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きリぎリすのブログ一覧

2025年09月19日 イイね!

マイナ免許証とパンツの柄

マイナ免許証とパンツの柄

今年から,免許証はマイナンバーカードと一体化できるようになった。
便利そうだが,パチンコ屋に置き忘れたら,財布どころか人生ごと盗まれてしまう。
愛人にさえ明かしていない秘密まで,ギュッと詰まったマイナ免許証。
マジックミラーの試着室で,パンツの柄を店員さんに見られるぐらいの勇気と覚悟が必要だ。

しかし,制度がどう進化しても,免許証で一番の問題はそこじゃない―――写真写りである。

なぜだろう?
前日に散髪に行き,当日はネクタイ姿で挑んでも,出来上がった写真は必ず「オーディションを受けに来た犯人役」の顔になる。
友人に見せると「これ,お前のお父さん?」と言われたことさえある。
いやいや,いくら自分が歳とっても,ここまでひどくならないだろう。

そして運転免許センターでは,今日もそんな顔が量産されている。

写真撮影,視力検査などが終われば,あとは受講するだけだ。
受付のお姉さんは,目から下だけが笑顔で,行列を罪状に応じて各々の講習室へ送り込んでいく。

ゴールド組の講習室からは,軽やかな笑い声と共に,閑談が漏れてくるが…
違反組は「なぜここにいるのか?」と自問自答を繰り返し,笑えない講師の冗談に愛想笑いを浮かべながら,終了時間ばかりを気にしている。
受刑者が,面会に来た両親とガラス越しに座るような居心地の悪さだ。

結局マイナ免許証になっても,便利になるのは制度だけ。
写真写りも違反講習も,何ひとつ改善されていない。
これが政府の推進する行政DX(デジタル・トランスフォーメーション)の限界かもしれないな。

それならば,次こそは必ずゴールドを目指そう!
だが,そう思い続けて何十年も経った。
3年に1回の誓いも,そのうち「高齢者講習」のハガキ1枚で,終止符が打たれる気がしてならない。

Posted at 2025/09/19 12:00:42 | コメント(9) | トラックバック(0) | クルマ
2025年09月16日 イイね!

ペーパームーン

ペーパームーン

ペーパームーンという言葉がある。
よく耳にする言葉だが,今ひとつ意味が分からない。

舞台などで,天井から糸にぶら下がった薄い月を,ペーパームーンという。
どこかの映画会社の本編が始まる前に,三日月に座って釣りをする少年がいるが,あれがそうである。
または直訳に近いが,夜空でなく昼間の青空を背景に,透けた紙のような月を指す場合もあるようだ。

何が本当かよく分からないが,どちらかと言えば私は後者の解釈が好きだ。
その言葉の美しい響きは,むしろその方が合っていると思う。

今朝の月はペーパームーンだった。
季節は二十四節気の白露。七十二候だと玄鳥去や,じきに鴻雁来といったところだ。
すなわち,暦の上では燕が南へ帰って行き,雁が北から飛来し始めるころ。

温暖化とはいえ,朝夕の空気には澄んだ気配がまじり始めた。
もう秋が,そこまで近づいて来ている…

Posted at 2025/09/19 08:15:11 | コメント(8) | トラックバック(0) | 日記
2025年09月10日 イイね!

エンドロール

エンドロール

最終回のエンドロールに,胸が震えた。

この夏,苦境に立たされるフジテレビが放った奥の手は『北の国から』の再放送だった。
フジテレビは,ドル箱コンテンツの投入で,巻き返しを図る。
私は,まんまとその罠に嵌(はま)り…
録り溜めた物語に時を忘れ,次の回,また次の回へと心を奪われていった。

通常エンドロールは,主役を筆頭にキャストから始まり,制作スタッフなどを経て,最後に監督で終わる。
しかし,『北の国から』は,プロデューサー・演出・主役さえも序列を排し,キャスト・スタッフの関係なく,平等に五十音順で流れる。
これは,原作者倉本聰の意向で,「誰一人欠けても作品は成立しない」という思想の表れと言われている。
これが,作中の大自然を相手に,支え合って生きる人々の営みと重なり,目頭が熱くなったのだ。

実は,この国民的ドラマ『北の国から』を観るのは,今回が初めてだった。
このドラマを放映していた当時(1981),私はあえて観ていない。
それは,思春期にありがちな,父親への反発からだった。

父は事あるごとに,ふるさと北海道の美しさや厳しさ,人々の絆や温かさを語っていた。
それはまさに,ドラマの舞台となった富良野のある空知地方での思い出だ。
主人公の父・五郎(田中邦衛)に連れられ,東京から移って来たふたりの兄妹,純(吉岡秀隆)と螢(中嶋朋子)。
私は,彼らのように田舎を知らない戸惑いや,風光明媚な大自然に嫉妬していたのだと思う。
それらがごちゃ混ぜになり,故郷を熱心に語る父にわざと背を向けた。

時は流れ,わだかまりの消えた私は,最後まで見入っていた。
都会では想像すらできない暮らしがあることを,私は知っている。
父から繰り返し聞かされていたからだ。
画面に映る人々の息づかいが,あの頃の父の声と重なり,胸に迫った。

そして最終回のエンドロール。
五十音順に現れては消えていく無数の名前が,父の語っていた故郷の景色を呼び覚ます。
吹雪に耐える家並み,夜空にきらめく星,春を告げる大地の匂い。
すべてが父の思い出とひとつになり,私は涙を抑え切れなかった。

来週は,父の命日だ。
あのとき背を向けていた私が,今ようやく父の言葉に耳を澄まし,遅すぎる返事をしている。
エンドロールに流れる挿入歌は,まるで父への鎮魂歌のように思えた。

ありがとう,父さん。



※タイトル画像は,昨年訪れた花々に抱かれる美瑛。


Posted at 2025/09/10 17:05:04 | コメント(12) | トラックバック(0) | 日記
2025年09月07日 イイね!

タクシーで走る,電池の経済学

タクシーで走る,電池の経済学

朝,出勤しようと,通勤車アバルトのセルを回したら―――沈黙。
見事にバッテリー上がり。

よりによって台風接近中なので,趣味車のオープンカーを緊急出動させたら,出勤ではなく,もはや遭難。
じゃあタクシーで行くか,とスマホを開けば「タクシーGO」はいつまで経っても空車を探している。

アプリをあきらめ,駅前のタクシー乗り場へ行ったら,長蛇の列。
私は「出勤待ちの会社員」ではなく「人気アトラクション待ちの来園者」と化した。
それでも,やっとこ乗車。
しかも皮肉にも「タクシーGO」のラッピング付きタクシー。

だが,置き去りのアバルトを放置しておくわけにもいかない。
そこで,また自宅に戻り,JAFに来てもらって,ジャンプスタート。
そのまんま息を止めるようにエンジンを切らず,ディーラーまで直行。

「バッテリーを替えると,設定を色々やり直さないといけませんので,お預かりします」
ディーラーのメカニックは,爽やかに笑う。
こちらは爽やかどころか,「え?またタクシーで帰えるの?後日またまたタクシーで引き取り?」と頭の中でタクシーメーターが狂ったように回っていた。
計算すると,タクシー代でバッテリーが半分は買えそうな勢いだ(涙)

そういえば,以前にもこの笑顔を見たことがあった。

山奥の美術館でエリーゼに戻ったら,このときはイモビライザーの解除キーが電池切れ。
美術館の受付に尋ねると,「この先にコンビニがあります」と笑顔で案内されたが,山岳救助隊のごとく30分歩いた。
…が,あったのは土産もの屋兼雑貨屋で,ボタン電池はなかった。

また30分かけて戻ると,今度は「クルマで30分先のホームセンターならあります」と,またもや爽やかな笑顔。
仕方なく送迎タクシーで往復。

300円のボタン電池1個を買うのに,タクシー代8千円也。
もはや「電池を買った」のか「タクシーツアーの記念品が電池だった」のか,区別がつかなくなっていた。

クルマの電池って,案外高くつく。
気づけば電池代よりタクシー代の方が主役。
むしろ「タクシーを利用したら,電池がおまけで付いてきた」気分だった。

Posted at 2025/09/07 06:31:16 | コメント(15) | トラックバック(0) | クルマ
2025年09月01日 イイね!

傷つけられ,ふと空を見上げた…

傷つけられ,ふと空を見上げた…

先日,用事を終えてベンツに戻ると,フロントウインドウのモールに謎の傷が―――

やられた!これはひどい,いたずらか?

そりゃ聖人君子でもない私なんて,いつ誰から恨みを買っても不思議じゃない。
それとも「ベンツなんか乗りやがって」と,通りすがりのネタミの鉄拳か?
あるいは,黒いAMGはダース・ベイダー顔だから,悪人御用達みたいで狙いやすいのだろうか?


Darth_Vader.jpg


なにはともあれ,もしも誰かの仕業だとすれば卑怯千万(ひきょうせんばん)。
ジェダイの騎士なら正々堂々と私の目の前で傷をつけてみろ―――と言いたいが,それはそれで困る。
「じゃあ,このライトセーバーで」とも言えないし(汗)

過去には愛車が傷つけられる瞬間を目撃したこともある。

スーパーの駐車場で,隣に停めていたハイルーフのおばちゃんが,車高の低い私のスポーツカーのルーフを堂々と荷物置き場にしていた。
「新機能ルーフトップテーブル」などというオプションは,まだドイツ本国でも発売されていないはずだ。
私は,怒りを通り越して,思わず絶句した。

別の日には,無人の買い物カートが風に押され,私のクルマめがけてゆっくりと直進してきたこともある。
ターゲットを捕えた軌道の正確さは,ほぼミサイル誘導。
私はスローモーションで「やめてくれぇぇぇ…」と叫んだが,カートは吸い寄せられるようにゴツン。
まだ自動運転が試験段階だったころの話である。

こうした苦い経験を踏まえると,今回も「悪気のない犯行」なのかもしれない。
いずれにせよ,修理は必要なので,ディーラーに相談してみたところ―――

「カラスの仕業かもしれませんね」

え?あの黒いカラス?

どうやらカラスというのは,ゴム状の物体を見つけると,くちばしの歯ミガキを始める習性があるらしい。
まさか高級車のモール(ウェザーストリップ)が,カラスのオーラルケア用品にされていたとは!
カラス界のセレブは,今日も優雅に信頼のドイツ製品でデンタルケアに余念がない。



結局,人間の恨みや過失より,自然の中で生きるものたちの営みの方が,ずっと手強い。
カラスに畑を荒らされながら,それでも毎朝畑に立つ農家の人たちの背中が,ふと浮かんだ。
あの人たちは,怒りや落胆を飲み込みながら,空を見上げ,土を耕す。
その姿を思うと,不思議と胸のざわめきが静まり,少しだけ同じ景色を見たような気がした。


karasu.png

<リアルカラス防除模型>

Posted at 2025/09/01 10:28:39 | コメント(18) | トラックバック(0) | クルマ

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きりぎりす(旧GRASSHOPPER)と申します。 ここ10年ほどで,やっと実用性0(ゼロ)のセカンドカーを持てるようになりました。 サルはエクスタシー...
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