2019年01月25日
プレミアムフライデーに思う働き方改革
新しい職場に移ってから初めての最終金曜日。
周りが15時過ぎたら少しずつ人が少なくなってきて、そういえばプレミアムフライデー…という事を思い出したのが、今日でした。生産に近い職場の前には考えられなかった光景で、まさか社内でも部門によってこんなに違いがあるとは…なんて思ったのがホンネ。
で。そんな朝一に、スバルで過労自殺→調査したら残業代未払が判明、というのがニュースになってましたね。2年間で、3421人で7.7億が未払い。…あれ、これだけの人を集めても、Gさんの未記載(とされている分)にも満たないのか、とか思ったりもするのだが、それはさておき。
皆様、このニュースどう見られます?
残業代未払いと、高圧的でパワハラともとれる言動があった、という報道も含めてですが。
いやいや、わかったら隠さず公表して払い戻しなんてするのはやっぱり大手だからいいなぁ。
うちなんかもっとひどいブラックなんだから、こんなことで文句言うな。
え、こんなこともまだやってんの?ウチはもう残業ゼロが当たり前だよ。
…くらいが大体出てきそうな意見でしょうかね。
じゃあ、もう少し大きな目で見て、自動車会社とサプライヤ、という目で見た時。
ここって、いわゆるホワイト/ブラックで言ったら、どんな部類なイメージを、皆さん持たれてますでしょうか?
やっぱり、自動車会社は日本の基幹産業で花形待遇良いしホワイトに決まってる、クルマ好きには素晴らしい、自分の思ったクルマが作れる最高の職場じゃない、他車を見て乗ってそれでクルマを創れるクリエイティブな職場でしょ…等々。
あ、ここから先はちょっと嫌ーな現実ですよ、まだまだ夢見ていたい方は、この時点で踵を返してくださいね。
クルマ好きでこれから目指されている方とか、少し検討している方とか、他業界の方とか…見る目は色々とあるんだろうけれども、まあ、実は、少なくともさっき取り上げた内容なんて、微塵もない、場所によってはスバルみたいにブラックなんてのは、場所によっては当たり前にある業界というのが現実です。
とはいっても、多分自動車整備士の方々や、孫請けといった中小企業の方々、報道関係の方々、と比較したらまだまだ、甘っちょろいんでしょうけれどもね。
まず、スバルの群馬製作所で発覚したこの事件。なんでも直近1か月の残業時間が105時間だったとか。この状況、群馬製作所と研究開発センターとは別だから、多分生産に近い部署と仮定する。仮定したとして、直近1か月の残業時間が"たった"105時間だったわけがないはずだ。ログが残っているのが105時間でそれ以外の時間、週末とか現場に出ている時間とか、深夜手当がつく時間とか、そういった時間はログを切って、残業が付かないようにしていた可能性もある。そうなってくると、実際のところは150時間とか、15連勤とか、行われていた可能性だって出てくるわけだ。
基本的に、自動車会社という大きな組織の中で、一番ブラックと言われるのは生産技術部隊。3Kは当たり前だし、それに加えて無理難題な新車立上げ計画を生産している中で行わなければならない、ラインが止まっているのは連休だから、長期連休があると言っても、技術屋はそんな時間なし=長期休暇なんてあってないようなもの、それが生産技術部隊。
これは、何もスバルだけではなくて、他のメーカー、トヨタだろうがホンダだろうが、日産だろうがスズキだろうがダイハツだろうが三菱だろうが…もっと言えばサプライヤにも当てはまる事だろう。むしろ、こんな働き方をせずに成立している生産技術部隊がいたら、訪ねてみたいものだ。
働いてもサビ残当たり前で、現場のおっちゃんからは罵声しか浴びない生産技術部隊はブラックだが、じゃあ他の部門はどうなんでしょう?とか。
設計/技術開発部門は、今ではサビ残こそなくなっているが、パワハラという観点ではまだまだブラックだと思うというのが個人の感想。というか、設計はサイコパスしか昇進してないような気がしてならないのは…一社しか見てないから、でしょうかね。
人による、というのが本当の所なんだろうけれども、一挙手一投足何をやるにも動作一つするでも必ず報告しろ、とか、考えてる方向が上司(上司自身)の意見が違ったらとことんけなして怒鳴り倒して上司(上司自身)の方向性にしか向かわせないとか、2時間前に言ってたことと全く違う方向に行って手戻りになって、なんでできてないんだ、方向転換するのも分からなかったのか、アンテナ貼ってねぇお前が馬鹿だ、とか。限られている時間で明らかにオーバーワークを与えておいてできなかったら"このゆとりが"と怒鳴られるとか。
…まあ、自分自身や周りの同期も含めて、設計という業界では、こんなの当たり前に起こっているようで。周りの人も、"辞めたいがホンネ"、"○○さん(パワハラ上司)が課長に上がるような事があったら辞職したい"、"会社に行く道中で涙が止まらない"。。。等々そんな声もちらほら聞こえるような、そんなのが自動車メーカー技術部隊で起こっている事のようですね。
じゃあ、さらにその上、商品企画とかマーケティングとか、広報とか、経営企画とか、そういったところはどうかというと、ここにきてようやくホワイト、って感じになるわけですね。なんでかというと、ここくらいの領域になってようやく外国人比率が上がってくるから。
やっぱり一番の違いは、褒める&尊重する文化でしょうか。良くも悪くも"Good"とか"Great"とか、語尾には必ず入るし、まず他人の意見を否定しない、ただ真剣に意見を掘り下げて本当にいいのか悪いのかを判定する、というのが特に外国人と日本人の違いだと思う。日本人は、良くも悪くも阿吽の呼吸、というか、どこかやってもらって当たり前、と思ってたりしません?お互いに。それが仕事の上じゃダメなんだろうなぁ…とか思うわけですよ。
じゃあ、なんでドイツ車はそれでもいいクルマできるんだっけ?と。
彼らはもっと生産効率よくていいクルマ作ってるんか、というと、多分そうじゃない。
例えば企画とか開発とか生産の構想とか、そういったのは本社のお偉いさんが行って、定時に帰って、バカンス取って。じゃあ実際に手を動かしてるのどこで誰って、日系サプライヤや新興国の労働力とか、安い労働力の移民とか、そういった"西欧人=ホワイトカラー"以外なんですよね。
彼らは生産効率がいいとか言っちゃってますが、実は自分がしない仕事をどんどん下に下に…自分たち以外にやってもらうようにして、負担を少なくしていく、そんな魂胆しか見えてこないですよ。そのしわ寄せがブラックな働き方に繋がっていたりして。
ぶっちゃけ、働き方改革でみんながみんなハッピーな働き方ができるようになったら何が起こるって、移民労働力とか海外の安い労働力とかに頼って、手間ばっかりかかってあまり売れないスポーツカーみたいな嗜好品が無くなっていくのが目に見える結果。
言っちゃあアレだが、80年代後半のスポーツカー、NSXやスープラ、GT-Rを作るのに、どれだけの人がブラックな働き方をしたことか…私が乗っているZ33だって、どこかのファンブックに書かれていたように"当初は自己研鑽による自主開発"で始まった=勤務時間外のサービス業務で構想と技術が出来上がったクルマでもある。
なんといいましょうか、こう書いちゃったら自動車業界お先真っ暗のブラックで、身も蓋もない話になっちゃうんですが…それでもやっぱりクルマ作りたい、やってみたい、という人はぜひ。甲は書いていても、もっと酷いブラック企業は世の中にはたくさんあるでしょうしね…どうせブラックな働き方をするんだったら、自分の好きな業務で、かな?
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Posted at
2019/01/25 20:32:55
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