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2018年06月23日

魂動デザインの長いノーズは無駄?

魂動デザインの長いノーズは無駄? 普段は車雑誌はあまり読まないのですが、たまたまコンビニで見かけたベストカーにこんな記事が。

フェルディナント・ヤマグチのザ・インタビュー
第5回 元日産GT-R開発者、現ラクスジェンU6開発責任者 水野和敏氏

【フェル】 ところで、マツダはどうでしょう?

【水野】 (略)商品としての車のバラツキが大きい。誰かの思い込みで突っ走っちゃったクルマ、パッケージングから何から何まで実物検証しながら皆で知恵を出し合いながら作ったクルマまで極端に差が出ているのがマツダの特徴だね。


この人、第6世代群と呼ばれる 2012年発売の CX-5 以降のマツダ車にはほとんど乗っていないんだろうと思う。

確かに、昔のマツダ車は、車ごとに性格が全然違っていた。例えば先代の DE デミオと、同じく先代の BL アクセラでは、エンジンも少し違うが乗り味が全く違った。

1.3L の DE デミオは少し踏んだだけで飛び出していく様な車だった。印象としては、軽くて元気な車。
ただ元々馬力がある車ではないから、そこから踏み込んでも加速しない。極端に言えばアクセルのオンオフだけで車を動かしているような、そんな印象の車でした。

対して、同じ CVT の 1.5L BL アクセラは軽くて元気な車という感じはなく、アクセルの踏み込みと加速が比較的リニアな車でした。(ただし、両車ともアイシン精機の CVT の出来がイマイチで…)

とはいえ、トヨタなど他社もプリウスとヴィッツは全然違うし、アコードとフィットも全く違うし、同じメーカーでも違う車だから乗り味が違うのは当然だろうと、当時は自分も全く疑問に思っていなかったのも事実です。

BM アクセラに乗り慣れた頃、1.3L DJ デミオに乗ると感じたのが、「トルクも馬力も全然違うけど、乗り味はとても似ている」という点。発進時に少し踏み込んだ時の車の加速の仕方、そこから踏み込んだ時のリニアな感じがとても似ている。

で、それは CX-5 や CX-8 の試乗車を借りても同じ印象なんです。
トルクも馬力も着座高さも違うけど、乗ってみると同じ車を運転しているかの様な統一感がある。

特段に優れた機能もなく、重さもエンジンやサスペンション全く違うのに、どうしてこんなに統一感があるのかと疑問に思っていたら、こんな記事を見つけました。

 マツダ「目標を追わず理想をめざす」理由
 藤原清志専務インタビュー(前編)
 http://president.jp/articles/-/22346?page=2

【藤原】まずは日本の自動車会社の中で、優れた――それは乗り味や機能やデザインなどが優れたクルマを、小さいクルマから上のクルマまで格差のない状況にしたいんです。例えばデミオに乗っても「小さいクルマだから」と卑下することなく、お客さまが満足して「良いクルマに乗っている」と思える状態を作ることで、(ユーザーの)クルマを見る目を上げたい。品質やクルマの善しあしを感じるレベルを上げれば、それが結局クルマ文化を作るベースになると思うんですね。


つまり、第6世代群以降のマツダ車は、同クラスの競合他車と比べて近付こう、超えようとしているのではなく、マツダとしての理想があって、そこに近づけようと製品開発をしているということらしいです。

なるほど、そうであれば、デミオから CX-8 まで、とてもよく似た乗り味を持つのは当然ということになります。

それに気づいた後、「ではマツダの理想とする運転とは?」と興味を持つことになり、これまで長い間続けてきた運転姿勢や運転の仕方を見直すきっかけにもなったのですが、その話はまたの機会に。

さて、実はこちらが本題ですが、前述のベストカーの記事には、こんな下りもありました。

【フェル】 マツダ一連の「魂動デザイン」はいかがですか?
【水野】 あれはね・・・(苦笑)。確かに他社と同じいいものを作ってもダメ!だから独自にしますという企画の意図はわかる。しかし、私がインダストリーデザインで一番嫌いなのは「無駄なスペースを使って、いいデザイン」という言葉。これはエンジニアとして認められない。
【フェル】 といいますと?
【水野】 ベンツは限られた少ないスペースで空力と車格と存在感を放つのよ。(中略)意味のないスペースで作るデザイン、個人的には「恥ずかしさは?」と思えるくらい。
【フェル】 げげげ。これは手厳しい・・・。
【水野】 そりゃそうだよ。デザインをやっている人はアーティストぶっているかもしれないけど、エンジニアからしてみれば恥ではと言いたい。家でいえば「六畳一間づすばらしい部屋を作り、だけど六畳に一畳を足して部屋を大きくしていいデザインにしました」なんて言ったって誰も誉めないし、当たり前。
【フェル】 う〜む・・・。
【水野】 マツダのデザイナーには一度、マツダ車とベンツを並べて直接見てもらいたい。(略)ベンツはノーズがあんなに短くてもいびつじゃないワケ。マツダ車のデザインは、デミオを筆頭にフロントグリルの格好よさを優先して後席やトランクが狭い。エンジニアとしての良識から見て欲しい。前を伸ばしている分、タイヤに人が食い込んでいる。だから乗り降りもしにくい。要するにお客様を犠牲にして"いいデザイン"というのは、インダストリーデザインとしてはどうなんだろうと?(以下略)


つまり、この元日産GT-R開発者と称する水野和敏氏は、「マツダ車はデザイン優先でノーズを長くしている、エンジニアとしての良識に反している、恥ずかしい」と言っているのです。

実際に、アクセラでも先代 BL アクセラと比べると、現行 BM アクセラはノーズが伸びています。



ただし、前を伸ばしてタイヤも前に出して座席を後ろに下げているので、後席やトランクが狭いのは事実ですが、タイヤに人は食い込んでいません。タイヤに食い込むほど座席を前に出したら、折角のオルガンペダルも採用できません。

では、本当にマツダは「デザインのためにノーズを伸ばしたのか」ですが、それデザインのためだけではないということは様々な形として情報として出ています。

 なぜ SKYACTIV-G は低速トルクが向上したのか
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/39271243/

ここでも記事しましたが、



このクソ馬鹿デカイ排気管(4-2-1排気管)をエンジンルームに納めるためなワケです。
新型アクセラにはフルSKYACTIV を載せるのは必須、SKYACTIV-G は長い排気管が必須、よってそのスペースを確保しなければならないのも当然、というエンジニアリング的要件でノーズが長いのです。


デミオの SKYACTIV-G 1.3 はこのクソ馬鹿デカイ排気管は載せていませんが、同じ車体にクソ馬鹿デカイ排気管を持つ SKYACTIV-G 1.5 や、ターボなどの補機類を持つ SKYACTIV-D 1.5 を乗せられたのも、ノーズを長くしたからです。
この他にも、

 マツダ「デミオ」、伸ばした80mmを3分野に生かす
 http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/article/NEWS/20140912/376320/

にある通り、

 - 全長の短い右ハンドルのクルマはどうしても運転姿勢が左向きになる。デミオは前輪と座席の距離が80mm伸びたため、ペダルの位置はホイールハウスの都合でなく運転姿勢の都合だけで決められるようになった。

 - ホイールハウスとペダルの場所の取り合いが解消したためにホイールハウスの幅を広くでき、前輪の切れ角を大きくした。このためホイールベ―スを伸ばし、ホイールを大きくしたにもかかわらず、最小回転半径を15インチ車で4.7m、16インチ車で4.9mと先代並みとした。

というメリットがあります。
また、他の記事では、

 小さなデミオの大きな変身
 http://www.webcg.net/articles/-/31060

 「新型ではキャスター角を寝かせて(3.3度→5.0度)、直進性を向上させたという。」

 衝撃の事実。デミオはGTカーだった!
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20141002/272027/?P=4

 「デミオの大きさでキャスター角をより大きく取ろうとすると、8センチ前へ出す必要がどうしても有った訳です。今回のデミオは、高速を使ってより遠くまで快適にドライブできる価値を提供しようとしています。高速の安定性を重視しているのです。」

というエンジニアリング的な要求もあります。

この方が賛美しているベンツですが、日本国内やイギリスで売られている右ハンドル仕様車は、ハンドルがオフセットしていて気持ち悪いんですよね。私が乗ったことがある BMW も同じでしたが、こういう犠牲を無視するのはエンジニアとしてどうかと思いますよ。

 「メルセデス・ベンツ Cクラス セダン」海外自動車レビューサイトによる評価は?(海外の反応)
 https://kaikore.blogspot.com/2017/04/mercedes-c-class-saloon-2017-review.html

 「イギリスの右ハンドル仕様ではステアリングホイールが少しドライビングポジションの中心からずれている。」

元日産GT-R開発者、現ラクスジェンU6開発責任者の水野和敏さん、ベンツやBMWの右ハンドル車のアクセルペダルやハンドルのオフセットを無視して賛美した挙句、自分がよく知らないだけなのに、マツダ車がデザイン優先でノーズを長くしたとか、乗り降りしにくくなったとか言い出すのは、エンジニアとして非常に恥ずかしいことですよ。
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Posted at 2018/06/24 17:07:28

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この記事へのコメント

2018年6月24日 22:54
なるほど私から見て「商品のバラツキ…」は
国内メーカーでマツダほど統一感のあるメーカーは無いなと思います。(BクラスシャシーとC・Dクラスのシャシーと比べ)
ただスポーツ系(ロードスター)と一般普通車とは多少隔たりは有って当然で良いかなと。

デザイン優先で空間がムダ…これをマトモに取る…自動車開発者は…あまり居ないと思います。
ただ…ハイキャスターは…コダワラナイ方が良い。キャスターが寝てなくても矢のように真っ直ぐ進むクルマはたくさん有るので。
マツダがシャシーの味付けが未だ定まらない原因って…これに有る気がします。
コメントへの返答
2018年6月30日 22:15
もちろん、車種の性格によって味付けが変わるのは当然ですね。

レンタカーを借りることが多いのですが、デミオクラスはもうフィットとかヴィッツとかはまだ良くて、アクアとかも我慢するとして、ダイハツ BOON とかもう(略)、すごく差が激しいんですよ。

だから借りると、まずは車に慣れるところから始まる訳なんですが、その中で同クラスでもなく性格も全く違うマツダ車同士が凄く似ているという感じを受けます。

キャスター角に関しては、異なるサス構造とか異なるセッティングでの比較では、キャスターが立っているから直進性が悪いとは言えないけど、同じサス構造が同じなら寝ている方が直進性が良くなるとは言えるかと思いますが、どうでしょう。
2018年6月30日 22:09
マツダユーザー、マツダファンにとってベストカーの記事、水野のコメントを読むほど無益な事はないですよ。
あの人、車の事を分かってるとは思えません。
お金の無駄遣い。
コメントへの返答
2018年6月30日 22:21
こんばんは、コメントありがとうございます。

私は水野さんをそこまで貶めるつもりはないですよ。(ここまで書いておいてそういうかと思われそうですが)

水野さんは私はもちろん、他の多くの人よりもずっと車に詳しいとは思います。

ただ、マツダ車には興味がないのでしょう。
デザインの評価が高い、スカイアクティブなんて元を辿れば80年代の技術(人見さんもそう言っています)、という妬みとか反発心もあってああいった発言になったんじゃないかなと思います。

素直に「マツダ車はあんまり乗ってないので知らないんですよね」というキャラクターじゃないですしね。
2018年6月30日 23:03
車を知らない

という言い方は語弊がありましたね。
所詮は車体開発のイチ技術者。

総合自動車雑誌で広く公平な目で見る立場にないという事で書き直したいと思います。
どっちにしろベストカーなどと言う雑誌はお金を払って読む価値などないと思います。
コメントへの返答
2018年7月1日 15:28
こんにちは、コメントありがとうございます。

私もベストカーも含め、車雑誌はほとんど見ません。日経の専門誌とかなら読みますが、ほとんどはインターネットで検索すれば情報を得られる世の中ですからね。

紙媒体はどうやって生き残っていくのか、テレビすら若い人は見ない(私はおっさんですが、おっさんですら見ない)という世の中になりつつありますからね。

先週号のベストカーだけは、この記事を書くために買っちゃいましたけど(笑)
2018年7月1日 16:43
YouTubeの試乗レポ、みんカラをはじめとするアマチュアの評論の方が的を射ている事例もチラホラ。

そもそも改良型CX-3の違いを調べてるうちにaquablauさんのブログを目にすることになり、金払ってつまらん記事読むより優れた感性の

(高速でのダブルレーンチェンジとかのテストと違って公道ユースでは感性が鋭ければプロアマ関係ないと思ってます。プロでも情けないほどの文章力で何が言いたいのか伝わらず、カービューの記事はヤフコメなんかで酷評されてます)

違いを感じる人が、資料に基づいた正確な情報と共に提供してくれる。
ああ、この人も同じ事に気付いてるんだ。
自分の感性もまんざらでもないな。
それでいいと思ってます。

私も雑誌は店頭で気になる記事がある時だけ
2分くらいで斜め読みするだけです。
お金払って買って読むのは
モーターファンイラストレーテッド(かなりお高いですが)の気になる号のみ。

写真は、「ワンダー速報」さんのサイトの写真があるので
気になる新車の細部はそこで確認してます。
凄く車の魅力を伝えることの上手い人だと思います。

この秋、保有車を車検通す予定なので
次期アクセラ狙いで情報見守ってる次第です。



コメントへの返答
2018年7月22日 11:49
コメントありがとうございます、返信が大変遅れて申し訳ありません。

記事をお褒めいただいて恐縮です。
私も車雑誌は買いませんが、モーターファンイラストレーテッドは時々買います。

車雑誌は不正確な内容も多々あり、読んでいてストレスになることもあるのは正直なところです。
日本で車好きというのは、少し幼いというか子供っぽいと世間では認知されているのではないかと思います。

車のショーでは下着姿より際どい女性が車の横に飾られ、タイヤは薄ければ薄いほどかっこいいとされ、排気管は意味もなく4つ付けた方がかっこいいという人が多数います。
北関東の暴走族の竹槍出っ歯と何が違うのかと。

次期アクセラですが、リアサスの進化に興味ありです。

同時に評論家の腕も試されるでしょうね。TBAのリアサスの評価をキチンとできるかどうか、TBAというだけで悪く書く能無しもいますからね。
2018年8月8日 1:13
ずいぶん遅くなりましたがコメントします。
m(_ _)m

水野さんはクルマ全体を見る技術者で、その辺のにわかジャーナリストとはレベル違うと思います一般論として。

週刊誌ではベストカーがダントツの販売ですからスポンサーのメーカーに媚び売らない記事かけます。マガジンXもそう。これも一般論です。

スカイアクティブの排気の為にタイヤを前に出した。しかしこれは完全なるメーカーの都合だからお客さんの為ともする為にペダルとかスタイルも頑張った。でもタイヤ前に出さずペダルのまともなクルマもあります。

FFはペダルとホィールハウスが問題になり、FRはペダルとセンタートンネルが問題で、どちらもキツイですが別の問題です。

又タイヤが食い込むのはリヤ席のことでしょう。FFの利点は室内が広い事なのに。だったらFRでいい。だから次期アテンザ?はFRに? 儲かる高級車にしたいのでしょう。大きな賭けだと思います。(≧∇≦)ターボ化と同じで方針転換だから。やるなら頑張れ(^O^)

勝手な事ばかりで、すみません。
m(_ _)m
コメントへの返答
2018年8月13日 15:28
コメントありがとうございます。

週刊誌は販売数(部数)が多ければメーカーに媚を売らないか、というとそうとも思えません。
私から見ると、車雑誌の車評で信頼できる雑誌、評論家はごく一部です。

さて、スカイアクティブの排気はお客さんの為ですよ。
圧縮比を14(日本では13)に上げ、燃費・トルクをともに向上させたのはメーカー都合ではなくお客さんのためでしょう。

エンジンはそこそこでいいから広い車が欲しいということであれば、そういう車を選べばいいかと思います。

ちなみに FR の BMW 1 Series も右ハンドル車のハンドルオフセットは健在です。

プロフィール

「@おとぅさん 軽油ってレギュラーガソリンと比べて、店舗によって値段のばらつきが大きいと思います。」
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