
今回、ロードスターのエンジンオイルにはNUTEC ZZ-11を選びました。

粘度表記は0W-20となります。
エンジンオイルの粘度は高い方が油膜が厚く、保護性能が高いと言われています。
よく聞く事ですが、本当にそうでしょうか。
そもそもエンジン内部の"油膜厚さ"とは、どのようにして決まっているのでしょう。
エンジンオイルが潤滑しないといけない箇所は多岐にわたりますが、主にシリンダーとピストン、クランクシャフト、コンロッド、カムシャフトだと思います。
ではオイル粘度が高い方が油膜は厚くなるのか、考えてみたいと思います。

シリンダー・ピストンは、ピストンリング(オイルリング)にて必要分以上は掻き落とされています。
上死点・下死点付近では"境界潤滑状態"になりやすいとは思いますが、そのほかでは機械的な隙間にオイルが介在するのみです。

またクランクシャフトは、決められたメタルのクリアランスによって始動後はオイルに浮いており、コンロッドメタルにおいても機械的な隙間以上にオイルが入る事は無いと思います。

ただカムシャフトにおいては、タペットに押し付けられるとカム表面のオイルが押しのけられ、そこにオイルがどれほど残っているか。
押し付けられる時に極圧の問題が発生し、油膜のみならずFM剤の効きが左右すると思います。
またピストンピンも潤滑されているとはいえ、燃焼時の負荷を考えれば厳しい状況も考えられます。
(高粘度の方が油膜は厚い傾向にあるとは思いますが、箇所は限られる)
(且つ今はローラーフィンガーフォロワーが多いのでタペットを直で押すことは少ないかも)
個人的に大切なのは、油膜保持力です。

いくら高粘度油にしようとも、そのオイルの油膜が保持出来なければ意味はありません。
仮に油膜が厚くとも、いとも簡単に押しのけられてしまえば境界潤滑はすぐそこです。
低粘度油であっても油膜の保持が可能であれば、フリクションロスの低減、レスポンス向上も合わせて可能なのです。
やみくもにスポーツ走行=高粘度ではなく、"適切なオイル選び"が求められます。
現代のエンジンにおいて、40番を超えるような高粘度は限られたスポーツ走行でない限り不要だと思います。
オイル油路が狭くなっていますし、オイルポンプ自体も低粘度油向けの設計になっています。
オイルリターンがスムーズでないと、仮に潤滑が良かったとしてもオイルストレーナ部の吸い上げに遅れが出てしまい元も子もないという事になります。
特にコーナーGが掛かるような場面では、注意が必要です。
保護性能を狙って高粘度にしたのに、オイルリターンが追い付かなければエア吸いが発生しエンジンへのダメージが懸念されます。
個人的にロードスターは0W-20が合っていると思っています。
単純に粘度を上げればいい時代ではないのかなと。
トヨタやホンダの純正オイルなんか、GLV-1 0W-8とかありますし。
(でも、さすがに度が過ぎるので使用用途によりますが)

ちなみにNUTEC ZZ-11は0W-20ですが、
40℃動粘度:46.9cst
100℃動粘度:8.9cst
となっています。

Gulf ARROW GT30は、
40℃動粘度:49.03cst
100℃動粘度:10.40cSt
Gulf ARROW GT20
40℃動粘度:43.43cSt
100℃動粘度:9.13cSt
なのでそこまで変わらないのが本当のところ。
まだまだ知らない事だらけのエンジンオイル、考え方は人それぞれですがアップデートしていけたらと思います。
年度末が仕事で忙しく、オイル交換出来る目処も立っていません(´Д`)

DUCATI 848もそろそろ交換しなきゃだし。

んー、楽しみがイッパイと考える事にします\(;^o^)/
Posted at 2024/04/02 07:40:08 | |
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