
ですが、
呉の銘菓ではありません。
セヴンのサスペンションについてです。
先日、
ロータス広島で軽規格のケータハムセヴンS170を見ました。
どうやらwebCGでも紹介されていたクルマと同一個体のようです。
https://www.webcg.net/articles/-/47330
その時のブログ記事でケータハム
170Sのリアサスを「ドディオン式リジッドアクスル」と書きましたが、間違いでした(既に訂正)。
正しくは
「Aアーム付きリジッドアクスル」です。ケータハムでは「ライブアクスル」と呼称しています。
ロータスセヴン(Sr2, 3)の
リアサスは、左右のラジアスアーム(トレーリングアーム)をリジットハウジングの上側に、中央のAアームをデフの下側に連結する独自の構造でした。
チャップマンは一般的な3リンクリジッドよりも高性能な5リンクリジッドにしたかったのでしょうが・・・
©webモーターマガジン
5リンクリジッドはサスがストロークした時のアライメント変化が少なくハンドリング向上に寄与したそう。日本の乗用車では”アシのいい奴”トヨタカリーナで初採用され、AE86もこのリアサスだそうです。
ご存知の通り、
チャップマンは軽量化に血道を上げていました。サスペンションもできるだけ部品を削減しないと気が済まないみたい😅
ロワーラジアスアームとラテラルロッドをAアームに一体化して軽量化?
ちなみに
フロントサスは、ダブルウィッシュボーン・・・なんですが、アッパーアームは一般的なAアームで無くまっすぐな棒( Iアーム)。前後方向の剛性が気になりますが、
スタビエンドをナット留めして疑似Aアームにしています。
さらに話は逸れますが、
ロータスヨーロッパのリアサスもかなり変わってて、リアハブの固定は巨大なトレーリングアームとミッション直付けのロアーアーム、そしてアッパーアームを兼ねたドライブシャフトで行う構造。
素人考えでも、サスペンションがストロークしたらアライメントが狂いそう・・・とか、ドライブシャフトに負荷がかかるとオイルシールとかジョイントがダメになりそう・・・とか思いますが。
現在では鍛造アルミ合金とかチタン、カーボンなど、素材で軽量化できるので耐久性やアライメントを犠牲にしなくてもいいんでしょうが、当時市販車のシャシーは鉄パイプが基本でした。
話は戻って・・・。ロータスセヴンはSr.4までモデルチェンジし、その後は
ケータハムセヴンに引き継がれます。
ケータハムはSr.3をベースに、Kent、BDR、RoverK、Zetecなどいろんなエンジンを載せてハイパフォーマンス化します。それに伴い、
クラシックなサスペンションに改良を施します。
リアサスはドディオン式リジッドになりました。
©Witham Cars Diary
左右のハブをドディオンチューブで連結し、デフは車体側に固定することでばね下の軽量化を実現しました。
フロントサスはアッパーアームをオーソドックスな
Aアームに。
スタビはブッシュを介したボールジョイントで接続されました。

チャップマンの設計思想を踏襲しつつも、現実的なリファインですね。
この形式が長らくケータハムのスタンダードとなっています。
さて、
初代軽タハム・160では、リアサスは一般的な3リンクリジッドでした。
©Witham Cars Diary
数年後のマイナーチェンジで「Aアーム付きリジッドアクスル」に変更され、現在の170にも継承されています。
余談ですが、ロータスセヴンではAアームとデフの接続部との強度が足りず、よく千切れたそうです😅現在のモノはドディオン用Aアームと同等に強化されています。
現在の170が
車重500キロで85ps、初期のロータスセヴンと同等のスペックです。
(Sr.2コスワースチューンフォード109Eエンジン1340ccを搭載し”スーパーセヴン”と呼ばれるようになったマシンも85hp)
リアサスも初期のロータスセヴンに準じたものとなり、
170Sはまさにロータススーパーセヴンの再来と言えるでしょう。
エリーゼ購入以前は、ずっとセヴン関連のMookを読みふけっていました。
所有できるかどうかわかりませんが、私にとってアガリの一台候補です(足車が不可欠ですが)。
Posted at 2023/02/08 19:32:16 | |
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