ひとつ、
大きなクルマほど安全である、という常識に反論します。
ひとつ、
高価なクルマほど快適である、という考え方に反論します。
ひとつ、
ハイテクなクルマほど高性能、という認識に反論します。
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とある新型車のティザー広告が出現したのは・・・今を遡ること30年、1993年夏の新聞紙面でした。
ほんの少し前、バブル期に各社が揃って大型化やハイテク化を進め、より豪華でより高価になった日本車へのアンチテーゼのような挑発的なキャッチコピー。そしてそこには、新型車の車名を示唆する
『”L”アピール』とのタイトルが大々的に掲げられていたのです。
なにも身内も含めた日本車全体を敵に回さなくても・・・と思わなくもないですが(笑)、斯くも斬新で印象的な予告を経て姿を現したクルマが、マツダの
ランティス("L"ANTIS)でした。
折しもその年の4月に就職し、6年間の東京暮らしに別れを告げ、山口に帰ってきていた私は、学生時代から楽しんできたスポーツ走行を社会人になっても継続しようと、8月にAUTOPOLISで開催されたMAZDASPEEDクラブ走行会に勇んで参加。
ところが、帰宅直後から愛車エチュードのB6エンジンが不調を来し、街中さえ満足に走れない惨状に…。サーキットを駆ける相棒はおろか、日常のドライブの御共にも困る事態に陥った私は、全く計画していなかった次期マイカー探しを強いられ、同じFFで走りに期待ができそうな小型ハッチバック車として、発表されたばかりのランティス(クーペ)に白羽の矢を立てたのです。
エンジンはモアパワーを求めて2.0LのV6エンジン一択、トランスミッションは当然マニュアルということで、刷り上がったばかりのカタログを穴が開くほど眺めて、素のクーペ・タイプR(5MT、199.2万円)を速攻で注文。振り返ってみれば、展示車も試乗車も確認せずクルマを買った最初の事例が、このランティスでしたね^^;。
私がみんカラの
フォトギャラリーで"魔法の玉手箱"と題したランティスは、未だに過去の愛車でベストと断言できる魅力的なクルマでした。上質なフィールのV6DOHCエンジンをはじめ、軽快なハンドリングと抜群に高いシャシー性能、大人4人が快適に移動できる快適性と実用性に加え、躍動感に溢れる超・個性的なデザイン。これだけの長所を5ナンバーサイズの枠内に贅沢に詰め込んだのがランティスというクルマの最大のハイライトであり、その魅力はおそらく唯一無二のものではないかとさえ思います。
だから、オーナーさんの高い満足度はもちろん、簡単には代替できない心境(たぶん)まで、私は十二分に理解できるのです。
初車検から3ヶ月後の1997年の正月、マツダのロータリーエンジンの存続危機を看過できなかった私がRX-7への代替を急遽決意し、哀れ放出の憂き目に遭ったランティスは、私の手元を離れてもうすぐ27年が経過します。暫くの間大切に保存していた自動車雑誌記事のスクラップ帳も、志高きオーナーの方に安心してお譲りできたので、アルバム写真の数冊を除けば、もはや我が家にランティスがいた形跡は何も残っていません。
でも、
このランティスが初めて気付かせてくれた「赤いクルマに乗る瞬間の湧き立つようなトキメキ♪」は、今でも私の心に強烈に刻まれています。Myガレージに収まるヴィンテージレッドのRX-7はまさにその直系にあたる存在ですし、ソウルレッドのアクセラXDや、チリオレンジのビアンテにもその思いが波及しているのは間違いないところ。
つまり、若き日の思い出が沢山詰まったランティスの残像は、今もなおマイカーの彩りの中にしっかり生き続けているというわけでした。
・・・以上、
前置きがとても長くなりましたが、マツダミュージアムの土曜特別開館における「ランティス特別展示」の画像のご紹介でした(^.^)。
(いやいや、前置きしかないじゃんか 爆)
Posted at 2023/12/03 10:59:31 | |
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