2023.07.27~28、浄土平、遠征撮影「網状星雲」
【撮影日記】
前回に引き続き今回も有名天体撮影スポット「浄土平」に遠征撮影。
なかなか晴れずまたも浄土平が晴れそうな予報。
予報的に厳しめか。
「晴れたらいいね」くらいの気持ちで撮影に出かけた。
到着時は未だ雲が有ったがやがて晴れる予報。
月没は23時半以降。
正直到着直後に機材展開して極軸合わせする気になる空の様子では無かった。
しかし空は次第次第に晴れて行く。
その為、遅めの機材展開と極軸合わせとなった。
今回の撮影対象候補は、
・網状星雲
・フライングバット星雲
・ライオン星雲
、としていた。
月は23時半過ぎに沈む、いつ曇るかもわからない、と言う事は月のある段階からワンショットナローにて撮影したい。
出来れば月を背にした方が良いだろう。
ただワンショットナロー撮影してもつまらないのでOⅢをとらえたいとの対象選び。
フィルターはL-extreme。
フライングバット星雲は大気の状態が良い戦場ヶ原で月の無い時に、F5、ISO6400、1コマあたり15分、の露出で強調処理にてかろうじて中央のイカ(OⅢ)を確認出来た程度だった。
今回、ガスっぽい空と予報での晴天時間で挑む気にはなれなかった。
ライオン星雲は撮影経験なし。
空の様子を考慮し比較的写りやつい網状星雲を対象に選んだ。
月没前から撮影。
月没後は更に天頂まで高度が上がり良い感じと思っていた。
だがしかし、
1時50分以降の写真はカメラが赤道儀三脚に当たり撮影終了となってしまった。
薄明迄はまだまだあったので強制撮影終了は痛恨の極み。
それがただ残念。
もっと撮影時間を伸ばしたかった。
また、フレーミングは対象をもっと中央に寄せたかった。
それも、ただただ残念。
さて、作品については2パターン。
「月あり&月無し23枚コンポジット」と「月無し15枚コンポジット」。
元写真は共通。
L-extremeは半値幅7mmで月でも十分イケそうかな?と、いつも思っていた。
「月あり&月無し23枚コンポジット」と「月無し15枚コンポジット」はどんな違いがあるのだろうか。
興味深い。
個人的見解であるが「月無し15枚コンポジット」の作品の方が良かった様に感じた。
L-extremeは「淡い淡い対象に」「淡いOⅢをとらえたい時に」月の無い時に使用すると、とらえにくい対象にとても有効である事を再度確認した。
また機会があったらOⅢ輝線星雲に挑んでみたい。
L-extremeは光の透過量が少ないので相当な露出時間が必要となる。
滞空時間が長い対象で、一晩中天候の安定した夜に使用したい。
【作品1、月ありコマ&月無しコマ23枚をコンポジット】
↑、作品1、「網状星雲」、トリミングなし、L-extremeフィルター使用
↑、作品1、「網状星雲」、位置合わせ程度のトリミングあり、L-extremeフィルター使用
↑、ステライメージ8マニュアルコンポジット。
作品1→月ありコマ&月無しコマ23枚をマニュアルコンポジット。
基準星は月没後の背景の暗いブレの無い良像とした。
自動レベル調整OFF
自動色調整OFF
加算平均σクリッピング
ピクセル補間バイキュービック
*自動コンポジットでは自動レベル調整OFFでは失敗。
*自動コンポジットでは自動レベル調整ONでは違和感ある結果となった。
↑、コンポジットのみを強調
少ないが周辺減光あり、色ムラあり。
↑、コンポジット済みソフトビニングフラット補正済みを強調
周辺減光と色ムラは概ね補正。
↑、作品1の山
【作品2、月無しコマ15枚をコンポジット】
↑、作品2、「網状星雲」、トリミングなし、L-extremeフィルター使用
↑、作品2、「網状星雲」、位置合わせ程度のトリミングあり、L-extremeフィルター使用
↑、ステライメージ8マニュアルコンポジット。
作品2→月無しコマ15枚をマニュアルコンポジット。
基準星はブレの無い良像とした。
自動レベル調整OFF
自動色調整OFF
加算平均σクリッピング
ピクセル補間バイキュービック
↑、コンポジットのみを強調
少ないが周辺減光あり、色ムラあり(作品1の時よりも少ないかも)。
↑、コンポジット済みソフトビニングフラット補正済みを強調
周辺減光と色ムラは概ね補正(作品1の時よりも色ムラは少ないかも)。
↑、作品2の山
【撮影メモ、作品1&2は共通元写真】
対象:網状星雲
撮影日時「作品1」:2023.07.27、21:55~01:52、月あり&月無し
撮影日時「作品2」:2023.07.27、23:11~01:41、月無しのみ
撮影地:浄土平
↑、月と薄明
機材
・61EDPHⅱ
・専用レデューサー
・L-extremeフィルター
・よこたレンズヒーター(対物レンズ&ガイド鏡)
・FUJIFIM X-T30
・EQ5GOTO
・SS-OENオートガイダープロ
・SS-OEN電子極軸望遠鏡
・SS-OENオートガイドカメラ120ミリレンズセット
・VIXEN NEBULA BOOK(スマフォアプリ、位置関係を確認)
・STELLARIUM(スマフォアプリ版、写野確認)
・ステライメージ8(コンポジット、フラット補正、諧調、等画像処理)
*SS-OENオートガイダープロ無線コントロールは紛失中により使用せず。
撮影方法:直接焦点撮影、オートガイド、ディザリング撮影
焦点距離:274mm(専用レデューサー使用)
F値:F4.5(専用レデューサー使用)
露出「作品1」:ISO12800、10分、23枚、総露出時間3時間50分、月あり&月無し
露出「作品2」:ISO12800、10分、15枚、総露出時間2時間30分、月無しのみ
(*SS-ONEオートガイドプロの設定では10分)
(*X-T30の表記は10分40秒)
画像処理(作品1&2共通)
・JPGより作成
・ステライメージ8にてマニュアルコンポジット
・ステライメージ8にてソフトビニングフラット補正
・ステライメージ8にて諧調調整等
【撮影時の記録】
↑、今回のピント。バーティノフマスク使用。
↑、今回の元写真たち。撮影時には月あり。月はしばらくすると沈む。
↑、月ありのデジカメ背面モニタ撮って出しとヒストグラム。
L-extreme使用にて月を背中に撮影にてこんな感じ。
↑、月が沈んだ頃のデジカメ背面モニタ撮って出しとヒストグラム。
L-extreme使用にて月無し撮影はこんな感じ。
↑、月無し天頂のデジカメ背面モニタ撮って出しとヒストグラム。
L-extreme使用にて月無し撮影はこんな感じ。
↑、ガイド状態とディザリング発動の様子
↑、ガイド状態
↑、ガイド状態
↑、ガイド状態
↑、ガイド状態とディザリング発動の様子
【浄土到着時の空】
【浄土平朝散歩】
前回の浄土平撮影後の朝は吾妻小富士を散歩してみた。
今回は駐車場となりの湿原を朝散歩してみる。
↑、今回のコミコミ燃費。
↑、ビッグナメクジ。何故か路面に居た。