ビリヤード

最近、妙に昔のことを思い出すことが多いんですねー。
年齢的にもちょうど折り返し地点ってことなのか、結婚して娘も少し手がかからなくなってきたせいなのか。

学生時代、キャンパスの近くに中古車屋さんがあったんですが、その敷地の中にビリヤード場があったんです。空き講とか休日によく玉突きに行ってました。腕前の方は大した事ないんですけど。
まあ、当然ビリヤードと言えば、普通ポケット台のナインボールを思い浮かべると思います。
でもそこのお店にはポケット台の他にポケットの無い（キャロム）台の３Ｃ（スリークッション）が置いてありました。

お店のマスター（Ｋ村さん）は全日本３Ｃ選手権で入賞（優勝だったかも）経験のある方でした。
学生ではなく社会人の常連の方たちが３Ｃをされていたんですが、最初は見慣れぬ台で玉は３つしかないし、ポケットも無いし、何やってるのか全然判らなかったです。
でも、マスターと顔見知りになって、教えてもらってやってみたんですけど　とにかく奥が深い。

ルールを簡単に説明します。
台も玉もポケットビリヤードの物より一回り大きいです。
玉は３つで手玉が白と黄色、的球が赤です。先攻が白、後攻が黄色の手玉となります。
二人で対戦しますが自分が先攻の場合、白玉を撞いて残り二つの玉（順不同）に自分の手玉を当てる（キスさせる）のですが３回以上クッション（跳ね返り）を入れることが条件です。
成功しますと１点となりプレーを続行します。不成功ですと交代します。　先に２５点とれば勝ちとなります。(追記：２５点先取は違うようです。Ｗｉｋｉｐｅｄｉａを参照ください）

技量に応じてハンディがあるようです。
言葉ですと不可解かもしれませんのでＹＯＵＴＵＢＥ動画を貼り付けます。映像は２００５年の日本選手権決勝のようです。

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コツみたいなものといえば、やはり３回クッション入れるわけですからかなり手玉を走らせなくちゃならない訳でしてトップスピン（専門用語で何て言うのかな？）をかけるのは基本中の基本だったと思います。
とにかく順回転、左右回転、逆回転と、それらを駆使して手玉を走らせます。
マスターのＫ村さんの手玉の動きはまるで生き物のようでした。

僕は当時、そのお店で半年ほど深夜のアルバイトまでさせていただきました。
今思うと、接客のセの字も知らない世間知らずの自分をよく雇ってくれたなーと思います。
まあ、勘定とかコーヒー落としたり、台、玉の掃除とかですけど。時には常連のお相手とか。
暇なときは練習ＯＫでして、Ｋ村さんはよく「Ｓ田君、たまには３Ｃも突きなさい。」と言ってくれました。
なかなか人前では恥ずかしいものでしたけど。

Ｋ村さんは当時で５０手前くらいだったのかな。片方の脚が少し不自由でもありました。物腰が柔らかく、笑顔を絶やさないそれでいて芯のある方でした。けして怒らず、僕の至らない点も諭すように言ってくれたと思います。
鈍感な僕はそれに少しでも答えれたかどうか。
Ｋ村さんは札幌には単身赴任で来ており、家ではお酒をちびりちびりやるのが楽しみと言っていました。
ご実家は小樽で旅館を営んでるとか仰っていました。

もう１７年前の事ですし、今はそのお店も無いのですがお世話になったＫ村さんにもう１度会いたいです。

最後に１曲。当時、冬だったと思いますが、ビリヤードのバイト帰りにリリースされたばかりのこの曲をよく頭の中で熱唱しながらアパートまで歩いて帰りました。安全地帯で「ひとりぼっちのエール」です。

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