今月最後の模型製作は、久々のレシプロ航空機になりました。
前回の航空機模型のF-15Jのデカール貼りに相当手間取ってしばらく航空機は作りたくないと思っていましたが、今月は艦船模型を4隻も作って流石にしつこいと思い、買い置きしていた1機を制作しました。
先日、艦隊これくしょんのイベントで、E2で止めたと書いたのですが、実はあれから進めて、今はE4のボス最終形態に臨むところですが、E2でやたら掘りをしたために200個あった高速修復材と27000個あったボーキサイトがど派手にぶっ飛び、前者は今はほぼゼロで遠征回収中、ボーキサイトも一時800個くらいまで枯渇していたのを何とか遠征回収で6000個台にまで巻き返しました。
何しろ、基地航空隊を出さないと中々厳しいものがあって、艦娘は遠慮なく中大破して戻ってくるわで、おまけにその基地航空隊というのも全然数も質も伴ってなくて出撃させるたびにボーキサイト300個近く持っていかれる始末。
特に基地への空襲、うざい・・・。
せめてこやつくらいは敵爆撃機への要撃機として配備したい。
1943年に大日本帝国海軍で制式採用され、南方及び本土防空戦で活躍した局地戦闘機
J2M 雷電
読みはライデンですが、某メタルギアでもなければ、ガンダムでもありません。
後者の方はジョニーですが、こちらの連合国側愛称はジャック(Jack)です。
ん~、J繋がりか~(全然関係ない)
局地戦闘機とは、世界的には要撃機(Interceptor)と分類されるもので、専ら空襲に対する要撃を主任務としています。要撃って何ぞやというと、かいつまんで言えば迎撃(インターセプト)、自ら進んで攻撃するのではなく、攻撃してきたのを返り討ちにする、空手の基本であり、私も実際にケンカとなった時の基本戦術です。日本に住んでいる限り、どうしても法律ってものが大きな軛(くびき)となって、戦闘の基本が先手必勝にも関わらず先に手を出せば悪くなるという矛盾が生じます。なので、逆に敢えて相手に先に手を出させて「正当防衛という名の迎撃」即ち「形式上の専守防衛」をせざるを得ないのですよ。これは、現代の自衛隊の在り方にも通じます。
関係はないのですが、アメリカの警察車両用グレード名がポリスインターセプターです。もちろん、マッドマックスの主人公車両の名前もインターセプター。
特に前者、やってることは追跡なのですが、違反を未然に防ぐ積極的な抑止力ではなく、違反者に対する迎撃的な意味合いで名付けたのでしょうね。
海軍籍ではあるものの、その構造上空母の艦載機としては運用できず、専ら基地航空隊での運用となり、実質上は陸軍の戦闘機と同じ立ち位置でした。
雷電の大きな特徴はまずその見た目にあります。ぱっと見、メッサーシュミットやスピットファイアのような形ですが、アメリカ機のようにずんぐりしています。副次的にコックピットが広くなり、戦後接収したアメリカ軍のパイロットからは好評価を得ています。
その日本機離れしたずんぐり機体には理由があり、クルマで言うなれば
S54B型スカイラインGT-Bに通じる生い立ちです。比較的小さな機体に、当時大日本帝国最強の火星エンジンを無理やり押し込みました。
零式艦上戦闘機五二型に搭載される栄エンジンで1130英馬力(1945年の最終型はさらに大出力の金星エンジンを搭載して1560英馬力を発揮)に対し、雷電の火星は1800英馬力であり、最高速において、最終型である零式艦上戦闘機五四型でやっと572.3km/hだったが、雷電の初期型でも596km/h、実戦の最高速は616km/h、戦後アメリカ軍によるテストでは671km/hを発揮しました。この大きな違いは排気量によるものが大きく、誉エンジンが約28Lに対して火星は42Lもあり、当然エンジンの重量も体積も大きくなるのでそれに合わせて機体を太くする必要があったのです。
この辺りがまさにS54B型スカイラインの成り立ちで、元々1.5L直列4気筒エンジン用の車体に当時のグロリアに搭載された大型の2L直列6気筒エンジンを無理やり搭載するために、エンジン全長が伸びた分フロントセクションを長くしています。
そもそも、零式艦上戦闘機は攻撃機や爆撃機に対する要撃はもちろん、対戦闘機戦即ち格闘戦に特化した機動力重視の純粋な戦闘機であり、雷電は専ら重爆撃機や攻撃機を要撃するために最高速度と上昇力を重視した要撃機と、性格も用途も違うのです。
雷電は本来の用途通り、本土防空戦において特に第三〇二航空隊にはエースパイロットの一人である赤松貞明が所属しており、東京・京浜地区におけるB-29の迎撃で最も戦果を挙げました。
そして、第三五二航空隊においては、雷電の名前にちなんだ稲妻の塗装が大きな特徴となりました。
今回は2日の制作期間で、4時間ほどで完成したと思います。元々ハセガワの昭和の金型を改良したものか(昭和のキットの場合概ね凸モールドだがこちらは凹モールド)と思われ、部品点数もデカールも少なかったので比較的簡単でした。
今回は特徴的な第三五二航空隊仕様としています。
機首側から

非常にずんぐりした機体ですね。
右翼側から

横から見るとメッサーかスピットっぽいです。
稲妻の塗装がめちゃくちゃかっこいいと思います。
そして胴体の国籍マークの自己主張が強いのも特徴的です。
見方を変えると、胴体はフォーミュラカーの胴体っぽいですね。
機尾側から

垂直尾翼の部隊及び機体番号表記は省きました。単に面倒くさかったっていうのもあるのですが、どの部隊の誰の機の仕様とか特にこだわってないため。
あと、本来艶消し塗装なのですが、今回もあえてクリアで押さえて新造機っぽくしています。
ウェザリングやって臨場感を出すのは、ガチのモデラ-さんに任せます。
スピットファイア、零戦と縦一列に並べてみました。

左から、スピットファイア、雷電、零戦。
何を見てほしいかというと、コックピットの大きさです。
特にスピットファイアと比べると見るからに大きいです。
日本人より英国人の方が平均的に大きいはずなのにです。
更には、零戦に比べ後方からの攻撃に対する防御力に優れており、その形状からもパイロットを直接攻撃しづらいのと、8mmの防弾板によって生存性を上げています。
よく当時を語るうえでありがちな「日本機は一発当たれば燃えて即死」論が無教養者の戯れ言だとよくわかります。確かに総合的に貧弱な防御力で一発当たっただけで燃えることも多かったのですが、その論理が正しいなら紙装甲の零戦乗りだった岩本徹三や坂井三郎が何度も被弾して帰還しているのは幽霊だったのでしょうか。
ちなみに、弾の当たり所が悪ければどんな機に乗っていても即死です。
限られた資源、劣悪な条件の中、これほどの戦闘機を実戦投入できたという事実こそが、我が国の凄さなのです。逆にアメリカのようにすべての好条件がそろっていれば、数も質もよくなって長期戦ともなると絶対的有利になるのは当然のことです。それでも戦わねばならない理由があるから一億玉砕の覚悟で戦った、それだけです。
一つのことを一方向一視点から見るのではなく、様々な視点と角度で見て判断せよと言ってるのはこのことです。
大日本帝国の戦闘機と言っても実は様々いたのだよというお話でした。
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Posted at
2020/08/01 00:07:33