近頃、少年時代の嫌な記憶がだいぶ薄れつつあり、いい記憶だけが鮮明になりつつあります。
良い記憶と言ってもクルマに関することばかりで、正直クルマ以外のことで特に小、中学時代はろくな思い出がありません。
私が人を裏切ることはなくても、人は平気で私を裏切りました。
だけど私がクルマを裏切っても、クルマは私を裏切りませんでした。
だから私にとってクルマは唯一心安らぐ癒しの存在であり続けるのです。
トヨタには、冠を意味する名前のクルマが2種類存在しますが、日産にもかつては存在しました。
前者はクラウンとカムリのことですが、日産には長らくスカイラインの姉妹分であった
ローレル
がそれです。
我が実家には、
C230型と
C33型がいました。
ローレルは、英語で勝利の証である「月桂冠」または「月桂樹」であり、中国仕様では「月冠」(ユエクァン)という名前でした。
同じ冠でも、これは私個人の感覚ですが、
クラウンが太陽なら、ローレルは月
です。それは、
闇夜を照らす月、絶望を希望に変える月。
そしてこんな言葉があります。
月明星稀
月明らかに星稀なり。盛田 賢司の同名の漫画は愛読書のひとつです。
意味は、英雄が出ると群雄の影が薄くなるってことですが、転じて大志を抱けば世俗や他人からの批判非難にも動じなくなるという意味でも使えます。
志とは、字の通り士の心。それをずっと守り通す心の強さがあってこそであり、何より人の道に外れないために持つべきものです。
人は己の信ずる道を選び、その志を持って生きていく。志の強さで己を語る。
人の意見や忠言を聞くのはとても大事なことです。
しかし、何が善で悪か、何を好み嫌うか、何を受け入れ排除するかという価値基準は、古今東西の常識ではなく、自分で吟味し決めることがより大事です。
それこそ、
「他人の言葉でコロコロ変わるような志なら、犬にでもくれてやらあ!」
ローレルは日産を代表するアッパーミドルセダンでしたが、登場から生産終了まで、トヨタにマークⅡあり、日産にローレルありの一貫した基本コンセプトでした。
マークⅡが万人向けであるなら、ローレルは特にC33型は日産の901運動によってスカイラインに迫る動性能とハンドリングが与えられ、違いの判るクルマ好き向けの硬派なセダンといった差があったと思います。
そのスタイリングも一貫して「熱血硬派」が服を着たような漢のためのクルマで、当時のクラウンよりかっこいいと不意にも思ったほどです。私の好きなクルマベスト7には必ず入り、ゲームで必ず2番目の女子キャラとしてその名前を冠するほどです。それも一貫して切れ長の目と長い黒髪を持ち、凛としていて隙がなく真面目ないいんちょタイプ。ぶっちゃけC33型の私が持つ印象です。
因みに我が実家は小学校5年の頃から大学にかけてガンメタの後期型メダリストで、両親が3年かけてコツコツ貯めて現金で購入しました。確か当時約300万でした。免許を取ってから何度か運転させてもらいましたが、間違いなく今まで運転したクルマではベスト5に入ります。
以前はフジミ製のC33型を制作しましたが、今回はアオシマ製です。
後者の方が実車に近いと思います。
制作期間は4日ほど、制作時間は15時間ほどですね。
前側から

車体色は白を選択。
相変わらずキリっとした硬派な面構えです。
ラジエターグリルはあえて無塗装としました。
外観は付属のエアロキットを装着。
落とし過ぎはダサいけど、地上高はこれくらいの落ち具合がいいですね。
フロントバンパーのターンシグナルはアンバーではなくクリアに。
そして、個性を際立たせ高級感を出すボンネットマスコットに、やや自己主張のあるオーバーフェンダー。
擬人化するとグローランサーⅣの使い魔タイプLNのような印象。
一言で言えば、まじめな優等生。凛としているし何でも完璧にこなして隙が無いが、実はめちゃくちゃ主人公ラブ。
ちなみに、グローランサーは
Ⅵまでやりましたが、好きなゲームなので特にⅣは2005年からPS2が壊れるまで繰り返しやってました。その後はPSPを購入してリメイク版のグローランサーⅣオーバーリローデッドをPSPが壊れるまで、そして先月にPS2とPSPを再購入してグローランサーⅣオーバーリローデッドをはじめからプレイしています。つまりプレイ年数10年以上・・・。特に主人公のクレヴァニールの髪型と服装が現実の私に近いのですごく親近感があり感情移入しやすいのです。
顔をもっとキツめにして金色の眼鏡をかけ、美しさと刀を取れば私です(笑)
盛ってるかどうかはオフでお会いする機会があればその時に判断くだされ。
後ろ側から

左リアフェンダーのラジオアンテナが再現されてなかったので、S130型フェアレディZの余り部品を加工して取付ました。
あと、エアロはわざとらしくつけています。実車もこんな感じの付き方のはずなので。
右正横から

剛性も強度もなさそうなピラーレスハードトップですが、実にスタイリッシュで、実際よりも低く見えますね。ボンネットが低いのもそれをより強調しています。室内色は実家のローレルに近い、舞鶴海軍工廠グレイとスカイグレイのツートンにしているのと、加工してMT化しています。実家のは5ATでしたけどね。
ホイールは先日ミニ玲奈たんから引っ剥がしたBBS-RSです。
フジミとアオシマのローレルを並べてみました。

フジミの方は黒っぽく見えますが、ダークマイカブルーという黒に近い紺色です。
エアロなしでも十分かっこいいですね。
後ろ側の再現度の違い

特に排気口の位置に考証の差が出ていますが、正しいのはアオシマ製の方です。
横の比較

車体そのものに大きな差はありませんが、ロンシャンXR6より、BBS-RSの方が似合ってると思います。
結構クルマの好みと女性の好みのタイプって似てるんですよね。
私は今時の日本の「求めるタイプ」の女性より、今時古風な真面目で献身的で気品のある、「与えるタイプ」です。今どき1000人に1人程度でしょうけど、数で言えば全国に1万人いる計算になりますからね。私自身が1万人に1人いるかいないかの希少種ですから、そりゃ月並みの女性が好むはずがないですわ。
実際「私が稼ぐからあなたは仕事したくないならしなくていい!」って言われてプロポーズを受けたことがあって、本当にいい女だったんですが、私のバカ!断っちゃったんですよね。逃がした魚は大きかった・・・。
クルマだってまさにクラウンやローレルがそうです。
ちなみにローレルが実家にやってきてからやや時が経って中学3年の頃、私はそれまでずっと母が選んだ流行りの服ばかり着てきましたが、母に反発して私が本来着たかった今に通じる服を選ぶようになったのです。
だって、父がローレルだったら私は「いつかはクラウン」でしたから。
なら、クラウンが似合う紳士になりたいと、憧れを現実にする道の第一歩になったのです。
すると、今までほとんどすべての女子にキモイだのダサいだのと散々忌み嫌われて非モテ男の王道を往っていたのに、掌返したがごとくやたら言い寄られるようになり、高校時代は常に横には誰かしら女子がいるような生活になりました。
ローレルはオーナーの息子を立てたのです。次の2台目はスカイラインやフェアレディZじゃなくても、ローレルもいいかななんて思うこの頃です。
Posted at 2020/06/25 02:16:45 | |
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