
2024.02.13、光害地自宅撮影、M97ふくろう星雲をQBPフィルターで撮る
M97ふくろう星雲は只今再挑戦中。
前回は同じく光害地の自宅でワンショットナローバンド「L-extremeフィルター」使用にて撮影し課題が残った。
輝線を選択的に透過するL-extremeフィルターは恒星の光が大きく絞られ、その為か星雲内の星の写りが良くなかった。
この星の写りを改善してあげたい。
と、言う訳で今回はQBPフィルター使用にて再挑戦となった。
*QBPはL-extremeよりも透過幅が広い特性。
M97は「滞空時間が長く」自宅撮影時には「光害のゆるい方角」「輝線星雲」なのでとてもありがたい撮影対象。
また、見た目の大きさが小さめなので長焦点撮影が楽しい対象。
撮影鏡筒はわりと最近入手したセレストロンC6。
数回の撮影をして行くうちに癖がつかめて来た様な感じか。
所有の屈折望遠鏡よりも癖強めな印象。
そのキャラもなかなか楽しい。
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[撮影メモ→各作品共通]
撮影日時:2024.02.13、00:19~
撮影地:激しい光害地の自宅
撮影対象:M97ふくろう星雲
焦点距離:945mm(純正×0.63レデューサ使用)
F値:F6.3(純正×0.63レデューサ使用)
露出:ISO3200、600秒、20枚
総露出時間:200分
ざっくりと機材
・セレストロンC6
・×0.63純正レデューサ
・QBPフィルターⅱ(ⅲではない)
・X-T30
・SS-ONE120mmガイドカメラセット
・EQ5GOTO
・SS-ONEオートガイダープロ
・SS-ONE無線コントロール
・SS-ONE電子極軸望遠鏡
・ステライメージ8
撮影方法:直焦点撮影、オートガイド、ディザリングなし
カメラ取り付け方向:垂直にマウント
月と薄明
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[撮影は、]

↑、撮影地は激しい光害地の自宅
周辺の光害により手元に灯りが無くても機材設営と操作に困る事は無い。
しかし、あまり嬉しくはない。

↑、ガイドはおおむね安定しているが、

↑、時には乱れる事もあり。
「コンポジットにて平均化されブレが消えればイイや」と言う軽いノリで撮影。
万一コンポジット後にブレが残ったり星が流れたら酷いコマから間引いて行く作戦。
コンポジット時の基準は一番良像とした。
長焦点のガイドはシビアですね。
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[今回の露出]

↑、デジカメ背面モニタスマフォ撮影
設定と実際の撮影時間は1コマ10分だがデジカメの表記上では40秒多く記載されている。

↑、デジカメ背面モニタスマフォ撮影
そのヒストグラム。
QBPフィルターで露出を伸ばすと青転びする。
その画像処理はなかなか苦手。
ちなみにオートストレッチすると恒星は不自然に黄色になってしまった。

↑、デジカメ背面モニタスマフォ撮影
M97ふくろう星雲を拡大。
まぁ、写ってるね。
その後の画像処理でなかなか苦戦し時間がかかってしまった。
「苦戦して時間がかかった」と言うよりは「仕上がってから後日見直して違和感を感じ再度処理をする」を繰り返して時間がかかった様な。
再処理を繰り返し「撮影条件や使用機材ではこんなもんか」と言う所で落ち着いた。
処理の技術レベルを棚に上げて撮影条件や機材のせいにしています。
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今回は同一ライトフレームから処理条件を変えて5パターン作品を仕上げてみた。
条件は、
・X-T30生成JPG
・RAWを別ソフトで現像したTIFF
・LEDパネル撮影フラット(カラーorモノクロ)
・ソフトビニングフラット補正(ライトから星雲&星をとばしてフラットを作成する手法)
その内で酷い組み合わせの2パターンは作品として没となり3パターンが作品に仕上がった。
ふくろう星雲の他作例を見ると「青寄り派」「緑寄り派」あり。
今回は他作例にとらわれず自分の好みの感覚で表現してみた。
「星雲内が透ける様に、星雲内の星が写る様に、」と言う方向性。
惑星状星雲だから星雲中心の星がガスを放っているのでそこを主役として表現してみた。
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[作品1]

↑、作品1、トリミングなしAPS-C

↑、作品1、1型センサー程度にトリミングあり

↑、作品1、もっとトリミングあり
[ざっくりと画像処理方法]
・ライトはX-T30生成JPG
・ソフトビニングフラット補正
(ライトからフラットを作成する手法)
(カブリは引かれるが淡い星雲情報も削られてしまう所が痛い)
・諧調調整
・やもう得ずダメージ系処理あり
・トリミングは「ノントリミング」「1インチセンサー程度」「もっとトリミング」の3パターン
[コメント]
3時間の露出ですがノイズ感が酷いですね~、がっかり。
今回X-T30カメラ内現像エンジンは苦戦か。
今回はたまたま苦手な「お題」だったのでしょう、素晴らしい事もあるのにね…。
デジカメに求めてもしょうがないですが…。
と、言う訳で天体CMOSカメラが欲しくなる。
冷却1型なら手が届きそうか。
あとちょっと予算を増やせばフォーサーズ。
どうせお金を出すならAPS-Cサイズ。
これはハマりますね。
頑張って ZWO ASI071MC Pro までなら手が届きそうか。
しかし、制御、電源確保、等、トータルで考えると当方にとって道のりはかなり険しく遠い。
現在家庭内国債は1○万。
償還迄はまだほど遠いが確実に国債は減っているので日○政府よりはマシである。
裏金作ろうかなぁ、とか。
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[作品2]

↑、作品2、トリミングなしAPS-C

↑、作品2、1型センサー程度にトリミングあり

↑、作品2、もっとトリミングあり
[ざっくりと画像処理方法]
・ライト&フラットはRAWを別ソフトでTIFFに現像
・LEDパネル撮影フラットをモノクロ化してフラット補正
・諧調調整
・カブリ補正
・やもう得ずダメージ系処理あり
・トリミングは「ノントリミング」「1インチセンサー程度」「もっとトリミング」の3パターン
[コメント]
SNは向上か。
やっぱり広げるのか(拡大)。
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[作品3]

↑、作品3、トリミングなしAPS-C

↑、作品3、1型センサー程度にトリミングあり

↑、作品3、もっとトリミングあり
[ざっくりと画像処理方法]
・ライトはRAWを別ソフトでTIFFに現像
・ソフトビニングフラット補正
(ライトよりフラットを作成する手法)
(カブリは引かれるが淡い星雲情報も削られてしまう所が痛い)
・諧調調整
・やもう得ずダメージ系処理あり
・トリミングは「ノントリミング」「1インチセンサー程度」「もっとトリミング」の3パターン
[コメント]
SNは向上か。
広げたいなら広げてあげて下さい(拡大)。
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今回はこんな感じ。