲歩したポイントも実はあるのですよ、
2点ほど(-_-;)。
今回の第十一話は、そんな「まさかの」譲歩の激白といいますか、ややもすると懺悔に近い内容なので、今までとは少しトーンが異なるかも(^^;)。
さて、まさかの譲歩、まず一点目は・・・
インナーガレージの内幅を、途中で「30㎝」削ったこと。
ぐふふ。
幅8メートル弱という縦長の敷地の中に、手前から順にアウターガレージ、玄関および1Fフロア、そしてインナーガレージと、3つのエリアが続く1階部分のレイアウト。
当然ながら(笑)主役は前後2箇所のガレージであり、そこに十分なスペースを割いた上で、残った部分に玄関やら階段やら通路やら私の部屋(私設ミュージアム)を詰め込んだわけです。
ところが、現実的に残ったスペースがあまりに狭かったようで、設計士さんが苦心のレイアウトを施すも、玄関の扉をどうしても斜めに配置せざるを得ず、土地の長手方向に対して角度が付いてしまったのですよ。
それだけでなく、平面図を見る限り、玄関の外側スペースが窮屈で、来訪者は開けた扉を避けながら体を捩じって玄関内に入る必要があったのです。
ここで私はシビアな選択を迫られました。
日々の住人の出入りはもちろん、来客があるたびに利用される玄関周りの空間。
その正面口が窮屈という不格好な問題を積み残したまま、一生その不便さと付き合い続けることを問題視すべきか、それとも、時々インナーガレージ内でRX-7の長いドアを開け放つ際、余計な気遣いが必要になる不便さを問題視すべきなのか(笑)。
アハハ・・・こんな恣意的な書き方をしてしまうと答えは自明なんですが、実はインナーガレージの幅を狭くすると、それだけ私の部屋(私設ミュージアム)が広がるというメリットもありまして・・・。
まぁ、私の陣地の中で最善のバランス取りをした、ともいえますし、同時に“家族”と”自分”のバランス取りをしたともいえるわけです。
でも、地鎮祭を終えていざ着工すると、基礎工事でガレージの外郭が顕わになった瞬間、そして、上棟に向けてガレージが立体的に立ち上がった瞬間、私は等身大(というか、現物)のガレージ内幅を目の当たりにし、こう思ってしまったのです。
「たかが30センチ、されど30センチ」(爆)
果たしてこの譲歩が致命的であったか否か。
こればかりは実際にクルマを入れてみないとわかりませんよね。
ガンッ・・・
不注意でドアを壁にぶつけるたびに、あの日の決断を後悔するのでしょうか?(爆)。
さてさて、まさかの譲歩2点の話、
もうひとつは何かというと・・・
アウターガレージは鉄骨構造を諦めて、カーポートにしたこと。
え? まさかのカーポート???
そうなんですよ、そのまさかなんです。
元々私が申年プロジェクトでカーライフの環境改善を図ろうと思い立った動機のひとつは、他でもない現在の縦長ロングカーポートの「限界」でした。
縦列3台の並べ替えの面倒臭さだけでなく、風や埃に対する無防備さといったカーポートの不満が、十年にわたる利用で少しずつ蓄積し、もはや耐え難いレベルにまで達してしまったのですね。
とはいえ、私がプロジェクトの初期に作成したコンセプトシートなる要件書には、新しいカーライフ拠点で「実現したいこと」や「回避したいこと」が列記してあるだけで、具体的な実現方法や手段・様式の選択には言及せず、先方側に一任するスタンスを堅持しました。つまり、こちらからは「インナーガレージはMust」とか、「カーポートは絶対NG」とか、具体的な指定は一切してこなかったのですね。
でも、前述したような積年の思いもあって、私の心の中で「カーポート」は限りなくNGワードに近かったし、事実、初回提案にカーポートが組み込まれていたケースでは、私は「あ~、カーポートなんですかぁ・・・」とあからさまに失望感を露わにしてましたからね(爆)。
なのに、一体なぜ譲歩を?
それはズバリ、「コスト」と「納期」という切実な問題でした。
画像の模型で、手前側にそびえ立つのが「バルコニー兼アウターガレージ」の一例ですが、鉄骨構造のこの部分だけで、建造費が「4桁」万円かかると聞いたら、皆さんどう思われますか?(苦笑)
私なら・・・200万円でカーポートを設置して、残金でボルボXC90を買いますね(爆)。
なんて冗談はさておき、「それはあまりに割高だ・・・」と呆れかけていた私にさらに追討ちをかけるように、「工期が間に合いそうにない」との宣告が(+_+)。
私にとって「建物の引き渡し」の意味するところは、「新カーライフ拠点の完成」に他なりませんから、一時的にせよアウターガレージ部分だけ未完成という中途半端な状態は全く意味を成さないのです。
よって、広々としたバルコニーや家本体との調和した佇まいは魅力的ではありましたが、私は潔く鉄骨構造案を諦めたのです。
ただ、さすがにもう悠長に先方の自発的アイデアを待つほどの時間的余裕はなかったので、”因縁の”カーポート利用を前提とした具体案を私から提示したのです。
もちろん、商品の選定やレイアウト検討には念には念を入れましたよ。
カーポートは全幅7.8メートルという、敷地の幅を目一杯使える横長タイプのものを厳選。3台を横並びにできる余裕の軒下スペースを確保し、かつ、前面道路や家本体との位置関係を入念に検討し、住人やマイカーのみならず、宅配便や郵便配達車までも無理なくアプローチできるように配慮。
この結果、当初の鉄骨構造案に比べると、少なくともカーライフ視点で言う限りにおいては、使い勝手は遥かに改善したものと自負しています。
それに・・・上に被さる覆いの形状は大きく変わることになりましたが、実家のアクセラに関しては、青空駐車からカーポート下へ「昇格」するわけだし、嫁さんデミオに関しては、現在のようにカーポートの軒下から鼻先が出るような失態は防げるので、依然として何らかの処遇改善代は残ることになりますし(^^;)。
実際のところは、現在の家の外観イメージに対し、武骨で無機質なカーポートがうまく調和するか?とか、極端に狭くなった2Fのバルコニーがまともに使えるのか?とか、不安要素がないと言えばウソになりますが、まぁこれも完成の時を待つしかありませんね。
というわけで、今回は数少ない譲歩点についての説明(釈明?)でございましたm(__)m。
(第十二話につづく)