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2018年02月24日 イイね!

File.248 ランドクルーザープラド

File.248 ランドクルーザープラド どうしてこう、クロカンSUVというものは、ややこしいわかりづらいネーミングになっているんだか。未だに、ランドローバー、レンジローバーどっちが社名なんだかわからなくなることが多々あるし、レンジローバーも、どれが"ただの"レンジローバーなのか、ラインアップリストを見ると迷ってしまう。今でこそシンプルになったが、パジェロも、そしてこのランドクルーザーも然り。70系、200系、ヘビー系、ライト系、ステーションワゴン。日本で最も長い歴史を持つ名前なだけに、歴代車はおろか、現行車ですら、どれがどれだか、わからなくなることの方がむしろ、多い。

1.ランドクルーザー

 そもそものランドクルーザーというクルマの歴史を紐解くと、第2次大戦中に製造され、軍用輸送車として誕生した四式小型貨物車というクルマにたどり着く。鹵獲された軍用車にしてクロカンの代名詞、ジープを模して製造した過程で得られた知見は、その後戦後になって、"ジープBJ型"へ活かされた。
 そして、そのジープBJ型。商標上の問題から改名の必要を迫られて、名付けられたのが"ランドクルーザー"。同時期に頭角を現していた"ランドローバー(丘の海賊船)"を駆逐するという意気込みをもって、"ランドクルーザー(丘の巡洋艦)"となったという。
 もっとも、軍用車やパトカーとしても使用されるのは両車共通だが、反政府武装組織やゲリラ組織に利用されてしまっているのはどちらかといえば、ランドクルーザーの印象が強い、というのは、名前に込められた意味から考えれば皮肉なものだが。
2.ランドクルーザー"プラド"

 ランドクルーザーに"プラド"のサブネームを持つモデルが誕生したのは、70系の時代。ランドクルーザーの独擅場だったこのセグメントに現れた、パジェロに対抗するべく70系をベースに軽量化・簡素化が図られ、そして1990年のマイナーチェンジで、プラドというサブネームが与えられることとなった。
 現行ランドクルーザープラドは、そこから数えて4代目。2代目以降は欧州向けSUVという位置づけも大きくなり、デザインも、上位モデルのランドクルーザーとは異なる意匠となっている。既に登場から10年が経過しようとしているが、3度のフェイスリフトを行っている事から既に複数回のフルモデルチェンジを受けたかのような印象すら、受けてしまう。
 顔が変わった最新型を目の前にしてみれば、フロントヘッドライトとグリルの大きさが流麗なのが印象的だった前期型と中期型よりも、歴代のランドクルーザーに近づいた正統派的な印象を受ける。ところどころにある整流フィンは、トヨタ車の特徴ともいえる。
3.クルーザーの実力

 さて、最新ランドクルーザープラド。正直に言ってしまえば、ある一つの性能を除いて、このジャンルのクルマは好みじゃない。目線の位置は高いし、ダイレクトなハンドリングというものは望めないし、何よりもフワフワしてつかみどころがない乗り心地。スポーツカーが一番好みの自分からしてみたら、まず、愛車として選ぶことは無い一台である。
 もし、このクルマでただ単純に高速道路を走る、街中の買い物に使うだけなんだったら、何もこのクルマを選ぶ理由は全く見当たらない。ボンネットが独立している分、ミニバンよりもさらに車両感覚はつかみづらいし、さらに言えばリアオーバーハングが長いから、バックの時だってかなり気を遣う。
 今回使ってみて、駐車場にこれほどまでに難儀したクルマも珍しい。今や死角の取り回しを気遣えるカメラ装備は当たり前になりつつある中、オプションで設定されているカメラを選択しないのは、よほどチャレンジャーだろう。よっぽど運転に自信がある人だけが駐車は任されるべきで、間違っても軽自動車でブラインドビューモニターを使っている人に任されていいものではない。
 高速道路にさえ出てしまえば、後はクルーズコントロールを付けてゆったりのんびりと走る、という実力に関してはそれなりの実力ともいえる。100km/h付近の速度でも、全く風切り音を感じないというのも、柔らかくて快適な乗り心地と合わせれば、乗っている分にはかなり快適にとれる。
 もっとも、運転するドライバーにしてみれば、常にステアリングには気を遣うような直進安定性の薄さと、反応の鈍さには付き合わないとならない。クルーズコントロールも、渋滞時の0km/h迄対応するのが珍しくない中、50km/h以下では使えないというのも、装備に古さを感じてしまうところ。わざわざこのクルマを買う理由、どこかにあるだろうか?
4.本格オフローダー

 当然、買う理由はある。どこでも走破できるとも思えるような、オフローダーとしての性能だ。わざわざ今回借りた理由も、八千穂レイクという極寒の氷雪路を走破する事を目的として。なにも、長野までの長距離をひたすら淡々と走るための足を求めていたからではない。
 道中の間、雪が混ざった道を走る事は実はほとんどなかったが、八千穂レイクに至る最後の道すがら、山道に入った後にこそ、真価が発揮される絶好の機会。使う必要もなかった4WDのロックアップダイヤルを4WDモードへ。
 最上級グレードであれば、マルチテレインセレクトという、運転支援システムが装備されているが、通常グレードはただのロックアップスイッチのみ。もっとも、本格的な道なき道を走破するわけでは無くとりあえず凍結と雪の積もった一般道を走るだけなので、そこまでの機能は正直に必要ない。
 さすがの4WDのお蔭で、急勾配の凍結した路面であっても全く不自由なく、滑る事もなく登れるのは当然として、比較的急なブレーキ操作をしてもスパッとすぐに止まるのは、車重の恩恵も多分にあるだろう。さすがに今回、このクルマで氷上走行は行っていないが、仮に行っていたとして、むしろモーグルとか段差とかを乗り越えるような荒っぽい走りができてしまうのではなかろうか。
5.ファブリック調インテリア

 インテリアに関しては、最廉価グレードという事もあって高望みは全くできない。最廉価モデル、という事を忘れていれば、このクルマがランドローバーとも比肩できることをすっかり忘れてしまいそうだ。そもそも、今では珍しくなってしまったファブリック調のインテリアというのに、少しばかし古さを感じてしまうところもある。
 廉価モデルでも、このクルマを選ぶのが、ウィンタースポーツや、山、渓谷、釣り等々、アクティブに使う人が大多数なんだろうから、そこは少々撥水シートを標準装備するだとか、何かしらもう少し施策はあっても良さそうなものだが。
 高級感、というものに関しては、およそ印象にほど遠いが、一つ上のグレードになって本革シートが付いて、そして間接照明も選べるようになってようやく、このクルマがそれなりの価格帯に設定されている事を思い出すし、それだったらまあ、値段相応の質感といってもいい。
 余談だが、レンタカーだから、廉価グレードでも我慢というのはちょっと今の時代にはあまりそぐわない気がしてならない。とりあえず借りる、足として利用する、という目的が多数を占めるのは当然だが、特にメーカー系列のレンタカー店舗ならば、販売促進の機会としても重宝する機会。ならば、最上級グレードではないにしても、それなりの好印象を与えられるような標準グレードに少しオプションを設定した程度の車両を用意するべきだろう。少なくとも、今回乗った限りでは、プラドを買う気には全くならない。むしろ、値段の割に質感が低いクルマ、という印象しか受けなかったほどだ。グレード構成を理解していれば、その気も少しは変わるのかもしれないが、好印象を与える機会をこういった場面で逃してしまう可能性もある。
6.手が届くオフローダー

 ただし、一つ忘れてならないのは、低い質感だろうが欲しい装備がオプションだろうが、とりあえず400万円出せば、ランドローバーとも互角に渡り合える、7人乗りのオフロード性能を手に入れられるという事。
 自分がスポーツカー好きなものだから、質感は低くてオプションも少ない素の状態でも安けりゃ良しと思うように、本格的オフローダーが必要で、それ以外は必要なし、と思うような人には最適な一台といえるだろう。さらに言えば、新興国市場を始めとした廉価だがしっかりと走破できるだけの実力が欲しい市場では、むしろこの標準グレードの必要性が高いと言えるだろう。
 日本を始めとした成熟国の基準で行ってしまえば、レザーパッケージが当たり前にも思えるし、それでもなお、レンジローバーよりも安く手に入る。どうせ選ぶならレザーパッケージ、必要なオフロード装備があるのならば、トップモデル。ただし、必要かどうかは考えて選ぶようにしよう、でなければ、ただの燃費の悪いSUVを買っただけになってしまいかねない。
Posted at 2018/02/25 17:38:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 評 -Car Review- | クルマ
2018年02月18日 イイね!

八千穂レイク氷上ドライブ2018

八千穂レイク氷上ドライブ2018 冬季オリンピックで、羽生選手と宇野選手がワンツーフィニッシュを果たした。氷の上を駆け抜け、その美しさを競い合うフィギュアスケートだが、では同じ氷上でクルマを走らせれば?クルマ界のフィギュアスケートと呼ばれるD1よろしく、そんなレベルではなく良く滑る。ただし、氷のコンディション次第で、走れたり走れなかったり。昨年はそれで涙を呑んだが、今年こそリベンジ、例年に無いコンディションの良さの表情で、走ってみる事しよう。


1.レガシィ

 自分の愛車、フェアレディZで氷上ドライブに参加しようとは思わない。まずスタッドレスタイヤを履かせたくないと思うだけでなく、氷雪路を走って下回りを無為に錆びさせるような事もさせたくないから。…あと、FRで雪道を走りたくないというのもあって、だ。
 今回だって、fun2driveのレンタカーで走れる機会があればこその参加。用意されていたのは、FFのヴィッツと、FRのロードスター、そして4WDのレガシィ。どうせだったら、3台を一気に乗り比べ…とは、お金の都合で断念して、今年はまず、こういった悪路に強い4WDを選んで、試してみる事にした。勿論、ギアボックスはマニュアルである。
2.アイスバーン

 当然、凍結した池の上を走っているのだから、氷の上を走っている。雪の中を歩くのに適した長靴ですら、簡単に滑るし、スタッドレスであっても滑って当たり前の世界である。そんな条件の中でも、上手い人は簡単にクルマを横滑りさせて、コーナーを曲がっていく…。
 FRのクルマだって、どうしたらこんなに氷上を曲がれるものか、と驚くほどに良く曲がる。カウンターを当てて綺麗にドリフトアングルを取って。逆に、慣れていないとフロントタイヤを目一杯左右に切って、ドアンダーで辛うじてグリップが回復したら曲がっていく、そんな様が外から見ていてもよくわかる。
 氷上初体験の自分も、入ってすぐの第1コーナーは、すぐさま雪の壁に頭から突っ込んでいった。というか、止まらない。ABSが介入しようが何しようが、とにかく止まらないし曲がらない。ハンドル切ったところでこれはどうしろと!?
3.4WDの曲がり方

 とりあえず、走る前に言われたアドバイスを思い出す。アンダーで曲がらないと思ったら、クラッチを切って、荷重を前に。侵入でブレーキを掛けつつ、スパッとクラッチを切る。速度が乗っていれば、鼻先がイン側に向くが速度が乗っていないとあまり効果なし。極低速、徐行運転するような状況だったら、そろそろと、なんとか曲がってくれる、のだが。うーん、なんというか思っているのと違う、こう、ギュイーンと、後ろが滑り出して横Gを感じない横滑りが思い描いていたものなのだが?
 氷上はゆっくり丁寧に、アクセル操作もブレーキ操作もふんわりと。確かにそれだと、安全運転なんだけれど?逆に、アクセルガバっと踏んでみたら一体どうなるのやら?グリップして、外へ一気に膨らむ、というのは、舗装路での常識、だが。
 回転数だけ上がって、速度は全く上がらず。そりゃそうか、氷の上でひたすらタイヤが滑っているだけなんだから。けど、ちょっと後ろが振られたぞ。これはあれか、もしかして、曲がる方向にクルマが向いたら、回転を上げて一気にクラッチガツンと繋いだら、後ろが外に出るんじゃなかろうか!?
 最後の最後、試してみたこれは、効果覿面。クルマが内側に向くきっかけになったら、その後はステアリングを切って、クラッチを切ったり繋いだり。タイトなコーナーだったら、これで良し、曲率の大きなコーナーは、初めにきっかけを作ってやって、後は繊細にアクセルでクルマの向きを作る、ステアリングは行きたい方向を見るが、むしろゼロカウンターでアクセルだけで曲げる事ができるのは4WDならではの芸当。
 本当にコツがつかめたのは最後の1周。あっという間の30分が過ぎ去ってしまった。これはもう一本走りたい、むしろ乗りなれているFRで走ったら、もっと面白い事になるんじゃなかろうか?とか、思ってしまう限りだが、来年はもっと長く走ってさらに美しく駆け抜けたいもんだ。
Posted at 2018/02/18 14:14:48 | コメント(0) | トラックバック(0) | 活-My Car Life- | クルマ
2018年02月18日 イイね!

第63回代官山蔦屋モーニングクルーズ

第63回代官山蔦屋モーニングクルーズ 第63回目となった代官山蔦屋モーニングクルーズのテーマは"国産ヤングタイマー"。…また結構幅が広いというか、解釈に迷ったというのが正直な感想。イベント後のFB投稿では、"テーマが国産ヤングタイマーという少し曖昧なテーマ設定で皆様を悩ませてしまい申し訳ありません"という一言も…。悩んだ挙句に自分が選んだ答えは、1991年に登場した3代目"ソアラ"。20代最後、アラサーのおっさんが、昔のミニカーを懐かしく思い出せたというのが、ヤングタイマーだと思った決め手。さて、イベントに訪れたクルマ達は、懐かしさを覚えるのか、古さを覚えるのやら?


1.1989

 自分が選んだ"ヤングタイマー"の基準が、懐かしさを覚えたというもの。1988年生まれの自分が、懐かしさを覚えるとなると、大体1990年代のクルマがピッタリその時期に当てはまる。で、これまた一つの持論だが、1989年という年が一つの境界線になると思っている。それはやはり、1989年に登場した3台のクルマ、R32型スカイラインGT-R、NA型ロードスター、そしてXF10型セルシオの存在が大きい。
 いうまでもなく、R32は日本はおろか、世界中のスポーツカーの基準と常識を一変させた。あのポルシェですら、驚嘆をもって慌てて購入して走らせたという。NAは、逆に、シンプルイズベスト、ライトウェイトで屋根が開き、一つの交差点を曲がるだけでも快感を覚える、走る事の楽しさがどこでも味わえる事を、改めて気づかせてくれる、エポックメイキングなクルマとなった。そしてセルシオ。静粛な高級サルーンといえば、ベンツBMが当たり前だった時代、同じ品質を安価で実現するという。野心的な試みを、具現化し、レクサスの名声を、確固たるものとした。
2.2002

 パラダイムシフトを迎えた年の1989年、そこを境に、オールドタイマーとヤングタイマーが切り分けられた、とおく。まあ、異論もあるだろう、1980年代も充分に最近だし、むしろ古さを感じるデザインが若者には新鮮に映る、そして、70年代程古くない。となると、80年代がヤングタイマー?いやいや、そしたら、ヤングタイマーの期間が、あまりにも長すぎる。ま、個人的な見解だけれど。
 こういった議論は、いくらでも話しつくして尽くせない不毛な議論だからここいら辺にして。1989年から始まった新世代、Y31型シーマ、Z32フェアレディZ、NSX、FD型RX-7、AZ-1、ビート、カプチーノ…同時期に登場したクルマは、今なお印象に強く残る、もっとも、もう懐かしいと思うクルマ達だが。
 その時代も、バブルの崩壊、そしてそれに伴ってモデルチェンジを行えない、絶版になる、という時期が続いた。ヤングタイマーのクルマ達、その時代に終焉をもたらしたのは、平成12年排ガス規制。猶予期間最大の2002年の事。登場から一貫して改良を貫いてきたスカイラインGT-Rも、RX-7も、スープラ、シルビアも…悉く市場からは従来のクルマが消え、そして2002年、コペン、Z33型フェアレディZという、新しい排気基準を満たしたクルマ達が、登場したのである。
3.ICE→EV
 
 余談だが。ヤングタイマーの切り替わりの一つの要因が、電子制御という新しいデバイスであった。そして、ヤングタイマーからニューエイジ…ともいうべき、2002年からの最新の潮流が切り替わるタイミングもまた、新しいデバイスとなる事だろう。
 例えば、自動運転の技術、例えば、EVの技術…それに合わせた、排出ガス規制がまた、今の時代をヤングタイマーに切り替えるパラダイムシフトとなる事だろう。それを暗喩するかのような3台がこちら。トミーカイラZZと、最新トミーカイラZZ。
FRPボディを纏った超軽量ボディは、どことなくエリーゼにも共通点を感じるが、エリーゼとは異なり、こちらは生産台数を伸ばせず、200台前後で生産終了。今となっては、残っている現物を拝める方が希少である。それが今、EVとして、99台の生産枠で復活したというのも、何かの縁だろう。もっとも、その中身は全くの別物で、99台の少量生産枠ですら4年経った今でも販売完了していないというから、成功しているとは必ずしも言えない。が、GLMの本領はこれから、プラットフォームの設計で、外見デザインは外部受託、もしかしたら、新世代を担う高級クルマメーカーには、充分なりえる可能性を持っている。
4.普遍性

 とにかくも。そんな考えから、ヤングタイマーなクルマは1989年に一世を風靡して、2002年に生産を終了を迎えたクルマまで。そうみると、ちょっとばかし今回のモーニングクルーズにはオールドタイマーなクルマも来ていたと思う…のは、個人的な見解。
 けれども、このクルマだけは、ヤングタイマーとして見える。Y31型シーマ。Z30型ソアラがトミカで馴染み深かったクルマに対して、Y31型シーマは、初めて買ったプラモデル。充分に懐かしく感じる一台。
 頂上、完成という意味の名前であるシーマを名前に関したこの一台。セルシオがアメリカで成功を収めた一方、シーマは国内で、"シーマ現象"と呼ばれるほどの名声を築いた・・・・が、今ではセルシオの成功を横目に、今ではフーガのLWB版として細々と生産を続けている。
 結局のところ、オールドタイマーにせよ、ヤングタイマーにせよ、その時に"いい"と感じて、そして長い年月を経た今なお、良いと感じる普遍性、それを持ったクルマが、そう呼ばれるにふさわしい一台とになる。ここに集まったクルマ達は、それぞれに普遍性たりえる想いがこもった一台だったことに変わりなし。もし、現在のクルマがヤングタイマーになった時、ここへ集うのは一体、どんなクルマだろうか?
Posted at 2018/02/18 12:18:02 | コメント(0) | トラックバック(0) | 展-Showcase- | クルマ
2018年02月11日 イイね!

File.247 ソアラ

File.247 ソアラ 子供の頃持っていたトミカで覚えているのは、エスティマとZ32、そしてソアラ。当時ラインアップされていたトミカのソアラは、ホワイトパールのボディカラーに、四ツ目のヘッドライトはメッキで再現されていた。そしてなにより印象に残っているのは、テールランプがクリアパーツで再現されていた事。他のトミカに比べれば、かなり...こう、トミカですら別格の雰囲気があったことを覚えている。そんな思いでも、もう20年以上も昔の事になる。新しく出るクルマやら、子供の頃憧れたクルマやら、知らなかったクラシックカーやら。そんなクルマ達に心をときめかせ、無邪気に楽しんでいれば、気が付けばもう、20代も終わりの29歳になっていた。というかもう、いい加減オジサンである。そんなオジサンが、昔持っていたトミカと懐かしむ位なんだから、ソアラも立派に昔のクルマである、ヤングタイマーなクルマなのである。
1.ソアラ=LEXUS SC

 とはいえ。自分がまだまだ若い気でいるもんだから、このソアラだってまだまだ"今"なクルマで古さを感じないと思えてしまうのである。むしろ、クラシックカーと感じてしまうのは初代と2代目のソアラ。四角く角ばったボディに、当時最先端の装備をてんこ盛り。
 80年代に考えられた未来の装備に、そして2ドア高級クーペ。同年代の日本車が、憧れをもって眺めていた6シリーズやSLクラスに追いつけ追い越せ。同時期投入され、そしてソアラと同じくハイソカーブームを牽引したレパード同様、外見は参考に持てる技術はありったけつぎ込んで。
 そんなハイソカーブームも、バブル景気の崩壊とともに霧散。3代目ソアラを開発していた当時のトヨタが、そんな未来を予見していたのかはわからない。が、レクサス初の高級クーペのSCとして、同時に開発をしていた事は、国内で販売実績の低迷を見せたとして米国市場で成功を収めたとあれば充分に成功といえる。逆の見方をすれば、純粋にソアラと呼べるのは2代目までで、3代目は混血、4代目はもはやソアラとは呼べないSCというクルマであるとも見える。
2.高級パーソナルクーペ

 ともかくも。ソアラとしては終焉を迎えた3代目であるが、同時に後に続くレクサスクーペシリーズの祖ともとれる。トップモデルLSと共通のエンジンもモデルラインアップに備え、とにかくフラットな乗り心地を実現するアクティブサスペンションもトップグレードとして設定。プラットフォーム戦略という言葉が誕生する前のことながら、LSとは共用される部分も多いSCの姿は、どことなく最新のLC500にも通じる部分もある。
 V8だけとなった最終SC430とは異なり、3代目ソアラにはトップモデルのV8と直6ターボモデル(前期はツインターボ、後期はシングルターボ)の2系統が設定。間違いなくトップモデルはV8になるわけだが、現実的な選択肢としては直6エンジンだったと言えるだろう。実際、カーセンサーで検索すると、V8モデルは3台しか出てこない。
 そして、さらにMTモデルも設定されていたが、販売のほとんどはATモデル。確かに直6ターボエンジンとMTという組み合わせは、走りを楽しむうえでは必須というイメージ先行だが、優雅に走る事を楽しむというキャラクターであればATモデルの方が適している。
 今回乗った個体は、シングルタービンの1JZにATという、流通しているソアラの中では一般的な組み合わせ。ただし、ホイールは17インチにアップされ、足回りはテインに変更。エギゾーストシステムは柿本が入っている。MTモデルにありがちなエアロパーツの変更は入っていないから、本来のソアラが持つ、高級パーソナルクーペのイメージを壊しておらず、青山とか銀座とか、そういった場所の、それも夜景がかなり似合う。
3.ロマンと先進性の追求

 当時のハイソカーといえば、そういった場所で、こういうクルマに乗っていれば、女子大生とか若いOLとか、ホイホイ釣れたとか釣れないとか。男のロマンの一つ(?)ともいえるそんなモテ男は、勿論外観だけでは無くて内装にこそ、発揮されていなければならないだろう。
 木目調は高級車には当然として、今では考えられないソフトタッチのシート、そして柔らかなドアトリムのソフトパッド。そしてエクリュの本革シートがあれば、それは最上級グレードの証。そんなクルマに乗っている=金持ちの証…なーんて、当時は思われたんではなかろうか、と。今じゃ、軽自動車も変えない価格で、そんな高級クーペが買えるんだが、品格は落ちるわけもなし。もっとも、女性のクルマ所有男性という評価指標はだだ下がりだが。
 先進性は正直ダダ下がりどころか、開発期間を考えれば30年落ちである。CDという記録媒体が最先端で、カーナビゲーションシステムも羨望の眼差しを受けていた。そして何より、このソアラ最大の先進技術は、バックビューモニター。リアスポイラーに内蔵されたカメラで後方確認できるこの装備は、最上級モデルにのみ標準装備。オプションですら選択できないというのは、今じゃ当たり前の装備も、当時は高嶺の花だった。
 逆に今、別の意味で最先端に感じるのがデジタルパネル。虚像式の浮き上がるメーターパネルを使用しているこのメーター、ダイヤル式のコンサバな物や、単調なTFT液晶式に比べたら、なんかなつかしさと、昔考えた未来っぽさがひしひしと伝わってくる。うん、これ気に入った!一周回って、こういうのこそ先進的に感じるし、何より、これこそ男のロマン!に感じる要素だ。
4.ダイレクトシフト

 そして、自分の意のままに操れることこそ、究極のロマン。そこについては、パドルシフトやシーケンシャルシフトが選択できないATよりも、MTの方に優位性があるのは言うまでもない。が、このソアラに搭載されているATは、なかなか賢い。スポーツモードで選択していれば、結構意のままに走ってくれる。
 少し踏み込めば一つキックダウン、一気に踏み込めば二つキックダウン。意外なのは、シングルタービンなのにキックダウンした後のブーストが一気に立ち上がる。もっとこう、高回転域にならないとブーストがかからないドッカンターボだと思っていたが、4000rpm~になった途端の一気にブーストがかかってそのまま一定のトルクで加速していくような様は、現代のフラットトルク特性を思い出す。
 むしろ、280馬力規制に縛られざるを得なかったから、トルクカーブ自体は結構フラットになっていた。街中を走る分にはブーストがかからない領域で充分だが、いざ加速が必要で前に出たいと思う瞬間であれば、迷いなくアクセルを踏み込めば問題ない。これだったら、ATでも充分かもしれない。
5.長距離クルーザー

 ただ、ハンドリングについては轍に入るたびにステアリングを取られるような感覚があるのは、少し違和感に感じるポイントだ。キャスター角度が浅くとられているにもかかわらずこの現象が発生するのは、標準が16インチだったことに対して、17インチにインチアップされている事と、車高が若干下げられている事も要因の一つとして挙げられる。
 そこは個体の問題として、それ以外の挙動には不自然さを感じるポイントは無い。というよりもむしろ、後付ショックのTEINで、当時高値の花だったアクティブサスに近いな常時減衰力調整が可能となる事の方が、個体としては驚き。そして、それを起動している時の方が乗り心地はフラット極まりない。それは高速道路のコーナリングをしていても、である。
 ただ、一応スポーティな走行もできるというだけで、バリバリ走り屋のような走行をしようと思うと、重めの車重と長い前後のオーバーハングが気になってしまう。アメリカの広大な敷地を走る時よろしく、まったりと高速道路を長距離走る方が、クルマのキャラクターを考えた上でも適しているという事は、忘れずに書いておこう。
6.過ぎ去りし未来

 日本では、一世を風靡したとはとても言えない3代目ソアラ。むしろ、2代目までの印象の方が強すぎて、そして4代目はスーパーGTで活躍したSC430の陰に隠れて、どっちつかずになってしまったというのが3代目ソアラなのかもしれない。
 けれども、初代から引き継いだデジタルメーターを始めとする先進性の追求と、当時のLS譲りの静粛性の高さ、乗り心地の良さ。2代目までが標榜していたソアラの先進性への意気込みを備えつつ、レクサスが放つ高級ラグジュアリーパーソナルクーペとしての実力も充分に兼ね備えていた。
 理想を突き詰めたのはトップモデルのアクティブサス付きのV8。中古車として横並びになっている今であれば、直6と横並びで見る事も叶う。個体数の少なさでいえば、V8の方が希少性が高い。が、いかんせん、3代目ソアラの人気が圧倒的というわけでも無し。今後クラシックカーとして強烈な人気を集める事も、ほぼ叶わないだろう。
 もし、中古車で選ぶのであれば3つのエンジンの中で好みの一台、といってしまえばそれまでだが、やはりこのクルマのキャラクターから言えば、V8モデルがいい。直6ターボを選ぶのは、ターボの毒にやられてしまったか、直6を欲しいと思っているか。多分にV8のアクティブサスだったら、かなり快適に走ってくれることだろう。もっとも、修理費は高くつくのかもしれないが…。
Posted at 2018/02/11 17:29:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | 評 -Car Review- | クルマ

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