小林薫と玉置浩二が共演した1989年のテレビドラマ「
キツイ奴ら」について書きます。めっちゃ大好きなドラマでした。(すみません、文章をまとめるのが苦手で超長いです。)
高校3年の冬、水曜日9時で1/4〜3/15まで11回放送されました。
柳葉敏郎や篠ひろ子、鷲尾いさ子、吉行和子、名古屋章、清水ミチコなど、実力派俳優が出演していました。
ストーリー的なこと「ネタバレしまくり」ですが。
女と金にだらしの無い
小山内完次(玉置浩二)と完次が作った800万の借金を少年院時代の縁で保証人に無理矢理させられた
大曽根吾郎(小林薫)のコンビが繰り広げるはちゃめちゃなコメディ&ラブ&友情人情劇。
玉置浩二の初の主演ドラマであり、チャラい女たらし完次役を演じるが、月々100万の借金返済や生活費の足しの為、飲み屋で流しの弾き語りをするシーンが随所にある。小林薫とのハモリや掛け合いが一つの見もの。
二人から金を取り立てる善福興行の若社長、
川西貴一郎(柳葉敏郎)の迫真迫るやりすぎ演技も最高で金属バットを片手に暴れまくるところも前半の見ものである。
貴一郎の母、
のぶえ(吉行和子)は完次にメロメロな高利貸し川西商事の女社長で完次と寝て800万を騙し取られるが、それに腹を立てた息子の貴一郎が完次を捕まえ、その800万を返済させるところからストーリーは展開していく。
また貴一郎が経営する自身の憩いの場、コットンクラブというお店でピアノを弾く
前島雪子(篠ひろ子)に大曽根吾郎が一目惚れをし、いきなり初対面でお茶をした時に結婚を申し込んだという設定で物語は始まっており、家にまで押しかけて父親に結婚の承諾を得ようとするが、実はその父親は昔の少年院時代にお世話になった恩師だった。
最初のうちは雪子には全く相手にされない吾郎だが次第に吾郎の男気、優しさ、純粋さに心が動いていく。
前島家はロバの家という孤児院をしており、恩師である雪子の父、
前島公平(名古屋章)が孤児院の経営資金を銀行の他にも娘たちには内緒で土地を担保に300万を貴一郎の母のぶえのところから借りていた。いろいろあってその取り立てに完次が行くことになるが、そこに吾郎が居合わせる。
貴一郎も吾郎と同様に雪子に恋心を抱いたり、また雪子の妹の
恵子(鷲尾いさ子)もダンサーとしてコットンクラブで働き始めるが完次が恵子に思いを寄せていくなど恋模様も面白い。
18歳当時の私には篠ひろ子も吉行和子もおばさんにしか見えなかったが、アラフィフになって見るとなかなか色っぽい女優さんだったんだなぁと思う。
二人とも演技が上手い。
それと妹役の鷲尾いさ子が初々しくて可愛いのなんの。完次の女友達役で清水ミチコも出演するが健気ないい子で完次や吾郎を支えてくれる。
演技といえば、やはり小林薫である。
この大曽根吾郎役を演じる小林薫の演技がとにかく楽しいし優しい気持ちになる。人情に厚くいつも人のために行動してしまい、損ばかりする。
仕事は消火器やランジェリーの訪問販売、人相鑑定士として印鑑を売ったりとかなり胡散臭いのだが、生活信条に
地道と書いた紙を部屋に貼っており、時給580円だとか国民健康保険に入れるような真っ当な生活をしたいと実は願っている。
吾郎は17歳で家出をし、上京してすぐ悪い奴らに金を取られ、仲間になって金庫破りになり捕まって少年院時代を過ごす。
ハヤブサの吾郎という異名は非行時代についたものでこの金庫破りの職人技がクライマックスで重要な意味を持ってくる。
金庫破りの七つ道具の入った袋には
封印の紙が貼ってあるのだがこの封印を小指で破り紐をくわえて解くシーンは何度見ても笑える。
何度かでき心で盗みに入ろうとするがなかなか思う通りにいかない(笑)。
善福興行はひまわり産業というヤクザの組の傘下にあり、そのひまわり産業の会長、
アーノルド杉原が貴一郎にも多額の上納金を要求したり、前島家の土地(地価3億相当)を狙って無理難題をふっかけてくるようになる。
ひまわり産業は前島家に是が非でも土地を売らせるように罠もしかける。芸能界入りを夢見る恵子(前島家の次女)に偽の芸能プロダクションを名乗ってスカウトし完次もマネージャーとして雇うが、ある日事務所に戻るともぬけの殻だった。芸能活動の諸経費1000万を恵子に背負わせる。
完次と吾郎は偽のプロダクション社長をとっ捕まえて借用書に署名捺印させて事なきを得るが今度は二人がひまわり産業の殺し屋達から狙われ吾郎の金庫破りの師匠の元へ身を隠すこととなる。
ひまわり産業にある金庫を破ろうと同型の金庫を師匠に取り寄せてもらい攻略研究に没頭する日々を送る。
雪子に思いを寄せる貴一郎だが前島家を救いたいという思いととひまわり産業の前島家を潰せという命令に逆らえないという思いで板挟みになる。挙句に上納金に2000万をさらに要求される
追い詰められた貴一郎はひまわり産業に盾を突くことを決心する。吾郎と完次と貴一郎が手を合わせて一泡吹かせようと友情の誓いを立て物語はクライマックスへ入っていく。
私の大好きな玉置さんの演技は半分は地で行っていたのかもしれない。
が、回が進むにつれて吾郎さんとの息も絶妙になってくる。前半は自分勝手で軽薄な男なのだが、恵子との出会いで本当の愛に目覚めていく完次をうまく演じたと思う。最終回ラスト近くまで友情をとるか愛をとるかで揺れる場面もでてきて観てる方を不安にさせるが最後は吾郎と見事に仕事を成し遂げ、貴一郎とその子分達と共に、コットンクラブ従業員の絶妙なチームワークでひまわり産業に一泡ふかして男になって完となる。
オーラスはコットンクラブで関係者一同で蛍の光を歌ってフィナーレなのだがこの時の出演者たちの表情がまた清々しい。玉置の弾くギターと歌声もドラマを通して素晴らしく、またドラマの中に散りばめられたいろいろな歌謡曲が妙にカッコよい。
89年というと昭和から平成になったご時世でありバブルが弾ける直前の絶頂の頃である。このドラマを見るとそういう勢いも伝わってくるが、そんな時代だからこそ、友情、人情、人と人との絆が大切なんだと訴えているように思う。
配信はやってないようで、DVDレンタルがおすすめ。
最後に10年ほど前このDVDを送っていただいたある方に感謝を込めてこのブログを締めたいと思います。
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玉置浩二 | 日記
Posted at
2023/08/28 22:23:50