昨日のブログに書いた通り、SKYACTIV-G は低速トルクも大きく改善しています。
その立役者の1つが 4-2-1 排気管。
仕組みはともかく、低速トルクの改善のうち半分ぐらいは、この 4-2-1 排気管を採用したことによる功績ということ。
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/035/463/935/d67ea8e322.jpg?ct=92c8d10b86f9)
(出典:
ハイブリッドなしで燃費30km/L、マツダの次世代技術スカイアクティブとは【前編】)
この SKYACTIV テクノロジーを開発したのは、人見光夫という人。
マツダ藤原常務に快進撃のワケを聞く【前編】 フォード“徳川時代”に学んだこと
マツダ藤原常務に快進撃のワケを聞く【後編】 欧州メーカーはハプスブルグ家タイプ!?
マツダのエンジン技術開発の方向性を決めているのはこの人だと言って過言ではないのですが、常務執行役員までのし上がった人ですから、私はてっきり「生え抜きのエリート」だと思っていました。それが実は2007年当時は「人見さんはくすぶってたといいますか、いわゆる閑職というかエンジン開発の傍流にいた」そうで。
それがなぜ新型エンジン開発の表舞台に立ったのか、色々と面白い話が載っているのですが、この人は2007年当時から、この 4-2-1 排気管を採用するというアイディアを持っていた様です。
しかし 4-2-1 排気管はアフターパーツで売られるぐらい一般的な低速トルクを向上させるための技術。
SKYACTIV-G は、これを最終的に高圧縮率につなげたのがポイントなんですが、どうしてマツダは今まで 4-2-1 排気管を採用しなかったのか、また他社もほとんど 4-2-1 排気管を採用しないのかというと、
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/035/464/355/80adf2a8c9.jpg?ct=c0a8480947d8)
(出典:
エンジンだけでリッター30kmの燃費 マツダ「SKYACTIV」を解剖(1))
このクソ馬鹿デカイ排気管(4-2-1排気管)をエンジンルームに納めるのは大変だからです。
形を見てもわかる様に、作るのも大変だし、コストもかかるし、何より馬鹿デカイ。
どのくらいデカイかというと、
![](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/userstorage/000/035/464/430/915a382297.jpg?ct=a0287868c9ab)
(出典:
CX-5 SKYACTIV-G のエンジン技術)
左側が一般的な 4-1 排気管、右側が CX-5 に採用された 4-2-1 排気管です。
SKYACTIV-G 2.0 が搭載された BL アクセラは、エンジンルームにスペースがなくて、この排気管が載せられなかったぐらいですから。
先代 BL アクセラと 現行 BM アクセラの側面図を見比べて見ましょう。
上が先代 BL アクセラ、下が現行 BM アクセラです。
先代アクセラの前座席の位置が赤い線、前輪の中心を青い線で示しています。
現行 BM アクセラは、前車輪が前方に移動している(エンジン搭載位置も前に移動している)にもかかわらず、前座席は後ろに下がっていることがわかると思います。
つまり、エンジンルームを広げるために、居住空間を削って 4-2-1 排気管を載せたということ。
MM 思想(古い!)のホンダとは正反対ですね。
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Posted at
2017/02/05 00:44:40