
九州地方に発生している線状降水帯。
被害に遭われた方はお気の毒としか言いようがありません。
自然災害は備えても完全回避は出来ないので結局は被害を受容するしかなくなんともやり切れないものです。
本日は、車の水害の話。
まず、基本事項として「水害」には2種類あることを理解しておく必要があります。
「津波」と「それ以外」です。
豪雨による川の氾濫などで起きる水害(水没)は車の車両保険の対象です。
これは一般車両保険でもエコノミー車両保険でも対象。
一方で津波被害は対象外です。
(特約があるらしいんですけど、私は知りません)
私も水没の経験がないので詳しくは知らないのですが一般に駐車していて水没の場合は補償されます。
冠水道路に突っ込んで水没した場合、「故意」によるものなのか判断が難しく補償されないケースもあると思いますので注意しましょう。
(詳しくは保険の専門家に聞いてみてください)
なお、保険を使っても事故と違って翌年1等級ダウンだけです。
車両保険に入っていても補償額には注意が必要です。
保険会社は基本的に「修理」で補償額を計算します。
一般的に修理費の方が安いから。
ところがエンジン内まで水没した場合は、全損となるケースが多いです。
全損の場合は補償額マックスまでお金がもらえると思ってませんか?
これ間違いですから。
車には減価償却が設定されていて支払われるのは時価相当の価値まで。
300万円の車に300万円の補償額を設定していても10年モノの車には300万円出ないのは容易に想像が付きますよね。
なので毎年の保険見直しの際、車両保険の補償額は見直す必要があります。
また、オプション装備は車両内の「家財」扱いとなる物もあり後付のオプションの場合は注意が必要です。
満額補償されるのは新車特約のケースだけですね。
ビンテージ車はさらに注意が必要。
車両保険そのものが拒否されるケースもありケースバイケースです。
基本的に水害に遭わないのが一番です。
川の氾濫が予想されるとき、車両を何処に避難させるかは普段から考察しておきましょう。
この場合、すでに川が氾濫したケースを想定し「ハザードマップ」を利用して避難場所への移動路も考察する必要があります。
私の住まいは多摩川と鶴見川に挟まれた地区なので遠くへの移動は多分無理です。
近くの立駐に退避しか方法がありません。
最近の電柱には「予測冠水高さ」が表示してあります。
(海抜表示の場合もあり)
立駐に移動できないケースも踏まえ「妥協できる場所」も検討しておくといいです。
最悪、エンジン搭載の前の部分だけジャッキアップして前輪にブロックなどを履かせます。
なお、冠水して止まった車は動かさない事。
一流メーカのハイブリッド車の場合、冠水しても漏電しないような作りになっています。
(輸入車は知りません。怖い車両もあるかも)
それでも補機バッテリーから供給される電源系は漏電の可能性があり一発で駄目になる可能性があります。
(自らとどめを刺したいケースはあるかも知れませんがw)
冠水すると「臭い」が残るので修理はイヤなんですよね。
これがとどめを刺したい理由w
目の前の道が冠水している場合、Uターンする勇気を持ってください。
ちなみにどのくらいまでなら走行できるかはJAFが実験結果をYoutubeなどに公開しています。
一般に車両のアンダーラインが限界と思ってください。
30センチぐらいでもイケるケースは多いんですが、ハイブリッド車の場合はEV走行に移った瞬間にマフラーから水がエンジンに入っていきます。
昔の車は吹かしながらであれば乗り切れたんですけど、今は無理。
(前日紹介した整備モードを利用する手はあるけどね)
また、速度が速いと水が巻き上げられてエンジンが疑似的に冠水することがあります。
割と怖いのは勢いがあると舟のように浮遊してコントロールを失う事。
覚悟を決めて行くなら10km/hぐらいの速度を推奨します。
勢いがあった方が行きやすい感じですけど逆なので。
私から言えば、ニュースで見かける冠水道路で走行する車両は「とどめを刺しに行っている」としか見えません。
愚かな行為なのでよく考えて行動しましょう。
(あとがき)
車以外にも家屋の浸水も注意が必要ですよね。
特に悲惨なのが「下水の逆流」。
下水には「汚水」と「雨水」に分かれていますが汚水の逆流は臭いが残る為、その後が悲惨です。
ニュースでは大きなゴミ袋に水を20リットルぐらい入れて便器の下水溝の蓋をする「水のう」が紹介されていました。
ただ、家の下水全部は無理ですよね。
流し台、風呂、洗濯機排水、トイレ・・・
全部繋がってるし。
前に住んでいた別宅を買う時、この下水の逆流を考慮して下水の基幹を調べてそこより高い位置の住宅を買いました。
割と家を買う時の考慮すべき基本らしいですよ。
今の家は低い位置に建ってるので防げないだろうなぁ。
建て替えの踏ん切りがつくだけかもね。
一応、やらないよりやった方がマシなので覚えておくとよいです。
あと玄関等の土嚢ですけど、ブルーシートとプランターなどで防水壁を作るのは有効です。
(水圧を利用するので作り方にコツが要ります。ネットで調べてください)
今の家って床下のエアレーションは基礎の上にゴムパッキンを敷いて建物を乗せて浮かせていますので基礎の高さまではこの防水壁で対応できます。
白アリ対策で45cmは基礎が上がってるはずなので30cmぐらいなら床下浸水を防げるはず。
台風のあと屋根の雨漏りでも有効なブルーシート。
災害用に装備は有りです。
(保管場所が大変なんだけどね)
(車の一時的な防水対策でも有効です)
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2019/08/29 11:07:30