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2009年08月25日 イイね!

点火時期の調整

(画像をクリックすると大きな画像へ遷移します)

AZ-1/CARAの点火時期を調整するには、エンジンを十分に暖機して、全ての電気負荷が掛っていないことを確認します。この電気負荷にはヘッドランプやエアコンはもちろんのことリアデフォッガやオーディオも停止する必要があります。また、電動ファンが停止している時に作業を行ってください。そしてアイドリングが基準値内(950±50rpm)であることを確認します。

次にダイアグノーシス用のモニタカプラをショートさせる必要があります。これによりイニシャル点火時期(基準となる点火時期)の設定を行います。


カプラはリアからエンジンルームに向かって左側のフードのヒンジ辺りにあると思います。このカプラは防水コネクタとなっており、コネクタのカバーを外すのですが、カバーが二重になっており、どこがカバーの爪なのか戸惑うと思いますが、カバーは左図のようになっていますので爪を間違わないようにしてください。何故、こんな事まで記載するのかといえば私が間違えたからです。







カプラのショートはC端子とD端子を接続します。適当な線材で繋いでください。












タイミングライトを1番のハイテンションコードに繋ぎます。1番とはクランクプーリー側(クルマの後ろ側からエンジンルームに向かって一番右側)のプラグに接続されているハイテンションコードとなります。ディストリビュータの位置で言うと一番上に位置するものです。ハイテンションコードで言うとカムカバーに入るところで縦に三本並んでいますが、正しく取り付けてあるならば、一番上となります。







さて、問題はタイミングライトをどこに当てるのかということになりますが、整備マニュアルには右図のような絵が書いてあります。整備マニュアルにはこの絵以外には記述がなく、具体的な場所は示されていません。しかし、点火時期調整の為のゲージはタイミングベルトカバーに記載してあります。







リアのボンネット裏には点火時期調整方法が記載されているのですが、ここにはタイミングベルトカバーのゲージを使うと記載されています。この部分はAZ-1/CARAでは目視できるのか微妙なところです。










整備マニュアルに指示されている場所を覗き込んでみると、不自然な造形の場所があり、ここがそうなのかと思うこともできなくないですが、明示されていないので不安が残ります。ネット上にもここで合わせるといった情報がヒットしないので困りました。










そこでこのようなツールを作りました。円分度器がないのでそこら辺に転がってた丸い板です。裏には冷蔵庫などにメモを挟んで貼り付けるマグネットをセロファンテープで取り付けて、これをクランクプーリーのボルトに貼り付けることで、この不自然な場所はどこを指しているのかをはっきりさせる算段です。









クルマをジャッキアップして少しクルマが傾いているところをそのまま撮影したので、垂直線には見えませんが、右側がフロント側、左側がリア側で、リア側をジャッキアップしていますので右に傾いています。その垂直な線に対して、右回りでちょうど240度の位置にあることがわかりました。









これは円分度器の位置を動かさないで別の角度から撮影したものです。
そうなるとクランクシャフトが上死点(BTDC)の時に、この不自然な場所は240度を指すことになります。(エンジンを下して計測したわけではないので若干の誤差があるかもしれません)









プーリー自体はリブが中心部に6本入っており、そこから外周部にはひとつ置きにリブが伸びています。外周部分にあるリブは120度毎にあることになります(実際に計測して確認しました)。このリブの外周部分に▲の出っ張りがありますがこれは合いマークではありません。何故、こんな事まで記載するのかといえば私が間違えたからです。








クランクプーリーの合いマークは、小さい方のプーリー(オルタネータ側)の外周にとても小さな切り欠きが2か所あります。一つ目はリブと同じ位置にあり、これを合いマーク①とします。とても小さな切り欠きですので、プーリーの淵を指で撫でて確認してください。








二つ目の合いマークは、リブと同じ位置ではなく、若干ズレた場所にあります。①と同じく指で撫でて確認してください。これを合いマーク②とします。AZ-1/CARAの点火時期調整に使うのはこちらの②の方ですのでペイントしておくことをお勧めします。リブと同じだとか違うとか面倒であればどちらもペイントしておけば問題ありません。調整時に正しくない方を示すことは、BTDC120度となり、エンジンが掛らないことを意味しますのであり得ないはずです。







さて、この二つの合いマークは、何を意味しているのかを確認する為に、また円分度器を作りました。今度はそこら辺に転がっていた焼き損じたプリンタブルなDVD-Rディスクです。これの中央にサイズ19のラチェットレンチのソケットをはめて、クランクプーリーのボルトに差し込んでプーリーの合いマーク位置を確認しました。








右の写真が計測結果です。上に2本線が引いてあるのは右側が間違いです。ソケットとボルトのクリアランスを考慮にいれずにマーキングしたらズレました。その間違いの線を除いて上から左回りに何を指しているかというと、上が合いマーク①です。次が240度、その隣が合いマーク②の位置からプラス10度した235度、そして225度の合いマーク②、最後に合いマーク②にマイナス10度した215度となっています。要は合いマーク①を基準とした場合、合いマーク②は225度の位置にあることになります。


それでは、ある合いマークが頂点にある時に、クランクシャフトは上死点を示しているかというと、実は合いマークは20度オフセットしています。これはタイミングベルトカバーを見たことがある人ならばわかると思いますが、上死点位置は20度で、右側に0度が振ってあります。また、クランクプーリー中央のクランクに取り付ける穴にはキーの為の溝があります。ここを0度とすると合いマーク(リブ延長線)は20度のところにあります。もちろん、クランクシャフトのキー溝は、1番シリンダの上死点と同じ位置にあります。


段々とややこしくなってきましたが、結果として「不自然な造形の場所」は、上死点から右回りで240度の位置にあり、クランクを上死点0度とした時に、プーリーの合いマーク①は頂点から20度の位置にあり、そこの合いマーク①を基準とすると合いマーク②は225度のところにあります。すなわち、頂点0度を基準に考えると、合いマーク②は245度のところを指すことになります。「不自然な造形の場所」は頂点0度から240度の場所にありますから、5度オーバーしています。ということは、合いマーク①を5度(BTDC5度)とすると、必然的に合いマーク②は「不自然な造形の場所」を指すことになります。言い換えると、「不自然な造形の場所」を合いマーク②が指している時、合いマーク①はタイミングベルトカバーのBTDC5度を指すことになります。

よって、「不自然な造形の場所」に合いマーク②を合わせることが点火時期調整方法ということになります。ちなみ「不自然な造形の場所」の中央の線から上下幅は10度です。中央の線から下方向へ合いマークを動かすと進角、上に動かすと遅角です。なお、確認時にダイアグのカプラを短絡していない場合(イニシャルセットスイッチOFF/アイドルスイッチON)はBTDC8度くらいなようです。








話がそれましたが、次にディストリビューターを固定しているT40のトルクスボルト(2ヵ所)をゆるめて置きます。エクステンションを付けたラチェットレンチやT字レンチが必要です。写真は奥のボルトです。










次に調整方法ですが、クルマの後ろからエンジンルームに向かってディスビ上部を奥に向かって回すと遅角方向、手前に向かって回すと進角方向です。別の言い方をすると、クルマの後ろからみて左側側面に立って、左に回すと遅角方向、右に回すと進角方向です。さらに別の言い方をすると合いマークを動かしたい方向と同じ方向にディストリビュータを回せばOKです。ちなみに私の場合は、かなり硬かったので、大きなマイナスドライバーをディスビに当てて金槌でトントン叩いて動かしました。



なお、混乱するのですが、進角方向は上死点から手前方向、遅角方向はより上死点に近い、もしくは上死点を超えた方向です。右回りのクランクを想像した場合、上死点より左側方向が進角、右側方向が遅角です。「進角」という字面だけみると点火するタイミングをどんどん進める、今よりも後で点火するように捕えてしまいますが、逆ですので注意してください。何故、こんな事まで記載するのかといえば私が間違えたからです。

以上で調整完了です。ディスビのトルクスを締めて、タイミングライトを外し、ダイアグの短絡した線を外して元に戻しましょう。あとはテスト走行で異常がないことを確認すれば整備完了です。


というわけで、これからドライブ日和の秋に向けて点火時期を点検してみてはどうですか?

クランクプーリー品番
マツダ品番:AZ29-11-401
スズキ品番:95131-60F00


P.S
【2009年8月30日】記事の間違いの修正が完了しました。にっしゃさんありがとうございました。
Posted at 2009/08/25 23:42:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | キーワード | クルマ

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