
エーモンのSSR(ソリッドステートリレー)が届きました。
この手の半導体製品は仕様が分からないと使えないという話は先日のブログで語りました。
タイトルの画像通り、着荷するなり分解してます。
結論から言うと
「使って全く問題ありません」
使用されているチップ等は公開しません。
これはメーカ側に問い合わせたときに「仕様は公開しない」と言われたためです。
しかし、これからこの製品を使う方に必要な情報を備忘録で残します。
(1)リレー本体のスイッチングの構造
フォトカプラ、もしくはフォトトライアックを使うと予想していましたが外れました。
MOSFTEを利用したスイッチング回路で出来ています。
冷静に考えれば3Aぐらいの電流流すのに環境温度に影響されやすいフォトカプラは使用しない方が得策ですよね。
放熱板が無い(厳密には基盤のアース面にベタ付けされている)んですが、制御できる電流はほぼ環境温度に影響されません。
基準となる25度でも100度でも流れる電流は同じということ。
(データシートで確認)
これは心強い。
(2)使用できる負荷側の電流
製品の注意書きで「3Aまで」と書かれています。
さらに製品の注意書きには「-20度~60度で使用」と書かれています。
データシートも確認しましたが確かにこの範囲では全く問題ないです。
というか、もっと電流を流しても問題ないです。
どこまで大丈夫かは公開しません。
製品の注意書き通りで使ってください。
(3)入力側の制限について
フォトカプラが使われていると入力側はLEDになりますから流れる電流に制限を受けます。
この製品、入力側はMOSFTEをスイッチングするトランジスタだけです。
本当にリファレンス通りの使われ方しかしてない。
(回路起こして確認しましたので間違いないです)
このトランジスタのIbが入力の限界なんですがデータシートにデータがありませんでした。
加圧する電圧さえ間違わなければ電流は流れませんので結論的には問題ないです。
ただ、製品のパッケージに使用例が示されていますが、その中で使っている調光ユニット(max 1A)というのはやはりキーワードでした。
(一応、13.8Vで1Aで回路設計されてました)
1A以上流れないように注意しておきましょう。
(仮に1.5A流れても壊れないです)
(4)漏れ電流
実測はまだしてません。
必ず実施して確認しますが、MOSFTEって電流漏れないんですよ。
最近のエコ家電にはこの特性を利用してMOSは結構使われています。
データシートではナノアンペアレベル。
ほぼ無視してよいです。
一方、しきい電圧というのがあってデータシートでは1Vです。
1V以上の加圧でスイッチングがオンになりますので注意ですね。
(5)その他
負荷側のMOSFTEの性能は車の部品としては最適なのが選ばれていました。
12V専用で使えとパッケージには書いてありますけど、もっと大きな電圧でも負荷側はOKです。
ただし誘導側(製品の青コード)の加圧は12V専用です。
(加圧する電圧を変えると電流が多く流れるため。オームの法則を思い出してください)
LEDの調光では問題にならないと思いますが、スイッチングディレイは30~40nsあります。
この製品、高速スイッチングによるが逆起対策がされています。
LEDが逆起で切れることはないですね。
最後に大事なこと。
逆接続に脆弱な回路設計です。使われている部品の中に逆電圧のスペックが低い奴が混ざっています。間違った接続(逆接続)だけは注意しましょう。
(あとがき)
エーモンが仕様公開しないのは、車の使用で考慮すべき制限が少ない設計にしているためでしょうかね。
逆接続以外、あまり壊れる要素はないです。
このユニットリレー、先日私が作った「ナイトライダー発生装置」で使ったPWM制御と全く同じ構造ですw
なのにSSRにMOSFTEが使われているとピンと来ないのは私のセンスがない証拠ですわ。
製品パッケージには「MOS-FTE内蔵」って書いてありました。
なお、分解したことで「ウェルカム・アンダーネオン」に光明が見えてきました。
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Posted at
2018/05/12 11:11:39