(が… 外人⁉)
モータープール出入口の鉄の格子の門…
その向こう側にはひょろ長く背の高い金髪男性が立ってこちらを窺っていた。
不思議なのは門の向こう側が陽炎のようになっていて、はっきりとした顔や表情は分からなかった。
ただ金髪と真っ赤なアーガイルチェックのベストのようなものを着ていたのが印象的だった。
2mくらいありそうな金髪アーガイルチェックの男性⁉がこちらをのぞき込むように体を左右に動かしていた…
俺はハイエースのテールランプ辺りから半分顔を覗かせていたのだが向こうはこちらに気付いてないようだった。
(ん…⁉)
その外人は両手を自分の首のあたりに置いているのがなんとなく分かった。なんか不自然な感じがした…
よく目を凝らして見た…
(んん…?金髪の頭が二つあるようにも見える… …)
(なんや…⁉ どうなってんの? … …)
(
‼)
(うわ!)
俺は思わず声を上げそうになった。
その外人は小さな子供を肩車していた。両手で子供の足を持ち少し前かがみの状態でこちらを見つめていた。その子供の手は無いようにも見えた…ただ大きな頭の上に小さな金髪の頭がくっついていた。
俺は車の陰からその異様な光景をただ呆然と見つめていた…
「ガチャ!ギギギギィィィィーーーーーー」
いきなり格子の門の鍵が開きゆっくりと開きだした。
(えっ⁉えっ⁉)
奴らはそのままの状態で何もしていない。
(ヤバい‼入ってくる‼)
俺は慌ててハイエースの下に潜り込んだ。
その時遠くでかすかに車のクラクションの音が聞こえた。
その瞬間あれだけ眩しかった辺り一帯がスーッと元に戻って、ハッと正面を見るとあの金髪外人も消えていた…
俺はすぐにでもモータープールから逃げ出したかったが、奴らがまだ居たらと思うと車の下から出れずにいた。
そうこうしていると1台の車が先ほど俺達がサッカーしていた駐車場に向かって走って行った。俺は安堵し車の下から抜け出し、格子を潜り抜け(なぜか門は元通りに閉まっていた)キョロキョロと周りを見渡したあと、一目散に自宅に逃げ帰った。
「おかーーーーん‼おかーーーーーーん‼」
玄関を乱暴に開け、履いていた靴を脱ぎ捨て俺はリビングに飛び込んだ。
「ちょ!おかん‼今、俺、ユ、ユーフォー!UFOに追いかけられた‼」
「はぁ??なんやそれ?笑」
「この辺も明るくなったんちがう?俺上の道のガレージに隠れたんやけど宇宙人に追い詰められてもう少しで捕まって連れていかれるとこやったわ‼」
「あんた、ひょっとして何か悪いことして逃げてきたんちゃうやろな?」
オカンは紅茶を片手に俺を一瞥した。
「してないっちゅうーねん‼それよりオカン、俺、宇宙人見たで‼インベーダーみたいなんとちゃうかったで‼」
「ほな、タコかいな?笑」
「ちがう、ちがう、外人や‼金髪の背の高い外人やったんや‼宇宙人は外人やったんやーーー‼」
俺の話をポカーンとした顔で聞いていたオカンが一言…
「ああ、知ってる。それ、ジョンソンさんや!」
「?????」
「宇宙から来たジョンソンさん」~「ム・カ・エ・ニ・キ・マ・シ・タ」~
へ続く
Posted at 2023/12/17 15:42:04 | |
トラックバック(0) |
未知との遭遇 | 日記