「太陽が近づいてきとるーー‼」
眩しそうなしかめっ面をしたヒデが俺の頭上を見上げて叫んだ。
思わず振り向いた俺の真後ろの遥か上空にあった太陽は、さっき見た時よりも大きくなり少し低い位置にいた…
眩しすぎて直視できないが、目を細めて息をのんで見ているとゆっくりと高度を下げてきているように見えた。
もう一つの本物の太陽はニセ太陽の裏側にあるのか見えなくなっていた。
そして、そのニセ太陽はこちらに向かって降りてくるように見えた(高さ的にはまだ山より高い位置)
「スタタタ…」
振り返るとヒデが走って逃げて行くところだった…
「うわっ⁉ちょっ‼待てや‼ヒデ‼」
持っていたボールを明後日の方向に放り投げ、俺も全速力でヒデの後を追うように走って逃げた。
駐車場を出て橋を渡り100mくらい先から振り返ればもうソレは山より低い位置まで降りてきていた。そしてまともに見れないほど眩しく発光⁉していた。
「ヒデーーーッ‼ヒデーーーーッ‼階段降りろーーー!家の方に行けーーー‼」
前を走ってるヒデに俺は叫んだ。
道の先はそのまま細い車道と下に降りる階段へと分かれていた。
階段を下りた通りの先には俺の家やヒデの家がある。
一目散に真っすぐ走っていたヒデは俺が叫んだ通り階段を駆け下りていった。
その時俺は背中にモアッとした「熱源」を感じた…
と、同時に後ろから眩しい光⁉に照らされて昼間にも関わらず走る俺の影ができていた。
(追いつかれる‼)
俺はすぐ後ろまで何かが素早く迫ってる気配を感じ、無我夢中で走っていて気が付くと下の道に続く階段を通り越していた。
(せや、ガレージに逃げ込もう‼)
○○モータープール(月極駐車場)のまるで牢屋の鉄格子のような鉄柵をすり抜け数台停まっていた車の中から比較的大きな白いハイエース(初代)の後ろに身をかがめた…
○○モータープールはサッカーしていた突き当りの駐車場から200m程の所にあり車を4,5台停めればいっぱいの狭い駐車場で門は鉄格子みたいになっていて、普段は鍵がかかっているが子供の俺は格子の間をすり抜けて中へ侵入しよく遊んでいた。
俺はハイエースの後ろで冷たいコンクリートの地べたに身を伏せながら車体の下部の隙間から外の様子を窺っていた…
外の景色は金色に眩しく、夏の暑さよりも熱い熱気に体を包みこまれていた。
グレーのコンクリートにぽたぽたと俺の前髪から落ちた汗が染み込んでいった…
(ここには誰も入ってこれない…ここに隠れとこ)
(あのニセ太陽は多分UFOやな…)
息を殺しいろいろ考えながら、俺はジッと身を潜め隠れていた。
どれくらい時間が経っただろう…
眩しく輝き続ける格子の外側に人の気配を感じた。
(宇宙人が来たんかな?)
俺はそんな予感がしていた。
ドキドキしながら車の陰からからそっと半分顔を出してみた…
そこで俺が見たものは予想外の姿をしていた……
「宇宙から来たジョンソンさん」~アーガイルチェック~へ続く
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未知との遭遇 | 日記
Posted at
2023/12/02 14:21:25