
2023.11.19-20、南房総に遠征撮影して「オリオン座~エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ」を撮影したが、今回はその画像を違ったアプローチにて再処理してみた。
今回のテーマは→「JPGファイルを介さずに画像処理をする」
注!
RAWファイルベースのダーク減算については今回はしていない。
理由は最後に…。

↑、撮影当時の内容と前回の画像処理はこちらのブログで、
前回ブログ「2023.11.19-20、南房総に遠征撮影」での画像処理は、
○一次処理
フジデジカメX-T30の現像エンジンが吐き出したJPGファイルをステライメージ8で「コンポジット」「フラット補正」。
TIFFファイルに変換し保存。
○二次処理
そのTIFFファイルをステライメージ8で二次処理。
さて、今回の画像処理は、
○一次処理
フジデジカメX-T30のRAFファイル(フジのRAWファイル)を「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 POWERD BY SILKYPIX」でTIFFファイルに現像。
そのTIFFファイルをステライメージ8で「コンポジット」「フラット補正」。
○二次処理は、
そのTIFFファイルをステライメージ8で二次処理。
果たして違いはあるのだろうか?
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今回の画像処理の手順

↑、「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 POWERD BY SILKYPIX」
フジ公式ページより無料入手可能。
RAW FILE CONVERTER EX 3.0 POWERD BY SILKYPIXで、ライトフレームも、フラットフレームも、RAFファイルをTIFFファイルに現像。
RAFファイルを直接TIFFファイルに現像した画像は、X-T30が吐き出したJPGファイルよりも強く強調処理を施さないと淡い淡い星雲が姿を現さない印象。
ステライメージ8でライトフレームを詳細モードにてコンポジット。
ステライメージ8でフラットフレームを詳細モードにてコンポジット。
ステライメージ8でフラット補正。
詳細モード使用の理由→何故か自動コンポジットパネルでライトフレーム&フラットフレームを同時にコンポジット&フラット補正出来なかった。
原因は不明。
マシンパワーの問題か?
その他の問題か?
詳細モードにて問題解決。
フラットフレームの撮影はLEDパネル使用。
フラットフレームはステライメージ8でモノクロ化。
フラットフレームはモノクロ化した方がフラットが完全に合う傾向にある(理由は不明だが経験則)。
フラットフレームがカラーのままでは強い強調処理に耐えられず、モノクロ化した方がより強い強調に耐えられる感じがする。

↑、そのコンポジット済み&フラット補正済み画像を強調(フラットフレームはモノクロ化)。
フラット補正の結果は大成功で周辺部までフラットは合っている感じ。
しかし光害カブリ低空のカブリがある。

↑、ステライメージ8のカブリ補正コマンドと周辺減光補正コマンドにて確認&修正したものを強調。

↑、ステライメージ8で更にカラーバランスを整えたものを強調。
なかなか良い素材に仕上がったのでここから作品に仕上げる(二次処理)。
素材が良いと作品に仕上げる時のやる気が上がりますね⤴⤴
二次処理にフォトショップとか使いたいが現在フォトショップはサブスク。
契約とか解約とかサブスクはちょっと抵抗が…、そんな理由で古くなってきたステライメージ8を継続使用中。
趣味にかけられる財源も乏しいし…。
情報提供者様より無料高機能画像処理ソフトGIMPを教えて頂いた。
GIMPそのうち試してみようかな。
また、最近、Pixinsightで画像処理された天体写真を目にする事が多くなって来た。
とある情報提供者様より「同じ画像もPixinsightで処理をすると格段に良くなる」と教えて頂いた。
当方文系人間で新しいソフトを使いこなしたり使い方を覚えたりするのは結構大変な方。
しかし新しく良い物は取り入れて行きたいとは考えている。
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↑、作品、オリオン座「エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ」
*撮影条件等詳細は前ブログ「2023.11.19-20」に同じ。
画像処理の方向性は写真全体を見た時に無理なく星の色がなるべく出る様に演出してみた。
なので、かなり拡大すると青ハロ赤ハロが目立つ。
鑑賞レベルでは青ハロが星の透き通るような雰囲気を演出出来たのではないかと(素人目線)。
また、赤ハロも鑑賞レベルでは赤い星として演出出来たのではないかと(素人目線)。
背景はグレー調が好みだが、今回はやや暗めにしてみた。

↑、そのヒストグラム
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では、比較。
デジカメX-T30のカメラ内現像エンジンが吐き出したJPGファイルから作成した画像と比べてみる。

↑、作品、オリオン座「エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ」
*デジカメX-T30カメラ内現像エンジンのJPGファイルより作成、ほぼ画像処理工程は同一。
画像処理の方向性は青ハロ赤ハロが目立たない様に無理なく処理をしてみた。
[画像処理の感想]
「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 POWERD BY SILKYPIX」でRAFファイルを直接TIFFファイルに現像して処理をした感想は→デジカメX-T30カメラ内現像エンジンのJPGファイルよりも強く強調しないと淡い星雲は出て来ないが強い強調には耐えられ画像処理はしやすかった。
では、拡大して見てみる。
小さめの恒星の青ハロ赤ハロの出方が違う。
これは両作品の画像処理の方向性の違いで生じたものか?
それとも現像エンジンの違いの差か?

↑、今回作品のエンゼルフィッシュ星雲の特徴的な中央部をトリミング。
かなり拡大すると青ハロ赤ハロが結構確認出来る。
ハロによって、星の青さ、星の赤さ、透明感、エッジ、等を鑑賞レベルでは演出していると言う考え方も有りではないだろうか(素人目線)。
鑑賞レベルではむしろこちらの方が良い感じもする(素人目線)。

↑、前回作品のエンゼルフィッシュ星雲の特徴的な中央部をトリミング
かなり拡大してもハロは確認出来ず。
画像処理の方向性の差か、RAW現像のプロセスで生じた差か、詳しくは不明。
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では、二次処理の前の段階で比較してみる。

↑、「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 POWERD BY SILKYPIX」でRAFファイルを直接TIFFファイルに現像。
コンポジットとフラット補正のみの画像を青ハロ赤ハロが目立つように強調。

↑、デジカメX-T30カメラ内現像エンジンが吐き出たJPGファイル。
コンポジットとフラット補正のみの画像を青ハロ赤ハロが目立つように強調。
*コンポジット手法の差により画像の明るさの差がございます。
「デジカメX-T30カメラ内現像エンジンがハロを修正した」と言う事か!?
「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 POWERD BY SILKYPIX」でRAFファイルを直接TIFFファイルに現像したメリットデメリットは、
メリットは→諧調の自由度と透き通る様なシャープ感ではこちらの方が有利か。
デメリットは→ハロの多さ。
と、素人のコメントとする。
そもそもハロの出にくい光学系使用前提ならRAW FILE CONVERTER EX 3.0 POWERD BY SILKYPIXにてRAFを直接TIFFファイルに現像するメリットは多くなる。
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ダーク減算の問題
RAFについて、RAWベースでのダーク減算は未だ出来ていない。
理由はRAFファイルに事後ダーク減算をする手段が現在無い為。
誰かご存知の方がおられましたら教えて頂けたら幸いと思っています。
最新版のRStackerは試してみましたがX-T30のRAFには非対応。
DNG変換しRStackerに読み込ませて処理をする事は可能。
その処理済みDNGファイルをステライメージ8に読み込ませる事も可能。
しかしステライメージ8でそのDNGファイルをTIFFファイルに現像すると変な感じで上手く行かない。
ん~、困っている。
天体改造無しにそこそこHαが写ってくれるフジ機なだけに残念。

↑、RStacker、RAFには暫定対応かぁ…

↑、RStacker、RAFには暫定対応だが実際に試してみる。

↑、こちらの方法で対応しているか判断する。

↑、結果は非対応。

↑、推奨設定でDNG変換、RStacker&ステライメージ8では読み込むが、上手く行かない…。
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こんな感じ