昨日7月4日はアメリカ合衆国独立記念日です。
コロナ禍のせいでかなりしめやかな記念日になったようです。
アプリゲームである、アズールレーンを始めると、初めに3隻のうちから好みの艦を選ぶことが出来ます。
そのうち、私はソロモンの鬼神の渾名を持つ綾波を選択しましたが、アメリカにもソロモンの戦神と呼ばれる艦がいるのです。それも3隻のうちの1隻ですが、今回制作した、ベンソン級駆逐艦7番艦
DD-459 USSラフィー

(アズールレーンより ラフィー)
です。綴りはLaffeyなので、ラフェイ、ラッフェイとも。
アズールレーンでは一度アカウントを紛失して新しくやり直したのですが、綾波を選んで少し遊んでいたらラフィーはすぐ来ました。
1941年10月30日進水、サンフランシスコ生まれのさそり座。
就役は日米開戦から少し経った1942年3月31日。第18任務部隊に配属されます。
9月の第二次ソロモン海戦でラフィーは参戦はしなかったものの
伊19に撃沈された
空母ワスプの生存者を救出。
ラフィーの初陣は10月11日まで待つことになります。
それは、
重巡古鷹と
駆逐艦吹雪が戦没した、サボ島沖海戦です。結果的にはアメリカ側が勝利したものの、ラフィーと共にワスプ生存者の救助をした
駆逐艦ダンカンが味方の誤射で戦没、同じく味方の誤射で
駆逐艦ファーレンホルトが大破、重巡衣笠の反撃で
軽巡ボイシが大破、
重巡ソルトレイクシティが小破と手痛い損害を受けています。
よくもダンカンを!
いや、やったの帝国海軍じゃない。
猛り狂って、古鷹と吹雪を轟沈に追いやったのは良いが、アメリカ側の損害の半分は自分たちの誤射によるものという何とも痛い勝利でした。この戦闘で健在だった軽巡ヘレナとラフィーは、その後重巡サンフランシスコを旗艦とする部隊と合流し、1か月後の第三次ソロモン海戦に駆り出されることになります。
ラフィーの最期
11月11日の深夜、ヘレナがSGレーダーで接近する帝国海軍の艦隊を捕捉。
しかし、部隊にはなぜか連絡がうまく伝わらず、みすみす帝国海軍の接近を許すどころか、アメリカ艦隊に気づいたソロモンの狂犬駆逐艦
夕立と
春雨が突撃してきたことで、何が何やらのアメリカ艦隊は大混乱。
「素敵なパーティー」の幕開けとなりました。
その時、ラフィーは先頭を航走するマハン級駆逐艦カッシング(Cussing カッシンと表されることがあるが、姉妹艦にもカッシン(cassin)がいるのでカッシングまたはクッシングと表する方が間違いがない)

(DD-376 USSカッシング。ウィキペディアよりパブリックドメイン。ラフィーと艦影がよく似ているが艦橋前部が大きく張り出していることと、後部マストの形と位置が大きく異なる)
と共に先鋒を務めます。
駆逐艦暁が探照灯で軽巡アトランタを照射したことで本格的な戦闘が始まりましたが、旗艦重巡サンフランシスコは、まさに惨腐乱死す虎(まぁ嫌いな重巡なので)でした。敵艦と誤認したのか、率先してアトランタを滅多打ちにします。その十数発。そして満身創痍となったアトランタは夕立の雷撃でとどめを刺されました。
よくもアトランタを!!
いやいや、やったのほとんどサンフランシスコだよ!!
アトランタに恨みでもあるのか!?
そのことについて、アトランタさんから一言(ぱんつ注意)

(アズールレーンより 軽巡アトランタ)
「馬鹿な大将敵より怖い」。むしろ「敵は本能寺にあり」、ですね。
それどころか、敵味方構わず近くにいる艦を攻撃するというまさに大惨事ソロモン海戦となりました。
司令官のキャラハンはようやく同士討ちに気づき
「味方を撃つのを辞めろ!!」
と命令し、一時アメリカ側の攻撃が止むが、日本側が辞めてくれるはずもなく、誰が聞くか状態に。っていうか、
お前が辞めろ!!(色んな事を)
日本側も日本側で、駆逐艦五月雨が比叡を敵と間違えて機銃掃射、比叡も当然それに副砲で応戦するも、味方だと気づいて五月雨に攻撃を辞めろと信号を送る事態に。
その間に探照灯を照射した暁も位置バレで集中攻撃を浴びて撃沈され、夕立も被弾して航行不能、翌日に放棄されて撃沈されます。アメリカ側も先頭で突撃したカッシングが撃沈され、ラフィーも気づけば敵艦隊の中に孤立している状態でした。比叡に肉薄し、激しい撃ち合いになります。その距離10mにも満たないほどで、ラフィーは魚雷が撃てず、比叡も主砲が撃てずながら、何とか比叡の艦橋付近を損傷させ、比叡は他の敵艦からもボコボコ撃たれてまさに「ひえ~」状態になりましたが、ラフィーは主砲1基を破壊され、比叡を通り過ぎた後はその後ろに控えている
戦艦霧島目がけるも、すでに
駆逐艦朝雲、
軽巡長良などが囲んできていましたが、ラフィーは一歩も退かず一矢報いるべく果敢に砲雷撃戦を繰り広げました。
当然ながら多勢に無勢、ラフィーは滅多打ちにされて恐らく駆逐艦朝雲の雷撃によってついに力尽きました。その辺は
朝雲の記事にてご確認を。
たった1年1か月の命でした。
しかし、ラフィーとカッシングがその身を犠牲にして敵艦隊に吶喊して混乱させなければ、恐らく負けていたのはアメリカ側だったかもしれません。
その勇敢さで混乱からの勝利を導いたことからついたあだ名なのでしょう。
ソロモンの戦神
部品紛失が続出したため、結局着手から完成まで1週間くらいかかりました。
制作時間そのものは、ドラゴンからラフィーが販売されているものの入手困難であるために、ピットロードから販売されている姉妹艦で対空強化後のコールドウェルだったことからあちこち改造が必要であり、12時間くらいかかったと思います。艦番号及び旗は
フレッチャー級のキットの汎用デカールと重巡
アストリアの余りから流用しています。
艦首側から

兵装や塗装はアメリカ海軍公式資料から。折角アメリカ海軍艦標準色の軍艦色(1)を買ったのですが、ラフィーには不要でした。
資料通り、ネイビーブルー一色です。一部デッキブルーである箇所もあるようですが、無視しました。単装砲ってあまり強そうに見えないですね。ただ、連装砲の方が当然重いので旋回が遅く、装填から発射まで時間がかかるので連装砲1基より単装砲2基の方が分間加害力に優れるのです。
艦首側俯瞰視点から

ラフィー可愛いよラフィー。なんか小ぢんまりとして可愛い。
艦尾側から

ロリコン魂をくすぐられる、見事なリアビューです。
艦尾の舷側についている構造物は、資料を参考に自作しました。
右舷正横より

ベンソン級は当初533mm5連装魚雷2基10射線でしたが、ラフィーが建造される頃には1基撤去されてその跡に対空機銃を搭載するようになりました。
例え10発でも、1発当たりの加害力はどうしても九三式酸素魚雷が3倍あるので4発の
秋月型にすら負けます。つまりアメリカでは雷撃力より対空戦闘力の方が優先だったのです。
前述のカッシングと似てますね。朝雲が「マハン級1隻撃沈」を報じるのも無理はないかと。
アニメ版アズールレーンでは史実上顔も合わせたことがないのですが、綾波と友達になりたがっていたので、綾波と並べてみました。

いつもなら日本艦の方が暗い色なので、なんか違和感がありますね。
綾波は大正生まれなので、ラフィーにとっては大先輩です。
相変わらず日本艦の方が大きいですね。
片やソロモンの鬼神、片やソロモンの戦神
べったりくっつけてみると

綾波が一回り大きいことがわかります。
日米が戦わなくていい世界線があってもいいじゃないか。
その世界線なら、きっと仲良くやってたはずです。
朝雲と反航で並べてみると、(史実では逆の位置関係)

ああ、ラフィーが負けそう・・・。どう見ても朝雲の方が強そうですね。
しかもこの当時の朝雲はすでに歴戦の猛者です。
いや、どっちが強い弱いじゃなく、戦わせたくない。
アズールレーンのラフィーは平和主義で争いが嫌い。
仲間を傷つける奴がいるから、その時はちょっと本気を出す。
史実の最初の大仕事が、撃沈された味方艦の生存者救助であることがそれを物語ってます。
ただし、サボ島沖海戦で先に手を出したのはアメリカですけどね・・・。
しかも、参加した2戦とも味方の損害の半分は同士討ちって・・・なんともラフィーが不憫です。ラフィーはサンフランシスコを殴っていい。
ラフィー然り、そもそもベンソン級にとって、大正生まれの吹雪型はもちろんですが、朝雲も1938年生まれとかなり先輩であり、アメリカ駆逐艦基準で言うと7世代も型遅れなのです。航空戦が主体になると考えられていたアメリカ海軍では、対艦戦闘より対空戦闘を重視する傾向があり、主に雷撃力とのトレードオフ状態でした。WorldofWarshipsでも砲撃力は一発の火力は日本艦が勝りますが、速射力の高いアメリカ艦のほうが分間加害力が高い反面、雷撃でやり合うと高確率で負けます。
駆逐艦1隻のスペックを比べてみても、日本は決して弱くて負けたんじゃない。
主にルーズベルトとコミンテルンの犬であるハルの策略にまんまとはまってしまったことと、現代に通じる日本の悪しき社会構造、海軍と陸軍との不和が大きな敗因です。本当は日本とアメリカはお互い戦うべき大義名分はなく、日米を争わせたい第三者の手の平で踊らされたというのが私の見解です。その第三者とは、あくまで仮説の域を出ませんが、世界の本当の悪、ソ連です。その状況証拠があり過ぎてここでは書ききれません。
日本だけが悲惨だったのじゃない。アメリカ軍にも多大な犠牲が出ました。
お互いの立場がなければ、誰がラフィーを沈めたいですか?
ラフィーは1943年11月21日、アレン・M・サムナー級駆逐艦(DD-724)として甦り、そちらは記念艦として現存します。