
2023.11.01-02、栃木市にプチ遠征、月夜でも「ライオン星雲」「ハート星雲&胎児星雲」
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晴れの予報でも月がある。
が、撮影したい。
との事でL-extremeフィルター使用にて天体撮影をした。
L-extremeフィルターは星雲の輝線を拾う狭い透過特性で強力な光害カット効果を期待出来が、写る星雲は特定の波長のみを写し出しているので表現性は味わい欠け乏しい印象。
と、言う訳でL-extremeフィルターは光害カットの目的よりもなかなか写りにくいOⅲ輝線を捉える目的で使用する使い方が断然面白い。
と、言う訳でメイン撮影対象は「ライオン星雲」。
ライオン星雲はこの時期早く高度が下がってしまうのでサブ対象は「ハート星雲&胎児星雲」とした。
ライオン星雲は初の挑戦。
なかなか捉えにくいOⅲ輝線を発する。
L-extremeフィルターを試してみたくなる。
L-extremeフィルターは何度も使用してきたが透過特性グラフから対月対光害性能を過度に期待しない方が良い。
理由は、効果は大変高いが「写り」に関してはやはり月と光害の無い空が良い。
より良いライオン星雲の撮影を考えOⅲ輝線を捉え写し出すには、月の無い夜に空気が澄んでいて周辺の光害を大気中の水蒸気が拾わない様な大気の条件が必要と思っている。
しかし今回は、光害少なめのお手軽プチ遠征先、月夜、大気の状態はあまり澄んでいない感じ。
ライオン星雲のお試し撮影的な気軽なノリで練習撮影のつもりでトライした。
結果としては撮影条件を考慮し、ワンショットナローバンド撮影と言う事も考慮し、ギリギリ自己満足出来る感触。
その為に「次回撮影の機会が訪れた時には今回の経験を活かしガチで挑みたい」と気持ちとなった。
サブ対象のハート星雲&胎児星雲はわりと写りやすい対象で、こちらは単純に「L-extreme VS 月」を検証してみたかった。
「見せてもらおうかL-extremeの性能とやらを」と心の中でニヤりとつぶやきながら撮影。
まぁ、対象的に普通にブロードバンド撮影した方が表現性は良い。
L-extremeフィルター使用で表現性はイマイチとなるが月夜でも撮影したいのでしょうがない。
結論としてわかりきっているがL-extremeフィルターはOⅲ輝線を捉える目的で使用した方が断然面白い。
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↑、作品1、「ライオン星雲」、トリミングなし。

↑、作品1、「ライオン星雲」、写真の安定感を求める程度のトリミングあり。
[撮影メモ]
撮影日時:2023、11.01、20:50
撮影対象:ライオン星雲、Sh2-132
焦点距離:274mm(レデューサー使用)
F値:F4.5(レデューサー使用)
露出:ISO6400、400秒、30枚
総露出時間:200分
機材
・クリアバーティノフマスク
・銀色延長フード(撮影鏡筒)
・よこたレンズヒーター(撮影鏡筒)
・61EDPHⅱ
・専用レデューサー
・L-extremeフィルター
・X-T30
・EQ5GOTO
・SS-ONEオートガイダープロ(Sh2対象導入には非対応)
・SS-ONE無線コントロール
・SS-ONE電子極軸望遠鏡
・SS-ONE120mmガイドカメラセット
・ステップアップリング42→52mm
・ハクバメタルレンズフード52mm
・よこたレンズヒーター(ガイド鏡)
・銀色延長フード(ガイド鏡)
・ビクセンnebula book(おおよその位置確認に使用)
・ビクセンplanet book(月の出入り確認に使用)
・ステラリウムスマフォ有料版(写野シミュレーションに使用)
・スカイサファリPLUS(Sh2対象の導入に使用)
・ステライメージ8(画像処理に使用)
撮影方法:直焦点撮影、オートガイド、ディザリング、
カメラ取付け方向:赤道儀座に対して垂直
画像処理
・JPGより作成
・コンポジット
・ソフトビニングフラット補正
・諧調
・若干のノイズリダクション処理あり
[薄明時刻]
[月の様子]
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↑、作品2、「ハート星雲&胎児星雲」、トリミングなし。
[撮影メモ]
撮影日時:2023、11.02、01:35
撮影対象:ハート星雲&胎児星雲
露出:ISO6400、200秒、35枚
総露出時間:116分40秒
他、作品1に同じ
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[背面モニタに写る明るさと、実際に撮影された明るさと、ヒストグラム]

↑、ライオン星雲の撮影開始時のデジカメ背面モニタをスマフォ撮影
今回はヒストグラムをしっかり中央まで上げ撮影。

↑、そのヒストグラム
デジカメ背面モニタをスマフォ撮影
ヒストグラムは中央まで上がっている。

↑、その画像をPCに取り込んで確認。
撮って出し1枚物。
画像の明るさに注目。

↑、ライオン星雲の撮影最終のデジカメ背面モニタをスマフォ撮影

↑、そのヒストグラム

↑、その画像をPCに取り込んで確認。

↑、ハート星雲&胎児星雲の撮影最初のデジカメ背面モニタをスマフォ撮影

↑、そのヒストグラム

↑、その画像をPCに取り込んで確認。

↑、ハート星雲&胎児星雲の撮影終盤のデジカメ背面モニタをスマフォ撮影

↑、そのヒストグラム

↑、その画像をPCに取り込んで確認。
今回はヒストグラムを中央付近まで上げて撮影する事に注意して撮影してみた。
前回撮影のオリオン座「エンゼルフィッシュ星雲~バーナードループ」で淡い淡い星雲の表現の為にキツい強調処理をしなくてはならなかった。
強い強調処理は弊害も出て来るので元写真の写りを改善する事によって強調処理は最小限にとどめ画像の荒れを少なくしたかった。
今回その効果は多少なりともあったと思う。
ふり返ると、ライオン星雲は総露出時間200分、ハート星雲&胎児星雲は総露出時間116分40秒、次回はより暗い空でより良い大気の状態で撮影したい。
ハート星雲&胎児星雲については途中薄雲通過待ちもあって総露出時間116分40秒と少々短くSNは不満。
L-extremeフィルターは透過特性の為にかなり光が絞られ高ISO感度が求められノイズが多くなるので、総露出時間を伸ばし加算平均コンポジットにてSNを向上させたい。
これからのシーズンL-extremeフィルター使用にてねらいたい対象はシリウス付近となるが、
・ミルクポット星雲→61EDPHⅱ(レデューサー使用274mm)とAPS-Cデジカメで。
・トール兜星雲→C6(レデューサー使用945mm)とAPS-Cデジカメで。
Oⅲ輝線を狙ってみたいですね~。
相当な総露出時間が求められるので天候も一晩中晴れて欲しいですね。
しかしシリウス付近は高度が低く滞空時間も短め。
難しい撮影か。
EQ5にてC6運用となると風は弱い方がいだろう。
なかなかハードルは高いと感じている。
撮影機材の関係でカメラはAPS-Cデジカメとなってしまう。
現時点で所有のシステムはSS-ONEオートガイダープロで天体COMSのシャッターは切れない。
現時点では天体COMSのお手軽PCレス撮影に機材が追い付いていない。
天体COMS良いですね。
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↑、今回のピント。
バーティノフマスクはとても重宝。
今回のピント合わせ反省点として、拡大してよく確認してみると若干のピントの追い込み不足か。
バーティノフマスク使用にて客観的に視覚化。
収差を考慮したこだわりの「前ピン、後ピン」とかは特に無し。
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↑、撮影機材

↑、SS-ONEオートガイダープロのガイド状況
ガイド鏡はレンズヒーターさえ装着していれば特に問題は無いが、最近撮影中に出入りする車のライト照射によるガイドパフォーマンス低下を防ぐ目的でガイド鏡の延長フード化をしている。
前回からガイド鏡はハクバメタルレンズフードにてカッコ良くスマートに延長フード化している。
しかし問題点あり。
金属製の黒色は夜露には不利で放熱しやすく冷えやすく夜露が付きやすい。
そこでガイド鏡レンズヒーターを使用した上でステップアップリング&ハクバメタルレンズフードにて径を拡大しその上からアルミ泊素材にて延長フード化してみた。
撮影鏡筒もケラレない範囲でアルミ泊素材にて延長フード化している。
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こんな感じでした。