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9年前、病気で手術を受けたあとの話です。

胸腔や腹腔などに挿入されたドレーンチューブ6本が2台の電動式吸引機（点滴スタンドに縛り付け）に繋がっていて、ベッドから離れる時は電源コードを抜いて吸引機ごと移動しなければならず、
ある夜中、どういう訳か吸引機がベッドの左右に分かれて置かれていて、トイレへ行こうにも身動きできず、看護師さんに吸引機を移動させてもらったことがありました。


そんな頃に落ち込んでいる私を元気づけてくれた鉱物の師匠と毎晩メールでやり取りをしており、寝付けない夜中に、師のブログ内に“ヒダル神による大台ケ原の遭難”の謎を解いたTV番組のHPへのリンクが貼ってあって興味深く見入ってしまいました。


※ 以下 Wikipedia より
ヒダル神は山道などを歩いている人間に空腹感をもたらす悪霊の類をいう。
これに憑かれると、歩いている最中に突然にして激しい空腹感、飢餓感、疲労を覚え、手足が痺れたり体の自由を奪われたりし、その場から一歩も進めなくなり、ひどいときにはそのまま死んでしまうこともあるという。
これに憑かれるとされる場所は大抵決まっており、山道、峠、四辻、行き倒れのあった場所などが多い。
土地によっては火葬場や磯でも憑かれるという。
和歌山県では、熊野の大雲取、小雲取という二つの山のあたりに餓鬼穴という深い穴があり、そこを覗くと必ずヒダル神に遭ったという。



『手足が痺れたり体の自由を奪われたりし、その場から一歩も進めなくなり』・・・・・まさに身動きできずトイレへ行けない状態の私でした。
師は励ましてくれているのに、ヒダル神の話で逆に恐ろしさでその夜は一睡もできませんでした。
この先の病気の再発を心配するあまりの精神的に不安定な時期だったのもしれません。

なお、悪霊の原因は、
周辺の二酸化炭素の濃度によるもので、大量に吸い込むと、心拍数が増加し、脱力感、意識障害などの中毒症状が現れるそうです。