
昨日行われた
「ボーイング747退役記念さよならフライトチャーター」
に参加して来ました。
ANAの保有する747の退役イベントの一環ですが、
一体どんなイベントになるのでしょう。
興味は尽きません。
さてこの便に乗る為には、まずチケットを入手しなければいけません。
赤組で行った「
下地タッチアンドゴー」や「
ドメの747ラストフライト」同様、
電話による白熱の争奪戦が展開される事が予想されます。
毎回大変面倒な作業なんですが、やるしかありませんね。
で、このツアーの申し込み開始日時は1月24日14時。
手は2本しかないので、取りあえず家庭用電話と携帯電話で挑戦してみる事に。
時計を見ながらカウントダウン、14時丁度にヒットする様にコールスタートです。
果たして結果は・・・。
「只今大変込み合っちょります・・・。」
早速電話から聞こえた声は機械チック丸出しなやる気のない女性の無情な叫び。
まあ最初から繋がるなんて夢にも思っていなかったので想定の範囲内、
早速リダイヤルをして挑戦継続です・・・。
こんな事を繰り返し、そろそろ焦りも見え始めたファースト・ヒットは
何とチャレンジ開始から40分後。
ここで女性の台詞がおもむろにチェンジされます。
ただ相変わらず機械チックである事に変化はありません。
「ナビダイヤルでお繋ぎします!
この通話は**秒ごとに
約**円の通話料金が掛かります・・・。」
「おお~おお~、え~がなえ~がな。」
「チケット買えるなら幾らでも払うちゃる。」
すると・・・。
「プツ、プー・プー・プー・・・・・」
「お゛お゛~!?、何た゛とこ゛ら゛~!!」
通話が切れちゃいました。僕もついでに切れちゃいました。
以前のこの手の申し込みもそうだったんですが、
ナビダイヤルに繋がっても突如切れてしまうので、全く持って油断出来ません。
涙を浮かべながら再び振り出しに強制連行です。(号泣)
その後も繋がっては切れ繋がっては切れを繰り返し、
でもでも次第に繋がる回数が増えて来た・・・と言う事は、人気のある席は売り切れ
何となく販売に落ち着きが見られ始めたと言う事が想像出来ます。
そして結局決着が付いたのは何と何と2時間40分も後の事。
やっとの思いで機械じゃない本当の女性の声が聞こえた時には、
本筋から逸れて、思わず世間話でも炸裂しそうでしたが、直前になって我に返りました。
非常によそよそしく
「え~、まだ乗れますか?」
等と発言。
聞けばプレミアムは勿論、普通席窓側、アッパーデッキも既に売り切れ、
1階の窓側以外の席ならと言う状態で残念ながらここで終戦です。(
その日の晩の図)
まあ参加する資格を得ただけでも良しとしよう。
後は突然湧き上がる出張を何とか切り抜けられれば・・・と祈る毎日、
仕事も何とかアレンジ出来たし段々テンションも上がって来ました。
実は今回のチャーターフライトの出発地は羽田ではなく成田。
静岡からだと正直行くのが面倒なんですが、以前聞いた事がある
羽田ではチャーター枠は早朝にアサインされている事が多く、この手のイベントには
不向きな事もあるらしい。しかも今回は出発前に機体の撮影会も開催されるので、
保安管理上羽田では難しいんだろうな~と勝手に納得。
成田早朝出発となると、当日入りでは間に合わない為、
前日銀座でカメラのメンテがてら成田に移動する事に。
久々に成田エクスプレス。(以下NEX)
今回は初E259系、以前の形にも増してスマートな印象で格好いい。
前に乗ったのは
赤い会社の747退役の時だから、約3年ぶりの成田って事になる訳か。
こんな風景の見えるホテルに宿泊。
不思議とドキドキ感を感じないまま普通に就寝。
ジジイだからか?(笑)
明けて3月16日、早朝より空港に移動
出発案内に目的の便を発見。
2001便!?・・・意外と普通。
ま~だ閑散としていますが、こちらがチケット交換場所。
何処に座るかは、ここで初めて判明します。
まだ札が貼られてませんが、五十音順で列が振り分けられていて
自分の名字に該当する場所に行って受付を済ませる訳ですね。
スーちゃんRの”ス”なので、僕は迷わず”た行”に並びます。
そんな訳で受け付けも無事終了し、保安検査場を早々に抜け、搭乗口にやって来ました。
747は沖留めされている模様。
ここからはバスにて移動しまっす。
移動する事暫し、「おお~、見えて来ましたね~。」
このイベントにアサインされた機体はJA8961、
実は最後まで残った2機の内のもう1機、JA8960は既に退役してしまったらしく
この機体が本当に最後の最後の1機となった訳です。
バスから降り早速撮影会の開始です。
乗って来たバスごとにパートが分けられており、到着したばかりの人々は
後方のセクションから攻略開始です。
垂直尾翼の上の方にあんなちっちゃな羽根があったとは・・・。
どんな空力デバイスなんだろう。
普段はなかなかお目に懸れないアングルだけにちょっと新鮮。
太陽が丁度上って来て、羽根の部分に懸ってます。
747の特徴と言えば何と言っても4つのエンジン。
ゼネラル・エレクトリック製(GE)CF6-80C2B1F。
えげつない方向に向いてますが、実際にこんな角度で装着されていないので
お間違いのない様に。(レンズのせいだよ)
メイン・ギアもとてつもない迫力。
横断幕第一弾。
さていよいよフロントセクションに移動して来ました。
ここに来ると、改めて背の高さを実感する事が出来ますね。
↓こんな感じで撮影に満足した(あるいは時間切れ)人達から機内に搭乗します。
僕は撮影に満足したので、搭乗します。
でもタラップから・・・くどいけど再びエンジン。
この場でエンジンスタートされたら、間違いなく吸い込まれるな。
僕が機内に乗り込んでからどれ位の時間経ったでしょう。
ようやく最後のバスでやって来た方々の撮影も終了し、いよいよ目的地熊本空港へ出発です。
この日は南風運用。
離陸の為、RWY16Rに向かいます。
「さくらの山公園」は盛り上がっていたんでしょうね。
クリアランスが取れた後、いつもの如く怒涛の加速を見せつけながら離陸して行きます。
上昇過程でベルトサインが中々消えなかった機内では・・・。
↓こんなのや・・・
↓そんなの・・・
はたまた↓あんなのを拝む事が出来ました。
実は僕は通路側の席だったんですが、隣に座ったご夫婦がとても良い人達で、
窓からの景色を撮影してくれました。(有難うございま~す)
聞けば窓側席最後の1席を射止めた方だった様で、文字通り幸運の持ち主様でした。
昼餉。
ビジュアル的にはプレミアムクラスのお弁当って感じですが、
開けてみると↓こんなオプションが!
ちょっと毒々しいですが、747をあしらったカマボコが狭いスペースながら巧みに駐機中。
ちなみに下段は寿司です。
昼餉のデリバリーに思いの外時間が掛かり過ぎた様で、
のんびり味わう間もなく目的地が近付いて来ました。
窓から見える空は関東で見たそれと比べると、ちょっと霞んだ感じが残念ですね。
ここでも怒涛の着陸を披露・・・したはず。(予想)
熊本空港では国際線ターミナルにスポット・イン、タラップで地上に降ります。
地上では横断幕第2弾と言うかボードでのお出迎えが。
聞けば以前747も就航していた様で、今回もある意味「里帰りフライト」の中の
ひとつであったんだと感じました。
747も思わず撮影。
さて一般の来場客と分離する為、国際線ターミナルに隔離された我々参加者達、
ここでは歴代征服じゃなかった制服で着飾ったCAさん達の撮影会と、
往路を飛ばして来たパイロットさんの講和、並びに何やらグッズが貰えると言う
抽選会が開催されるとの事。
まずはCAさんの撮影会。
乗って来た座席ごとに区切られて、短時間ながら全員好条件で撮影出来たのはグッド。
でもその間約1時間、顔は笑顔ながら、ず~と立ちっ放しのCAさん達はちょっと気の毒だったな。
とか何とか言って置きながら、しっかり撮影をも済ませたスーちゃんRなのであった。(完)
でもANAのCAさんの制服って結構コンサバな印象・・・。
次は機長さん達の講和。
なかなか面白いお話を聞かせて頂きましたが、
「この後の操縦が終り、4つのエンジンを切った時に
何か思う物が込み上げて来るでしょうね」的な事を仰っていた機長さんのお言葉は、
心に響きました。
747の退役後、左の機長さんは787、右の機長さんは777に移行するんだとか。
ちなみにこの後の抽選会に関しては、この手の催し物に関しては全く縁のない僕には
不要なイベントだった事を軽くご報告して置きます・・・。
国際線ターミナルでのイベントも終了、外に出てみましょう。
おっと、いつの間にか国際線ターミナルから移動して来てた。
空港外周路に停車中のクルマの多さにも注目。
僕もこれやってみたい。
まるで天にも昇る様な心境になるに違いない。(笑)
さあ次は遊覧飛行へ向け出発を抑えます。
実はこのツアー参加者向けに特別に開放されるエリアが展望デッキにあった訳ですが、
一般の方が入れないとは言え激しい場所取り紛争が勃発する事は必死、
早目にデッキ入口で並んで待機する事に。
ここで何と
この方と対面。
周囲を注意深く観察していないと、本当驚かされます。
特別なエリアが開放されたのは遅れまくっていた遊覧飛行の
プッシュバックが開始された直後の事。
これに間に合わなければ辺りで暴動が起こっていたかも知れない様な不穏な空気が
漂っていたので良かったです。(汗)
場所取りにも成功し後は撮影&見学に勤しむのみ、
どんな画が切り取れるか楽しみですね。
ふと隣に居た女性を見ると、耳にエアバンのイヤホンを突っ込み
滑走路を睨みつけながら747の動向を見守っています。
更には管制との交信を漏れなくメモに残している様子、
ちょっと失礼して覗かして貰いました・・・。
15:05 RWY25 Cleared for take off.
って書いてありました。
遊覧飛行のANA2014便のクリアランスが取れた時間です。
手強い!女性だからと言って甘く見ると蹴散らされそうです。
僕は軽い驚きを感じながらも、747は何事もなかったかの様に遊覧飛行にお出掛けです。
ほぼ目の前でエア~ボ~ン。
行ってらっさ~い。
何もする事なくただ過ぎて行く時間、場所を取られてしまうので、
移動する事も出来ず立ったままの状態、最早罰ゲームの様相を呈して来た約1時間10分後、
さっきと反対側(RWY07)から747がやっと戻って来ました~。
一旦RWYエンドまで進み、再びこちらに戻って来た際にイベントの1つが開催されます。
戻って来た747と消防車、さすればやる事ただひと~つ。
ウォータ・キャノン炸裂!
昨年
MD90でここに来た時には体験する側でしたが、
実際目撃するのはこれが初めて。
格好良い~ッス。
遊覧飛行を終えいよいよ残すはタッチアンドゴーを残すのみ。
帰りの便の時間も相当押している為、果たして何度離着陸をするのか注目される中、
再びテイクオフする747。
空港の外周をゆっくり1周し、RWY25側からその姿が見えて来ました。
着陸をして地上をそのまま滑走、目の前を通過する頃には
再びエンジン音が大きくなりそのまま離陸、
何て格好良い飛行機何だと改めて実感。(涙出そうになったし)
デッキの何処からかは拍手も。
皆、同じ事を感じていたのかも知れません。
(画像は同じ様な感じの物なので割愛)
結局タッチアンドゴーは1回で終了。(残念至極)
↓これは全ての任務を終え、熊本空港に最後のランディングする図。
こうしてイベントは終了となりました。
急ぎ帰り仕度をします。
デッキでは18時までに保安検査を受けてネ~との事だったので結構忙しないです。
空港内にあった747に関する展示品はほとんど見る事なくそのまま保安検査場に突入、
めでたく熊本脱出の準備が完了。
↓帰りの便。
2002便、ぬお~行きと一緒で全くひねりなし。
横断幕第3弾。
↑これは各地で行われた747里帰りフライトで掲示された物。
心温まるメッセージがいろいろ添えられていますね。
こいつは是非生で見たかったので、ちょっと感激。
沈む夕陽と。
美空ひばりの「真っ赤な太陽」を割と大きな声で歌っていたのが
周りに聞こえていなかったか、今になって心配になって来た。
結局当初の予定から1時間程の遅れで、成田へ向け出発です。
離陸直後は翼を振りながら地上スタッフ達に敬意を表し熊本を後にしました。
機内では淡々と時間だけが過ぎて行きます。
行きの便の機内でもそうだったんですが、赤組のラストと比較すると
イマイチ盛り上がりに欠ける感が・・・。
何かラストの便に乗ってるんだぞ~と実感する感動的なアナウンスやイベントが
非常に少なく感じたのが残念でした。(この辺は赤組の方が1枚も2枚も上です)
折角の747、しかもチャーター便なので、もう少し工夫が欲しかったと言うのが正直な感想。
まあ社風なんでしょうね。
着陸が迫って来ました。
機長からの案内で成田着陸は条件が整っていれば機械による自動着陸を試みるとの事。
設備が整っていない空港では出来ない離れ業ですが、自動で運航していて
いや今から手動に切り替えだ~!と言うシチュエーションになった際、
パイロットがギリギリでも対応出来るか否かと言う技術力が必要だと
何かで読んだ事があります。
どちらにしてもハイテクですね。
そんな事を全く感じさせないまま2002便は20時過ぎにRWY34Lに着陸、
チーパーさんによれば、本当に自動着陸を実施したんだそうな。
機械も侮れないなと実感した瞬間でした。
こうして何事もなく復路の旅も終了した訳ですが、実は少し焦ってました。
帰りの新幹線にギリギリ間に合うNEXの出発時刻が刻々と迫っていたのです。
降機後、いつもは写真を撮ってお別れするんですが、今回は全てパス。
一目散に荷物を預けて置いたコインロッカーを目指します。
でも流石は国際空港、歩く距離も尋常でありません。
結局荷物を手にし切符売り場に到着したのはNEX出発1分前、
チケット販売情報が次の列車に切り替わる世紀の瞬間をも目撃。
居残り決定です!(涙)
今回のイベントで一番悲しい思いをする羽目になるのが、まさかこの場面だとは。
一人トイレで泣いて来ました。(嘘)
こんな事ならゆっくり747撮って来れば良かったよ~。
結局最終のNEXで都内へ移動、翌朝の新幹線も考慮し大井町に宿を構えましたとさ。
メデタシメデタシ・・・。
全然メデタクないぞ~。
3月31日の747完全退役まで残りあと13日。
日本の空から747が消えるその日が本当に来た時、
僕は一体何を感じるんだろうか・・・。
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おまけ
今回の戦利品。
この他にトートバッグにクッキー等。
747は大き過ぎて絶対に駐機出来そうにない予感。