2010.11.12(金)
道の突き当たりに巨大な山門が現れた。看板を見ると清涼寺という古刹の物であった。この寺の存在は名前すら知らなかった。
看板によると、現在寺宝特別展を開催しているとのことで、見てみたかったが、ここも天竜寺同様またの機会にしよう。
ここのT字路を左折し狭い路地を走り、突き当たりに、目的地の祇王寺(ぎおうじ)があった。
この寺は平清盛によって憂き目を見た、白拍子・祇王、その妹・祇女、母・刀自、そして仏御前という、4人の哀しき女性たちの隠棲した寺である。
嵐山・嵯峨野といったメジャーな場所とは違って、奥嵯峨野という目立たぬ地にあるせいか、観光客は極端に少ない。
平家物語を読んでなかったら、私も一生訪れることはなかったであろうこの寺、喧噪から離れ静かな雰囲気に包まれていた。
拝観券を購入、まずは庭園を散策。地面は苔で覆われていた。さきほど拝観が叶わなかった苔寺こと西芳寺の、グラビア写真と同じような感じである。
モコモコフワフワ感がたまらない。その苔が色づく木の葉や庵と絶妙に調和していて感動を覚えた。
この小さな庭の苔でさえこんなに凄いのなら、西芳寺の庭園はもっと凄いんだろうな。
やっぱりあそこに行きたかったなと残念な思いが込み上げてきた。次回は正式に申し込み、苔のじゅうたんを堪能することにしよう。
竹林を過ぎ、苔の紹介コーナーを過ぎると小さな庵があった。靴を脱ぎ冷たい畳に上がり込むと仏間に4体の木像が祀られていた。
前述の女性4名である。ここで片隅に置かれた案内ボタンを押すと、寺の故事を紹介したテープ音声が流れてきた。
それに耳を傾けつつ、平安時代に思いを馳せ、庵から外に出た。
そして境内の一角にあった平清盛の供養塔と、その脇の祇王、祇女、刀自の墓に手を合わせ、寺を後にした。
各宗派の大本山クラスの寺を賑やかに廻るのも面白いが、こういう目立たぬひっそりとした寺を静かに拝観するのも、またいいものだ。
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2010年旅行記
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2023/05/21 16:58:40