他国に比べて、天才が少ない日本に対し、鬼才天才が多いのがドイツです。
世界屈指の工業国であり、音楽の国として名が知れてますね。
アインシュタインや
ポルシェ博士、
ベートーベンなどがその代表格でしょう。
いつも思うのですが、例えばスポーツなどで日本が世界を相手に戦っても勝てないことが多いのは、マスメディアが持ち上げない限り天才を忌避し、個性を重んじない国民性、天才を磨り潰すだけの社会構造に問題があると思います。ドイツを漢字で独逸と書く通り、色々と独自性が強く常識から逸脱したものを多く生み出しています。常識に囚われていては、新しいものを生み出すことなど不可能なのです。
さて、第一次世界大戦終結後のドイツ帝国のお話です。連合国に大敗して国が立ち行かなくなるほどの賠償金を支払わされた上、領土の東部分を分断され、首都がない方の領土には、分捕られた他国の領土に阻まれて国政が行き届かなくなり、追い詰められてしまいます。
更には、ドイツを二度と欧米列強に歯向かわせないために、軍備は最低限以下でしか認められず、海軍に至っては、排水量1万トンを超える艦を作らないことを強要されます。
これが意味するのは、「戦艦や空母などの主力艦を作るな」ということです。
実は、ドイツは戦争こそ大敗したものの、海戦では局地的に勝利しており、特に
ユトランド沖海戦では大英帝国151隻の巨大艦隊に対し、99隻という圧倒的不利な戦況で戦艦と巡洋戦艦1隻他軽巡と駆逐艦数隻合わせて11隻を失うも、
巡洋戦艦クイーン・メリー爆沈をはじめ、巡洋戦艦3隻、装甲巡洋艦や駆逐艦など合わせて14隻を撃沈して、かつてスペインの無敵艦隊を打ち破り世界最強であったはずの王立海軍に痛恨の敗北を与えました。ドイツ帝国自体、元々海軍の強い国ではないので、この腹いせではないのかと邪推しています。
ここまで骨抜きにされたドイツですが、海軍工廠にトンデモ要求を突きつけます。それが、「排水量1万t以下の戦艦を作れ」ってことでした。実際に出来上がったのは、排水量1万トン以下の戦艦の主砲を備えたモニター艦的な何かでした。しかし、それをドイツは「戦艦」だと主張し、各国は本当に作りおったと感嘆しました。しかし、流石に色々と無理がありました。排水量1万トンと言えば、大型軽巡または重巡クラスです。そこに無理して戦艦のよりによって3連装主砲を2基も載せたためにより小型化したために世界で最小の戦艦(自称)が出来ました。
英国ではそれを普通モニター艦って言います。実際は12000tを超えてましたが、黙っていたそうです(バレてないとは言っていない。)
俗にいう、
ポケット戦艦です。
それが、ドイッチュラント級装甲艦であり、今回作ったのはネームシップの
戦艦ドイッチュラント(後の重巡洋艦 リュッツォウ)

(戦艦少女Rより。本ゲームでは巡洋戦艦扱いでドイッチュラントですがリュッツォウに改名してます)
です。第一次世界大戦時には、
ドイッチュラント級戦艦と言うものがありましたが、それとは別物です。ドイッチュラントとは、ドイツ語でドイツそのものの事です。283mm3連装主砲2基6門と、533mm3連装魚雷2基6門を備え、非常に高い攻撃力を誇りましたが、当時の列強の戦艦は総じて14インチ(356mm)以上の主砲であったためにこれらと砲撃戦で張り合えば負けてしまうものでした。しかし、巡洋艦ほどではないにしろ、世界的に25ノットも出ない鈍足な戦艦ばかりだったので、28.5knotの最大速力は十分高速であり、それを活かして雷撃で沈めることも可能な、大口径主砲を備えた重巡洋艦といったところでした。艦これで実装されたらゲームバランス崩れそう(恐らく重巡扱いになる)ですが、戦艦少女Rでは、中途半端な艦って感じで使いどころを選びます。
後年登場する
ビスマルクやヘタレ戦艦
シャルンホルストなどまでの繋ぎという立ち位置が実情だったのでしょう。
艦歴としては、スペイン内戦に参加、その際に爆撃を受けて損傷します。損傷を受けた状態のまま、
ジョージ6世戴冠記念観艦式にドイツ代表として出席し、世界にポケット戦艦の名を広めました。しかし、前述の通り、戦艦としてはかなり貧弱であり、第二次世界大戦が勃発すると、万が一本艦が撃沈されてしまったときの世論への影響を考慮して
リュッツォウに改名。その後重巡洋艦に艦種変更します(改造したわけではない。ビス子やシャルンが出てきたから戦艦としては用済みになっただけ・・・)。主に通商破壊に赴きますが、
ウェーザー演習作戦や
オスロフィヨルドの戦いなどの海戦にも参加しています。1945年5月4日に英国爆撃機の攻撃によって損傷して放棄され、戦後はソ連(またあの国か!)に接収されて標的艦として処分されました。
ドイッチュラント級装甲艦は、第一次世界大戦後に、後の第二次世界大戦の遠因となった、連合国が寄ってたかってドイツいじめをしたことで生み出された、歴史の証人なのです。
いじめによってドイツが本気になって生み出されたドイッチュラント級三姉妹が歩み、見てきたもの、感じたものは?
今回、結構特殊な艦ではありましたが、部品点数は少なく8時間ほどで仕上がったと思います。
自称世界最小の戦艦をとくとご覧あれ。
艦首側から

船体に比して大きな主砲を備えているというより、抱えてる感じですね。重たそうです。妹艦にアドミラル・シェーアとアドミラル・グラーフ・シュペーがいますが、艦橋の形状が2隻と大きく異なります。
船体はライトグレイが正しいのですが、手持ちになかったために近似色の軍艦色(1)とアメリカ海軍の色としたので、実艦よりやや濃いめとなってます。更には、艦橋甲板はマホガニー(濃い茶色)指示でしたが、説明書を見ずにデッキタンを塗ってしまいました。特に違和感がないのでそのままにしてます。名札は改名後のものとしました。
艦尾側から

プリッとした艦尾です。しかも帝国海軍艦のように垂直方向にプリッとしてるのではなく吃水部にまで3次元的に回り込んだ感じで、艦尾というより艦尻ですよ。
アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦もこんな感じで、
プリンツ・オイゲンを作った時には、「ヒッパー級なだけにお尻がプリンツか」なんて変態発言を飛ばしたもんです。まさかこやつまでとは・・・、ドイツ海軍は尻フェチか?ビス子やシャルンも作ってみたくなりましたよ。実はビス子やシャルンに対する嫌悪は解消したのです。
やはり船体に対して大きすぎる主砲でアンバランスさを感じます。マスト部が簡略化されており、史実と大きく異なります。第2次世界大戦期のドイツ戦艦ってみんな艦尾に魚雷を備えてます。なんでわざわざこんなところに?水中発射管にすればいいのに。何故かって?もしここに直撃弾を受けたら?そもそも直撃弾を受けやすい場所ですし。水上機の
Ar196は、オイゲンの余りを流用しています。
プリンツ・オイゲンと並べてみました。

前述から完全に変態化してしまうので、艦首側から並べてみました(笑)
オイゲンより1周り小さいのがわかると思います。こうして並べてみると、オイゲンの方が威風があり、戦艦と呼ぶには頼りない印象です。重巡と呼ぶには高い砲火力、しかも速力は戦艦並、しかし戦艦と呼ぶには小型で世界に類がないが、戦艦少女Rのように巡洋戦艦の立ち位置が適当かもしれませんね。当時他にはなかった発想である点については、やはり天才が生み出したものであると言えます。
Posted at 2019/01/13 20:10:57 | |
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