(古池や蛙飛びこむ水の音)
7:14~8:52 滋賀県大津市:三井寺駐車場 走行距離:1801km
起床。駐車場におじいさんが数人がいて、それぞれ黙々と落ち葉を掃いていた。着替えをすませ車外に出ると、待ち構えていたかのように一人が寄ってきて、駐車料金を請求された。それはいいのだが、そのおじいさんが言うには(三井寺の境内には)「8時前だと受付に誰もいないからお金払わんでもええで」とのこと。それならそうしようかと一瞬思ったが、モラルに欠けるのが嫌で開場するまで待ち、お金を払って堂々入場した。
西国三十三所第十四番の寺。
「いでいるや なみまのつきを みゐでらの かねのひびきに あくるみづうみ」
日本四箇大寺の一つに数えられているだけあって、とにかく広い。境内の中には多数の重要文化財のお堂があった。「弁慶の引き摺り鐘」、「左甚五郎の龍」、これらの伝説は果たして本当なのだろうか?マユツバものだが、おもしろい話である。
観音堂のあたりでは視界が開け、民家、観光ホテル、そして琵琶湖が望めた。曇り空なのが残念だったが、晴れていれば海のような湖と、それを取り巻く山々がさぞや美しいのだろうな。
9:26~12:31 比叡山延暦寺 走行距離:1815km
「延暦寺」とは一つの寺のことだと思っていたが、比叡山に点在する200以上の建物を総称してそう呼ぶ、ということをはじめて知った。
琵琶湖西岸を北上し、延暦寺を目指し、山を登って行く。有料道路のゲートをくぐり、まずは東塔、根本中堂へ。
全国の大名から納められた天井の花の絵が見事。1200年間消えたことのないという「不滅の法灯」、これは「織田信長の焼き討ち」の際の火も現在にまで脈々と続いているとも言えるのだろうか?ここは見ごたえ十分だった。深まる秋のせいか、畳が冷たかった。
次は比叡山頂へ。
きのこの形をした展望台があったが、時期はずれのためか営業してなかった。その手前では、何かを造成中で、嫌な音が響いていた。
続いて西塔へ。
弁慶のにない堂、釈迦堂、椿堂と見たあと、長い砂利道を歩き、最澄の廟所である浄土院へ。綺麗に敷き詰められた玉石、そこに浮かぶように等間隔に顔を出している庭石の上を小気味よく歩く。と、間もなく奥から「コォラァ~~」と怒鳴り声。ここは非公開だから入っては駄目だったらしい。失礼しました。
後日知ったことだが、ここでは一人の僧が12年間一歩も外へ出ないで修行しているらしい。ずっと昔からそれが繰り返されているのだ。そんなことをして一体なんになるのだろう。果たして何かを悟ることはできるだろうか?それは12年間の修行を全うした人にしかわかるはずもない。
最後に横川へ。
ここは数多の高僧を輩出した聖域であるが、メインの東塔から若干距離があるためか、観光客は少なかった。カメラマンたちによる紅葉の撮影会が行われていた。
静寂な森の中を進むと、横川中堂が見えてきた。色鮮やかすぎ、ありがたみが伝わってこないのが残念。あと長い砂利道をぐるっと廻って、元三大師堂、根本如法塔と見た。この寺域はあんまり見るところのない、マニア向けの場所だと思った。
こんな感じで比叡山をざっと見て廻ったが、高野山と比べるとあまりに観光化されており、商売に走りすぎと感じた。有料道路の料金が2320円と高かったのも腹立たしい。
13:27~14:15 石山寺 走行距離:1853km
西国三十三所第十三番の寺。
「のちのよを ねがふこころは かろくとも ほとけのちかひ おもきいしやま」
比叡山を下り、再び琵琶湖沿いを走る。やがて湖が瀬田川となり、川沿いに進むと間もなく石山寺があった。
この寺はかつて紫式部が「源氏物語」を執筆したことで知られる。境内には天然記念物に指定されている巨石群「珪灰石」があった。なんという迫力、これを見るだけでも訪れる価値はある。水彩画を描いている人が二人いた。確かに絵になる風景だ。
14:29~15:00 岩間寺 走行距離:1859km
西国三十三所第十二番の寺。
「みなかみは いづくなるらん いはまでら きしうつなみは まつかぜのおと」
この寺は人家の少ない山のほうにあった。
江戸時代、ここで松尾芭蕉が「古池や蛙飛び込む水の音」と詠んだという池が本堂の脇にあった。それにちなんでか、かえるの置物の口から池に水が注がれていた。
15:41 草津市:セブンイレブン 走行距離:1873km
日程の都合上そろそろ関西から脱出しなければならない。次は源頼朝や日蓮の足跡をたどろうと思い、「いざ鎌倉」。国道1号線をひたすら東へ進むことにする。
その前に、まずは食料調達。おにぎり、ジュース、ガムなどを購入。カルビまんも買った。和歌山のカレーまんと同じく、ここでもマスタードをつけてくれた。もしかして、関西ではこれがあたりまえなのだろうか?またも塗って食べてみると、なかなかおいしい。クセになりそう。
17:51 三重県鈴鹿市:サークルK 走行距離:1940km
トイレタイム。
往路と復路が鈴鹿で交差、という事実に気づきちょっぴり嬉しい。
19:28~20:54 愛知県名古屋市:ポカリの湯 走行距離:1985km
国道沿いに巨大な銭湯があった。探す手間が省けありがたい。設備も豪華で至れり尽せり。
22:42 豊川市:ローソン 走行距離:2047km
食料調達。
0:19 静岡県袋井市:日石三菱石油 走行距離:2125km
ガソリン満タン入れる。秋田に比べると値段が高い。それにしても泊まる場所がなかなか見つからない。日をまたいでしまった。都会には死角がなくていやだ。
1:26 道の駅_岡部 走行距離:2177km
ここの道の駅は国道沿いにあり、深夜だというのに脇を沢山の大型トラックが猛スピードで走り抜けて行く。駐車場も狭いし、眠るには好ましくない場所だがしょうがない。爆音を子守唄に爆睡。