
2023.08.25-26、「土星」「木星」撮影
【撮影日記】
光害の激しい千葉県北西部の自宅で惑星撮影。
なかなか晴れない空ですがこの日は晴れそうな予報。
都合上遠征には行けないので自宅で惑星撮影となる。
惑星撮影と言えば長焦点の光学系。
シュミットカセグレンに以前からの興味があり既にポチリ済み。
しかし実際の撮影運用に色々と時間がかかってしまい今回初の惑星成功撮影となった。
(前回運用で色々問題が出ていた)
パーツ間の相性、光路長、撮影者の拘り、フード設置、断熱対策、など目途が付き今回の運用に至る。
当初シュミットカセグレン特有の強拡大時ピント合わせでのミラーシフトですがC6鏡筒のピントノブ使用でも体感できない位に小さなものだった。
モデルが最新だからか?
2023年の値上がり後のモデル。
今回の撮影対象は「土星」「木星」。
惑星撮影はシーイングに左右されやすく「今時期」の撮影が良いとの情報をみんカラの同士の方より情報入手している。
日本上空の気流の関係らしい。
今回は惑星を動画撮影し各フレームをスタックする。
今どき王道の画像処理手法。
各フレームをざっくり見てみるとシーイングはまあまあ良い方かと(惑星職人では無い一般人の感想)。
星が瞬いているシーイングでは「赤寄りのフレーム」「緑寄りのフレーム」「明るいフレーム」「暗いフレーム」「ボケボケのフレーム」などが混在しているが、今回はわりと各フレームの差は小さい印象だった(惑星職人では無い一般人の感想)。
なのでスタックはステライメージ8にて「自動動画スタック上位30%使用」の設定とした。
(各フレームの撮影状態のバラつきが大きい時はマニュアルスタックにて使用フレームを任意選定するようにしている)
木星撮影するなら大赤斑を捉えたい。
木星大赤斑をシミュレーションするサイトをネット上に発見。
「木星 大赤斑 予報」とググると「木星および大赤斑の出没時刻の計算」がヒットする。
が、日付設定等イマイチ使いにくく間違えやすい。
そこで現在スマフォにインストールしている天文系アプリを再確認すると大赤斑のシミュレーションが可能だった。
この機能は今まで使用していなかったので気が付かなかった。
➀、ビクセンの無料スマフォアプリ「planet book」
無料なので機能と表示はそれなり。
でもちゃんと使えて機能は十分(か?)。
➁、スマフォアプリ「Stellarium有料版」(無料版にこの機能があるかは不明)
このアプリは他撮影でも大変お世話になっておりますが癖強めで慣れが必要。
慣れれば十分な高機能にご満足(か?)。
また、➀、➁、ともに土星の環の見え方もシミュレーション可能。
土星の環は今後地球から見て水平になっていくので観測がしにくくなるようです。
見方を変えれば環が限りなく薄くなった土星を撮影するチャンス到来とも言える。
それはそれで楽しみ。
土星の環を撮影するなら今シーズンなら良好か。
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【作品、土星、2023年08月25日22時42分】
*上画像は同一でトリミングの違い。
[撮影メモ]
対象:土星
撮影日時:2023年08月25日22時42分
撮影地:千葉県北西部自宅強光害地

↑、天の条件
機材
・セレストロンC6
・セレストロン2インチアダプタSTC用
(*カメラ接続と言えばセレストロンTアダプタSTC用が一般的だが、48mmフィルター使用、2インチバローレンズ使用、ビクセンフリップミラー使用、等の関係でこちらを使用。光路長はほぼ同等。)
・アストロストリート2インチ×2バローレンズ
・アストロストリートセルフセンタリング2インチスリーブ延長等50mm
(*バローレンズからセンサー面までの距離を延長して焦点距離を伸ばす狙いで設置)
(*先端に48mmネジ山あり、48mmフィルター等設置可能。)
(*使用感はねじって締める機構が固すぎだろ。)
・ビクセンフリップミラー
(*撮影と観測を快適に切り替える目的の為に設置。)
(*バローレンズからセンサー面までの距離は延長され焦点距離も伸びる。)
・49→48mmステップダウンリング
(*ビクセンフリップミラーのネジ山は何故か49mm。48mmフィルター等が使用可能になる)
・ケンコー48mmUVカットフィルター
・ボーグ回転式ヘリコイド
(*カメラピントとアイピースピントの差を修正。)
・ボーグのリング、何だったかなぁ~。
(*ビクセンフリップミラーとヘリコイド間にネジ山合わせの為に設置。)
・C6付属の25mmアイピース
(*バローレンズと延長筒の組み合わせにより眼視観測では十分な拡大率。更に拡大したい時は20mmアイピースも有効だった。)
・カメラ接続リングM42キャノンEOS用
・Xマウント変換リング
・FUJIFIM X-T30
・EQ5GOTO
・SS-OENオートガイダープロ
・SS-OENオートガイドカメラ120ミリレンズセット
(*今回はノータッチガイドでオートガイド機能は使用せず。鏡筒フロント下部に設置してバランス取りに使用。)
・SS-OEN電子極軸望遠鏡
・SS-OENオートガイダープロ無線コントロール
・VIXEN PLANET BOOK
(*無料スマフォアプリ。惑星位置、土星環の見え方、木星大赤斑をシミュレーション可能。)
・STELLARIUM
(*有料版スマフォアプリ。惑星位置、土星環の見え方、木星大赤斑をシミュレーション可能。)
・ステライメージ8
(*動画スタック、諧調、色ずれ補正、シャープ系処理、等、画像処理に使用。)
撮影方法:直接焦点撮影、ノータッチガイド
焦点距離:不明。
(*C6は1500mm。×2バローレンズ。延長筒とフリップミラーにて110mm延長。焦点距離はどれくらいになるのかなぁ~。)
F値:不明。
(*C6はF10。×2バローレンズ。延長筒とフリップミラーにて110mm延長。F値はどれくらいになるのかなぁ~。)
露出:デジイチX-T30動画撮影。オートモードは使用せず。シャッタースピードダイヤルの設定は「A」。感度は任意設定でISO12800、動画1分15秒位で始まりと終わりの数秒は使用せず。
(*任意設定にてISO感度を変更すると画像の明るさを変更できる。)
(*よって勢いでポチった可変NDフィルターは無駄となった。金星撮影や月撮影で使用可能か。)
画像処理
・MOV動画より作成
・ステライメージ8にて上位30%自動スタック。
・ステライメージ8にてレベル調整&カラーバランス調整。
・ステライメージ8にて惑星色ずれ補正。
(*完璧な修正は不可。修正しきれない箇所はシャープ系処理で後々目立つ事となる。この箇所をごまかす処理によって乏しい諧調になったような気がする。そこでADCはどれほど有効か興味深い。ZWOのADCはパーツを分解するとM42ネジ山があったような。ビクセンフリップミラー後にM42接続にてADC設置は可能か?未検証。)
・ステライメージ8にてシャープ系処理
(*スマートマルチバンドシャープでざっくり弱めにシャープ処理。その後にマルチバンドシャープにて無理のない範囲でシャープ処理。)
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【作品、木星、2023年08月26日00時08分】
*上画像は同一でトリミングの違い。
[撮影メモ]
対象:木星
撮影日時:2023年08月26日00時08分
露出:デジイチX-T30動画撮影。オートモード使用せず。シャッタースピードダイヤル設定は「A」。感度は任意設定でISO3200、動画1分15秒位で始まりと終わりの数秒は使用せず。
*他、土星に同じ
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【作品、木星、2023年08月26日00時11分】
*上画像は同一でトリミングの違い。
[撮影メモ]
対象:木星
撮影日時:2023年08月26日00時11分
露出:デジイチX-T30動画撮影。オートモード使用せず。シャッタースピードダイヤル設定は「A」。感度は任意設定でISO1600、動画1分15秒位で始まりと終わりの数秒は使用せず。
*他、土星に同じ
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【作品、木星、2023年08月26日00時12分】
*上画像は同一でトリミングの違い。
[撮影メモ]
対象:木星
撮影日時:2023年08月26日00時12分
露出:デジイチX-T30動画撮影。オートモード使用せず。シャッタースピードダイヤル設定は「A」。感度は任意設定でISO800、動画1分15秒位で始まりと終わりの数秒は使用せず。
*他、土星に同じ
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[撮影時の明るさを比較する]
撮影はデジイチX-T30動画撮影。
オートモードはオフ。
シャッタースピードダイヤルは「A」。
ISO感度は任意設定。
(*土星撮影はISO12800のみ。次回は、ISO6400、ISO3200、でも撮影したい。)
(*木星撮影は、ISO12800、ISO6400、ISO3200、ISO1600、ISO800、で撮影。12800と6400は明らかに明る過ぎで画像処理はせず。)

↑、土星、ISO12800、スタックのみ、拡大トリミングあり
もっと感度を落として撮影しても良かった。作品として仕上げると、元画像が明るく球体縞模様が負けてしまい縞模様はあまり出せなかった。もともと球体の模様の乏しい土星だから何とかなった印象。

↑、木星、ISO3200、スタックのみ、拡大トリミングあり
撮影時の明るさとしては主観だが良い感じと思われたが作品として仕上げると、木星の縞模様は白い部分に負けてしまい複雑な縞模様がボケてしまった印象。

↑、木星、ISO1600、スタックのみ、拡大トリミングあり
撮影時の明るさとしては主観だがやや暗いと思われた。作品として仕上げると、木星の縞模様の写りは改善。シャープ処理を強めにかけても白い部分が潰れにくい印象だった。

↑、木星、ISO800、スタックのみ、拡大トリミングあり
撮影時の明るさとしては主観だがかなり暗いと思われた。作品として仕上げるとISO1600と同等か。惑星の色ずれ補正の際に確認しにくいのでレベル調整後に色ずれ補正をした。シャープ処理等の画像処理はISO1600の方が楽だった。しかし、色ずれ補正はISO1600の方が難しかった。ISO1600は補正後も色ずれが目立ち、色ずれをごまかす諧調処理が多く必要となった。色ずれをごまかす諧調処理をすると木星全体の諧調も失われたのか平坦な印象となってしまった気がする。と言うわけで大気分散プリズムADCに興味津々。
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以前掲載のブログの木星の方が良く写っていて悔しい。
購入して以来1度も光軸調整した事ないニュートン反射BKP130と ZWO ASI224MC で撮影。
今回の機材がこんな機材に負けるとは。
きっとカメラが原因か?
高感度なのか、高解像度なのか、天体シーモスカメラの性能の差か?
セレストロンC6と ZWO ASI224MC でリベンジ検証してみたくなるが天体シーモスカメラはPCを使用するので設営が面倒くさいなぁ~。
C6が光軸調整なしのBKP130に負けるか?
そんなわけないでしょ?
原因はカメラでしょ?
今後予定のC6機材ブログはやる気ダウン気味。
と、言う話しとなりました。
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