先日から制作していた戦艦、ようやく暫定完成と相成りました。
キットにはエッチングパーツが付属していましたが、今回未使用です。
理由は、姉妹艦と合わせるため。
こんな言葉をご存知でしょうか?
渡りに船
意味は、困っているときに、ちょうどよく助けになる人や環境に恵まれること。
その読んで字のごとく(ことわざの意味とは違うが)の活躍をしたコルベット艦の名を受け継いだ戦艦が大日本帝国にはいました。
大日本帝国初の超弩級戦艦姉妹にして、ロンドン海軍軍縮条約によって練習戦艦となるも、天皇陛下の御召艦を務め、再度武装して大東亜戦争開戦から第3次ソロモン海戦を戦い抜いた、
金剛型戦艦2番艦 比叡

(艦隊これくしょんより)
がそれです。帝国海軍で最初に戦没した戦艦という不名誉な史実もあることながら、オスマン帝国の
軍艦エルトゥールル号が遭難した事件で救助され、手厚く保護された生存者を無事に首都イスタンブールに送り届けたのが、コルベット艦
金剛と
比叡でした。その名を受け継いだ1隻が本艦、金剛の名も引き続き姉艦に受け継がれました。トルコにとってはまさに渡りに船でしたし、日本とトルコの親交の文字通りの渡し船となったのがこの2艦です。
姉艦の金剛は、艦これでも紹介されているように、英国生まれの帰国子女ですが、比叡は英国から取り寄せた部品で初めて日本国内で建造された戦艦です。国産化されたのは妹艦の
榛名からで、初の日本独自設計となった純国産戦艦は
扶桑型まで待つことになりますが、発展途上国だった日本がようやく日本人の手で当時世界最強クラスの戦艦を建造した1隻目という歴史的な艦なのです。金剛型戦艦は高速戦艦と呼ばれるように、同時期に建造された戦艦としては世界最速クラスの高速性能を誇りました。
途中武装解除して練習戦艦になったり、御召艦になるといった、他の姉妹とは違う道を辿ったために第2次改装後の姿は、他の姉妹と一見して異なるものとなりました。
だからって何も模型メーカーまで違うところにしなくとも・・・って思われそうですが、ハセガワ製の戦艦比叡のフルハルモデルは希少であり、たまたま洋上モデル並みに安く手に入っただけです。
本音はフジミの艦NEXTシリーズのものが欲しかったのですが、ハセガワ製の方がエッチングパーツなど勢が尽くされており、1000円以上も価格差があればどちらを買いますか?って話です。定価は逆転してるんですけどね。
大東亜戦争開戦初期は真珠湾攻撃のあとインド洋方面に向かい、
空母赤城をはじめとする機動部隊を姉妹総出で護衛し、連合軍
駆逐艦エドサルを副砲で撃沈(これが開戦初の戦艦による敵艦撃沈)、東洋艦隊撃退に貢献しています。ミッドウェー海戦時はアリューシャン方面作戦に参加、第三次ソロモン海戦に参戦し、停電になった場末の酒場の乱闘がごとくの大乱戦で探照灯照射したためにアメリカ艦隊の格好の的となって砲撃が集中し、舵を破壊されてしまいます。撃沈こそされませんでしたが、夜が明けてアメリカ艦載機の波状攻撃で更に損傷が拡大、それでも応急処置後修理さえすればまた戦えたものの、艦内連絡系統の不手際によって自沈処分されました。
着手してから丸2週間、制作時間はというと、案外かかってません。15,6時間ってところでしょうか。
そもそもフジミ製に比べて再現度で負けてしまう分、一体化部品などで工程が短縮されました。
初めて作った榛名なんて艦橋だけで15時間かかってます。
艦首側から

所々フジミの部品を流用して再現度を高めてます。ほっそりとした艦橋が特徴的で、他の姉妹との大きな識別点となります。
艦尾側から

一見して、金剛型戦艦の1隻と判ります。スクリュー周りの塗装は説明書に準じたために他の姉妹と違うものになりました。
右舷側から

この角度からも、特徴的な艦橋が目を引きますが、あちらこちらで細部が比叡独特となっています。
御召艦を務めただけに、金剛型の中では一際貫禄がありますね。
漸くそろった金剛四姉妹を並べてみました。

複雑な家庭事情から、同型艦なのにそれぞれに個性があります。比叡だけ突出して艦橋形状が大きく異なりますが、金剛、榛名、霧島も特に艦橋上部の形状がまるで違います。更には、煙突の配置や高さ、探照灯台や機銃台の形状、艦載艇の配置、後部水上機甲板の形状、主砲塔の形状、全長、全幅、全高も異なり、実は金剛⇒比叡⇒榛名⇒霧島の順に改良されています。
特に金剛&比叡と榛名&霧島はそれぞれほぼ同スペックながら比叡と榛名で
古鷹型重巡洋艦と
青葉型重巡洋艦ほどの諸元の開きがあり(国産化されたことで使っている材料や細部の設計も異なる)姉妹艦と言うよりは準同型艦で、榛名&霧島は榛名型と呼んでもいいくらいでしょう。
緒戦でしか揃うことのなかった姉妹。しかし、姉妹仲がいいと言っていいくらい行動を共にするときはしっかり連携を取っていたようで、
どっかの重巡姉妹のように指示ミスや判断ミスでごっつんこしたりはぐれたりはなかったようです。あちらもあちらで姉妹愛を感じる史実に胸を打たれますけどね。
勿論、中の人の問題ですよ?
特に霧島は、比叡の仇討ちに行ってます。結果的に返り討ちに遭ったのはまた別の話です。かく言う私と弟も、どっちかがケンカなどでやられて帰ってくれば必ず仇討ちに赴き、相手を完膚なきまでに叩き伏せてきました。それは今でも変わらずで、きょうだいってのはどんなに腹が立つことがあろうとも、仲良く助け合わなければいけないものです。

先ほどの写真と合わせると、アニメ版艦これの
金剛4姉妹登場シーンを連想します(笑)大正時代に生まれた戦艦としては十分大型であり、
クイーンエリザベス級を4隻並べるよりも迫力があると思います。敵として4隻揃って空母を護衛してたら、まず近寄りたくなくなりますね。
一番実艦の比叡らしいキャラだと思うのは、艦これ版ではなく、霧の生徒会長ですね。
とは言え、艦これやってる人なら、金剛4姉妹大好きって人は多いことでしょう。
ただ、やっぱり金剛さんは「デース!」とか言わない方が魅力的ですよ。
さて、恐らく次も艦船模型となるでしょう。相変わらずの「予定は未定」です。
途中ちょっと作りたいものも出てきたもので、次回を乞うご期待。
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2019/01/11 22:07:35