古いドアモールの取り外しは、マニュアルではカッター等でガラスに傷をつけないように切断せよとのことでしたが、「一部の再利用」を目論んでいるので引っ張って外すことにしました。この時、ルーフカバー(通称ちょんまげ)が邪魔になるので外すのがいいです。
ルーフカバーの取り外しは、車外側の作業と車内側からの作業が必要があります。まずは車外からアンテナを外してください。アンテナは1本、アンテナ基部は2本のネジで止まっています。アンテナを完全に外すにはフィーダー線も外す必要があります。今回はルーフカバーが少しずれてくれればいいので、外さなくてOKです。

つぎに車内側からルームランプを外します。レンズは爪ではめ込んであるタイプなので、力を入れて取る必要があります。マイナスドライバーに布を巻く等して丁寧に外します。ルームランプ基部はプラスネジで止まっています。なお、このルームランプ基部の素材が経年劣化で弱くなっていますので優しく取り扱った方がいいと思います。
ルームランプが外れたら、ルームランプから後ろ方向にある天井の内張り(ルーフライニング)を止めているクリップを外します。内張りを完全に外した方が、内張りが折れたりしないのでお勧めですが、なかなか面倒なので各自のご判断で、内張りの裏の穴までアクセスできるところまで外します。

内張りの裏の穴(天井の穴)にはルーフカバーを止めている爪が二か所から飛び出ています。これら爪をペンチ等で挟んで、爪を閉じるようにして上へ押し上げます。これでルーフカバーは外れます。

ルーフカバーが外れたらドアミラー側からモールは剥いて行きますが、経年劣化でドアモールがプラスチックの棒のように硬くなっているのと、シーラーでモールは取り付けてあるので、内張りはがし用のリムーバーで少しづつガラスから外します。なお、正しい施工で取り付けられたモールはガラス部分には接着されていないのでリムーバーを当てても大丈夫です。
モールが完全に外れましたら、ガラス部分についているゴミやシーラーをカッターなどで除去します。この時、ガラス側はモールが被る部分だけを除去します。ガラス自体がシーラーで取り付けてある為、完全に除去しようとするとガラスを接着しているシーラーにまで影響がでます。ドア鋼板側のシーラーは、モールが正しい位置に収まらないくらいに飛び出しているような場合を除いて、「除去しない」方がいいと思います。ゴミを取り除いたらガラス部分を脱脂します。私はたまたま手元にあったアセトンを含ませたウエスで拭き取りました。

いよいよモールの取り付けですが、一旦、仮取り付けを行って、モールの張り具合や取り付け後の収まり具合を掴むといいと思います。マニュアルによると、モールに塗面用プライマーを塗布し、SRシール(スズキ品番:99000-34130)をミラーベースとドアガーニッシュに塗布することで取り付けると書いてあり、ガラス部分には塗布しないのですが、これでは収縮するとドア前部のコーナー部から外れてしまうのは明白なので、今回は全周に渡って接着剤を塗布することにしました。利用した接着剤はSRシールではなく、セメダインのスーパーXの黒を使いました。接着剤を塗布するのはガラス側の溝ですが、この溝より接着剤の口の方が大きいので、口の方をペンチ等で少し潰すと塗布しやすくなります。また、取り付けの際には接着剤がはみ出すこともありますが、はみ出した接着剤は翌日以降に、接着材に付属するPP製のヘラで取り除き、取りきれないカスは指で擦り落とすことができます。なお、モール全周に渡って接着してもモールの収縮は避けられないので、再度モールを交換する場合には除去するのに苦労する可能性があります。

モールの取り付け手順は、マニュアルによると、ルーフ奥(ルーフパネルと並行になる部分)の両方のガラスの角からモール中央へ向かって引っ張りながら取り付け、残りの部分はガラスルーフ角から手前方向に引っ張りながら取り付けろとの指示です。しかし、ルーフ奥とリア側(ドアガーニッシュ側)は指示通りでOKですが、フロント側(ミラーベース側)は、天井側は手前に引っ張って、ミラーベース側からドアのコーナー部へ向かって引っ張ることで、ドアのコーナー部に余裕ができ、ここから外れるまでの時間稼ぎができると思います。なお、収縮は避けられないので引っ張る事に固執する必要はなく、均等にテンションが掛るのがベストだと思います。取り付けが終わったらよくモールを叩いてしっかりとガラスにはめ込んでテープ等で止めて一晩置いておけば完了です。

取り付け後のドア・コーナー部分です。今回はこの部分も接着剤で取り付けてあります。モールの収縮は避けられませんので、接着することでどういう結果になるでしょうか。

短くなっていたミラーベース部分も正常な状態になりました。
冒頭で「一部の再利用」と書きましたが、何に使うのかといえば、この交換したモールが収縮してコーナー部や先端部から切れだしたら、今回外した古モールをからその縮んだ分を切り出して埋め合わせようと思っています。ただし、今回新品のモールを触って解ったのですが、ずいぶんとやわらかく、劣化したものは明らかに物性が変わってしまっています。この再利用方法での延命はとりあえずの応急処置といった感じになりそうです。欠品になったらそういうことも言ってられないとは思いますが・・・。

【2011年8月追記】
2009年4月に交換して、およそ2年で目に解る程に収縮しています。ここは接着剤を使いましたが、2年間の風雨の前には無力なようです。とりあえずミラーベースから天井に向かって寄せて上げて様子を見ます。
該当パーツレビューはこちら⇒(ドアモール)
Posted at 2009/04/25 21:46:41 | |
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