久々にこのシリーズです。
シリーズ③以来、実に1年4か月ぶりです。
戦争において、個々の戦闘力も重要だけど、それと同じくらい重要なのが兵站であるとは常々主張してきました。そしてそれは、会社の在り方も同じであると。
賢者は歴史に学ぶのです。
今回初めて水上機母艦と言う艦種にまで手を伸ばしました。
艦隊これくしょんではちょくちょく出てくる艦種ではあるものの、戦闘能力は低めで水上爆撃機や水上戦闘機に甲標的を装備させるというパターンが多いのではないでしょうか。そのため、
千歳や
千代田、そして今回作成する水上機母艦、
日進

(艦隊これくしょんより)
は、特殊潜航艇母艦とも呼称されてます。
シリーズ名通り、戦闘艦としてというよりは輸送艦としての役割を担っており、まさに海の運び屋とでもいうべき艦種が水上機母艦です。
その名の通り水上機輸送が主任務ですが、
甲標的や
回天などの特殊潜航艇、
大発動艇、
小発動艇などと言った揚陸艇なども輸送できるので、大発動艇に乗せられる戦車も運べたのではと考えられます。陸軍とうまく連携が取れていれば、もっと素晴らしい活躍が出来たことでしょう。
日進は水上機母艦の中でも特に対艦戦闘力に優れ、他の水上機母艦が駆逐艦と同じ12.7cm砲を装備しているのに対し、軽巡洋艦
夕張や
香取型と同じ14cm連装砲を前方に3基背負い式に集中配備しているのが特徴です。そのため、片舷の砲火力は5500t級軽巡洋艦と同等なのです。
ちなみに、先代日進(装甲巡洋艦)は、黄海海戦や日本海海戦で活躍しており、テレビでも紹介されたので知ってる人も少なくないかと思います。
1939年11月30日呉生まれの射手座。
「われが提督か? ああ、ええ面構えじゃねぇ。
わしゃあ、水上機母艦、日進じゃ。
ようけ世話になるけ、覚えんさい。」
呉生まれだからって広島弁でなくてもよくってよ。大和さんだって標準語なのだから。
しかし、竣工は1942年2月27日と、就役まで大分と時間がかかっていました。戦没は1943年7月22日と、比較的短命だったのが惜しまれます。
特長は砲火力だけではなく、機関も蒸気タービンが主流だった当時でディーゼル機関31号6型を用いており、最近進水したところで言うと、護衛艦
くまのもディーゼル機関を搭載しているので、時代を先取りしたものであると言えます。
初の水上機母艦ですが、制作にはおおよそですが10時間ほどかかりました。
艦首側から、波パネルに載せて

主砲の配置からして、艦橋までは最上型と見紛うほどスタイリッシュです。
普通にかっこいいですね。
艦尾側から
船体構造上、トランサムスターンです。艦尾は扉になっており、中は格納庫となっています。
この中に甲標的や大発動艇などが格納されていました。
こうして見ると、航空巡洋艦最上(こちらも瑞雲12機搭載)が魚雷降ろして軽巡の主砲を載せたみたいな感じですね。ロマンはあるけど最上を航空巡洋艦にせずもう1隻水上機母艦を作って瑞雲を載せて最上に護衛させればよかったじゃんって思います。まぁ個人的には同じ重巡なら最上より愛宕や羽黒に護衛させたいですがね。帝国海軍の弱さは、兵站軽視のほかにも用兵術の稚拙さにもあったと断言します(現代で言うところの学歴至上主義)。じゃなきゃ、赤城に南雲、大和に栗田なんて愚は犯さなかったはず!(ともに本業は水雷屋)個々の能力は世界一級だったのにね。
搭載物
その艦種通り、後方には零式水上偵察機を載せています。計画では12機搭載でした。
艦尾側でチラッと見えたかと思いますが、1機だけ95式水上偵察機です。
実際は零式水上偵察機のほかには、零式水上観測機を載せていたそうです。
ただ、スペック上は、250kg爆弾を48発、60kg爆弾を288発を積めたので、事情許さば瑞雲を載せて水上爆撃機母艦になり得たことでしょう。
前方は、ハッチを開いた状態にして格納庫の中の甲標的が見えるようにしてます。
そのハッチの両側に大発動艇を載せてみました。
外側は、よくある12m内火ランチと11m内火艇ですね。
付属の25mm3連装機銃はオーバースケールだったので、フジミ製のものを流用しました。
右舷正横から
ディーゼル機関だけに、巨大な煙突はありません。小さな排気口がいくつかあるだけです。
そのため、時代を感じない艦影ですね。全体的に低く構えていてカッコいいです。
前後の旗は、以前制作した工作艦明石の余りを流用しています。
1隻で何役もこなせ、色んなものが運べる日進。当然重要攻撃目標にされたことが艦命の短さからもわかりますね。日清の喪失は、戦艦を沈められるに等しいくらいのものだったはずです。
次回艦船模型制作はまた戦闘艦(水上機母艦は史実では輸送が主任務だったので補助艦艇に分類されます)に戻りますが、④で終わる予定だった海の運び屋シリーズは、作りたい水上機母艦や輸送艦が増えたので⑥まで延長予定です。
Posted at 2022/03/22 23:33:00 | |
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