クスコLSD TYPE-RS 仕様変更 その②
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
続きですが、いきなり参考画像です。
ディスクについては後述しますが、端っこから外爪、内爪の順に交互になっており、片側5組、合計10組(20枚)のディスクが仕込まれています。
外→内→外→内→外→内→外→内→外→内→ピニオンギア←内←外←内←外←内←外←内←外←内←外
ということです。
2
このLSDのキモとなるRSスプリングです。
これがイニシャルトルクを発生させます。
もちろん、この本数が多いほどイニシャルトルクは強くなります。
アルテッツァ用には8本分の差し込み箇所が設定されており、標準状態では6本となっております。
つまり、あと2本追加して更にイニシャルトルクを上げる余地があるということです。
ですが、今回は逆にこれを4本に減らします。
私なりの理解ですが、イニシャルトルクとは100m走でいうと、スタート地点を0mではなく、ゴール寄りに設定するようなもの。
ゴールはもちろん、LSD効果最大の状況とします。
標準の6本を50mとするならば、8本は70m、4本は30mにスタート位置を設定するような感覚です。
今回は青丸の2本を撤去します。
スポッとはまってるだけです。
3
イニシャルトルクだけではなくロック率も変更します。
ロック率とはLSDの作動具合と思っていただければよいかと。
LSDの作動とは「差動制限」であり、デファレンシャル機構の主旨である「差動」、いわゆる内輪差を生み出す機構を「制限」、つまり『否定』するものです。
だから旋回時には内輪がズリズリとスリップすることになります、そうじゃないと車は曲がりません。
デフォルトではロック率は100%となっています。
これを80%に落とします。
因みに100%と言っても、デフロックの状態にはなりません。
ロック率はディスクの組み方で変更できます。
ディスクを丁寧に掃除しながら全てを取り出しましたが、特に目立った損傷やゴミはありませんでした。
4
画像3のようにディスクの組み方を変更してロック率80%とします。
RSスプリングも2本抜いてあります。
この状態で2wayから1.5wayに容易に変更できます。
街乗りメインであれば1.5wayの方が使い易いのでしょうが、ここはあえて2wayのままでいきます。
そのためにイニシャルトルクを落としました。
※本来は画像のように積み上げるのではなく、外した釜の方に順に入れていった方が楽なんでしょうが、初めての分解であり、自分の覚えでもありますのであえてこの形で組んでいます。
5
これが完成形です。
イニシャル33%ダウン、ロック率20%ダウンです。
あとは元に戻していきます。
簡単に書きましたが、デフキャリアを降ろして分解、それを元に戻すという作業はなかなかの重整備です。
足廻り交換の方がよっぽど楽です。
6
今回は触りませんが、LSD調整のもう一つの要素であるカム角について少しだけ。
カム角はLSDが効き始めてから最大ロックになるまでのスピードと理解しています。
55°や45°、35°というのがありますが、この角度(数値)が大きくなるほど効くスピードが速くなります。
カム角を変えるにはプレッシャーリングを交換するしかありません。
因みにアルテッツァ用のカム角は55°です。
なのでRSスプリングを8本、カム角を35°とかにすると、イニシャルトルクが強いので効き始めは早いけど、最大ロックとなるまでは緩やかという事になるのだと思います。
(そうなると、ディスクの減りが心配ですが)
7
カム角についてもう一つ。
①1way、②1.5way、③2wayとありますが、
①はアクセルオン時のみ作動で、アクセルオフは何も起きません。
画像を見ていただくと、プレッシャーリングには三角形をオン側に横倒しにした切り欠きがあります。
この時、オン側のみ55°等のカム角が存在し、アクセルオンでプレッシャーリングをグイグイっと押し開いてLSD効果を発生させますが、オフ側は0°なのでプレッシャーリングを押し広げることはできません。
「1wayはアクセルオンの時だけ効く」という理由です。
次に②を飛ばして③
画像のとおり左右均等な菱形です。
アクセルオンが55°であればオフも55°です。
どっちにしても同じように効く、つまりアクセルをオンオフしてもLSD効果に差がでにくいという事になります。
これがアクセルオンオフの激しいドリフトで2wayが好まれる理由です。
それでは②
1.5wayはアクセルオンでしっかり効いて、オフで微妙に効くというのがよく耳にする表現ですが、正しくは1.5wayは2wayの変形型になります。
1.5wayのカム角は55°/20°とかいう風に表現されます。
お察しのとおり、これはアクセルオン時が55°で、オフ時が20°のカム角で作用するということ。
数値上で見れば、アクセルオフの時はオンの時の1/3ほどの効きになると予想されます。
画像のオン側はしっかりした切り欠きがありますが、オフ側は緩やかなこじんまりした切り欠きしかないのがわかります。
切り欠きの山が小さいということは、アクセルオフ時のLSD効果はそれだけしかない、とうていMAXまでは行きようがないということです。
つまり、
オン:オフの比率が1:0なのが1wayで、1:x(0<x<1)となるのが1.5way、1:1なのが2wayということです。
x=オフ側の山の高さ
あくまで素人なりの見解です。
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