さて9/4にディーラー入庫し、9/13にUSへ送ったロールバー油圧シリンダーはOHが終わり、10/17にディーラーへ届けることができた。長いあいだストップしていた作業は再開したが、元々の車検入庫と併せ依頼していた内装補修関連も難航しているようだ。現在10/31時点ではまだSLが戻ってこないが、ディーラーいわく「週内には仕上げる見通し」とのこと。
かれこれ2ヶ月も居座ることになろうとは思ってもみなかったが、つまり週末は出掛けないで家で待機し、作業完了の連絡があり次第すぐ引取りに行き、工場スペースを空ける必要がある。残念だが文化の日11/3~5の週末三連休は、旅行に行けなそうだ。だがようやく仕上がったSLで、日帰りドライブ程度は楽しめるだろう。
ところで10月をどう過ごしたかといえば、ただ待っていても仕方ないのでR230からの乗り替え候補について何となく考え、BMWの220iかベンツC180のカブリオレあたりが現実的な着地点かと絞り込んでみた。どちらもアダプティブクルーズの設定があり、いまの駐車場にラクに入るサイズのオープンカーだ。
正直いって私のR230は、買った値段を考えたら常識はずれな整備修理費用を掛けているが、そうかといって手放すときに元が取れるような金額で買い取ってもらえるとは思っていない。しかし内外の「お掃除」や整備/修理/アップデートなどは、いま私が乗るために必要だから手間とカネをかけている。
カーセンサーやグーネットなど覗いてみるといつも同じ顔ぶれの車ばかりなことに驚く。安いのにいつまでも売れ残っている状況からの想像だが、下取りや業者オークションでかなり安く買い取ってきて、多少なりともお金をかけたのだろう。だから再び業者オークションには流せないのだと思う。だが店頭の実車は恐らく大したコンディションではなく、だから売れもしないまま何年も居座っているのだろう。そんな店頭屋外に長年放置された車両のコンディションなど、だいたい想像がつく。永遠の不良在庫という感じだな。
そんな中古車市況を考えれば私の車も、R230というだけで買い叩かれるだろう。つまりSLの売却金額はあてにしない前提で、もし次に買い替えるとしたら何よりも、まずは手頃な値段の車であること。
そこで週末毎に、買い替え候補を外車レンタカーで借りて旅行にいき、長距離長時間を妻と一緒に走って意見交換もし、しっかり検証してみた。
BMW220iのレンタカーはアダプティブクルーズ無しだったが、それ以外は充分に確認ができた。私はBMWのATスポーツモードの俊敏さが大好きだ。駆け抜ける喜びを存分に味わえる。トランクは天地が浅く奥行きが深い。これは私達には使いにくい形状だ。趣味の道具を運ぶハードケースを入れる際に、並べにくいし取り出しにくかった。かといって荷物をリヤシートに置きっぱなしにするのは、あまり安心できない。外から荷物がまる見えというのは相手が犯罪者でなくとも、つい余計な出来心を誘ってしまうものだ。20年以上に及ぶオープンカー生活で自然と防犯予防意識が身についてしまった。後席のヘッドレストは自分で取り外すことができ、無いほうが見た目はスッキリする。もし自分がこの車を買ったら、あとは後席カバーを兼ねてドラフトストップを装着するだろう。車体はコンパクトで扱いやすいが、4座なだけあってホイールベースは長め。おかげで少し胴長短足スタイルだが、その代わり小さい車のわりに不快なピッチングが少ないのは多分そのおかげだろう。
分厚いズン胴ボディなので、もし私がこの車を買ったらM2イメージのボディキットやカッコいいホイールなど装着して、かなりアグレッシブな外観に仕立てることもできそうだ。一番おとなしい上品なのは純正Mスポーツのキットかな。BMWも分厚いズン胴ボディは気にしていて、なんとかそれをクビレボディに見えるよう視覚的ゴマカシに苦労しているのが分かる。マツダロードスター/SLK/Z4などのオープン2シーターだと前席の後ろに脱いだジャケットやコートなど置くスペースさえなく、またトランクも小さすぎて私の生活スタイルではとても使えない。それらの代わりに、こういった小ぶりな4座オープンを「大人のロードスター」という感じで使いたい。
ベンツC180のほうは代車で馴染みのある普通のCクラスと同じで、ただ屋根をあけるスイッチがついているだけだ。トランクは天地奥行きともに使いやすい形状で、ベンツらしい実用性が確保されている。荷物の置き場所としてリヤシートをあてにする必要はない。すべてのコントロール類はどの時代のベンツにも共通するロジックで構築されており、ベンツに乗り続けてきた人には分かりやすく、使いやすい。後席ヘッドレストは自分で外すのが難しそうだ。横転時のロールバー機能があればディーラーでは取り外すのを嫌がるだろう。どこか社外に頼んで外してもらう必要がありそうだ。これは面倒。
この車もやはり4座なので胴長短足スタイルだが、ベンツはAMGでさえ派手なエアロがないので、外観はあまりいじる余地がなさそうだ。
DTMみたいに過激な社外品のワイドボディキットならあるが、過激すぎて滅茶苦茶に恥ずかしく、とても日常使いとして近所を走り回れない姿になってしまう。このあたりがBMWと違って、いじった途端イッキに「ド」下品になってしまうところが、ベンツは難しい。
ただ問題は、もともとどちらの車も外見が全然わたしの好みではなく、またどちらの車も左ハンドルの設定がないことだ。
実は今のSLを手放して同じR230で左ハンドルへの買い替えもずっと考えてきたのだが、最近やっと内装ベージュ左ハンドルの中古車が現れた。しかし黄ばんだライトカバーやシワ/ヒビの目立つ運転席シートや薄汚れた助手席ほか内装などを見た途端「これを買ったら外装/内装/機関/足回り/オーディオに、また最初から何百万と何ヶ月もの手間暇とお金をかけ、前と同じ業者さんにまた脱着/組付けの同じ面倒も繰り返して・・・」と苦労の道が見えてしまうと正直オエ〜ッ!と激しい吐き気がして、とつぜん正気を取り戻したというか目が覚めたというか、2023年3月購入以来の浮かれたような熱がスーッと冷めた。
自分が好きで選んだ車に、普通に乗ろうと思って「ついうっかり」整備修理に大金をかけてしまったが、R230という車はそこまで執着して買い替えてフルレストアしたって、将来クラシックと呼ばれるほどの値打ちが出る車ではなさそうだ。
「上品でカッコよかった最後のSL」ぐらいの地位は、得られるかもしれないが、私はただ本当に普通のカッコイイ中古車として、調子よくキレイな状態に戻して乗りたいだけだったのに。
今年の3月にR107を手放してからというもの本当は、他に乗りたい車などなかったのだ。だからお金持ちでもないのに狂ったようなお金の使い方をして、恋が芽生えるかと期待したが、そんなことは起こらなかった。
だが、長く付き合えば愛情は湧くだろう。R230は今どきなかなか見かけないほど奥ゆかしさを身上とする、いかにも「良家の」といった風情の最後のSLではある。目つきもヤブニラミだったり下品なツリ目だったり、あるいはカピバラみたいな顔でもないしね。
むろん品質は文句なしに低い。だがそれは「ベンツにしては安っぽい」という意味で、今までが宇宙船みたいなオーバークオリティだっただけ。そういうクルマづくりが唯一の正しい方法と思っていたような自動車メーカーだった。
なにしろ世界で唯一「我が社には自動車を発明した責任がある」と豪語したメーカーだ。自動車の生誕100年を自社の記念キャンペーンとして祝ってしまい、よそのメーカー全部から「なんだあの野郎は!」と怒りをかったが、しかし誰にも文句を言わせなかった。「最善か無か」なんて大袈裟なことを言っても、何となく説得力もあった。単にベンツの行動規範はこうだと言ってるだけなんだが、ヒガミ根性の人からは「ベンツ以外は無」と言ってるように誤解され、そういった物言いも大いに嫌われた。
それが日本で1993年にバブルが弾けきったあと、2008年リーマンショックで北米市場も致命的な世界的不況。R230という車は開発期間中だけでなく2001~2011の全生産期間を通じて、ずっと不況の影響から逃れられなかった。
世界中のリッチマンが元気なくなり、リッチマンしか買わないクルマが他の安物グルマに販売面でボロ負けに負けて、不慣れなコストダウンを一気に推進した結果として品質ガタ落ちになってしまった。
ディーラーや本国にあるスペア新品だって、そんな時代の設計思想とクオリティで生産された部品でしかない。まあベンツだから一度交換したら10年ぐらいはもつと思うけどね。そうこうしているうちに別の所も寿命がくる。
昔のベンツはそういう寿命がきた部品を交換しながら長く乗り続けるクルマだったが、いまのベンツはどうか分からない。昔と同じ感覚で部品寿命だけはやけにハッキリしているが、ただ単に際限なく寿命部品を交換し続けながらだんだん劣化していくだけの、普通のクルマかもしれない。昔のベンツと違って、修理から戻ってきたときのありがたみというか感動が、どうにも薄い。薄っぺらいというか、R107のようなドッシリとした城壁のような安心感が丸っきり存在しない。
古いベンツの凄みと感動を20年以上も味わってきただけに余計、今がこんなにツライと感じるのだろうか。それはもう正直わからない。同じメーカーの車が世代違いで設計思想そのものがこんなに違う/変わってしまったとは思いもよらなかったが、本当にまったく違う価値基準で作られた車。ただ言えるのは、R230に乗り始めてからずっと、こんな感じでいつも自問自答を繰り返すということは、とてもドンピシャ/ベストな買い物だったとは言えない気がする。そう認めるのは耐え難い苦痛だが、事実はそうだ。
しかし、ほかに乗り換えたい車が、まったく存在しない。無理矢理ようやく選んだのが前期型のR230だった。
そう考えたらもう今の私の車よりコンディションのよいR230前期型/内装ベージュ左ハンドルの中古車は出てこないと諦め、買い替えの検討もやめます。気に入らない部分が分かっており、今後も気になりアレコレ手を尽くしてみるだろうが、たぶん理想どおりのものにならないことが分かっている車に、無尽蔵にお金を掛け続けることが趣味だとか生きている証だとは思わない。
無駄なことで資産を減らす=私の人生の残り日数を無駄に削っている、ということだ。
あと2年ぐらいは妻と幸せな生活を心ゆくまで楽しもうと思っているが、調子にのって車なんかに金をかけすぎると、私の旅立つ日がどんどん前倒しになってしまう。もっと気を付けないと。
私はどうも、何に対しても「ついうっかり」で深みにハマリやすいところがあぶない。
トコトン手を掛け甲斐があったR107とは全く異なり、どこまで手を掛けたって恐らく理想のものにならないR230とは、もっとユルく適当に付き合っていかないと。
車を乗り換えたら自分のマインドセットも変えないと、不満ばかり目についてしまう。
違うものを同じモノサシで測っても仕方ない。同じ時計だといっても自動巻きの機械式腕時計と、電池で動かすクオーツ式腕時計を比べられないのと同じ。
まさか21世紀というのはベンツがクオーツ式腕時計みたいな車を作る時代なんだとは思ってもみず、20世紀感覚のまま知らずに買ってしまった。単に、そういうことだ。
現実を直視し理解し、どうしようもなく逆らい難い時代の流れに気付いた途端、一気に老け込んだ気がした。ますます、この世に未練がなくなった。
さて、7月下旬に200万あまり掛けて大規模リニューアル工事をやったので、しばらくは何事も起こらず9月車検を迎えられたらいいなと思っていたが、そうは問屋がおろさなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー明日は車検でディーラー入庫だな~と呑気に、何ひとつ不吉な予兆などなかった平和な日曜日の午後、突然それは起こった。
空模様が怪しい日だったこともあり、その日の予定は全てキャンセルし、首都高湾岸線を飛ばして急いで帰宅。屋根のロックがかからないということは、サイドの窓も最後の1センチぐらい上がらない。風が車内をス~カス~カと景気よく抜けるなか高速道路で家路を辿るあいだの情けない気分といったら、筆舌に尽くしがたい。寒くはなかったが私の心にも同じような風が吹き抜け、冷たくなっていった。
前の太古車R107は屋根が手動だったから、オープンカーとして屋根関係でこういった情けない経験は1度もなかった。
しかし名神高速を走行中に突然オイルポンプの首が折れ、エンジンオイル全量を盛大にぶちまけた瞬間をルームミラーで気付き、路肩に寄せようとギヤをニュートラルにした瞬間また幸運にも目の前に出現したPA入口に惰性で逃れ、そこに車を残して大荷物を抱え、タクシーでPAから最寄りの新幹線駅に着いた途端に入線のアナウンス、切符を買う暇もあらばこそ必死で階段を駆け上がりホームへ駆け下り最終の新幹線にギリギリ滑り込み目的地へ向かうなんてことはあったし、なにもR230だけが特別に情けないというわけではないのだが。
私のような旅行好きが古い車と長く付き合っていると、故障があろうが屋根が閉まらなかろうが、とにかく家まで帰れる=生還率が高い車というのは何よりも大切なことだ。
また翌日ディーラーに入庫予約が取ってあったのも、幸運だった。いまや輸入車の新車販売台数でベンツがVWを抜いてしまって以来いつもサービス工場はキャパオーバーが常態化、なにか急用があってもすぐ入庫できないようなことだってあるのだ。
そして入庫当日は朝から雨。雨雲レーダーをにらみ、東京湾上の雨雲が途切れた30分ほどのあいだにディーラーへ駆け込んだ。車検整備のほかにいくつか予定していた作業と、さらに屋根の修理を依頼して帰る。
代車は前回と同じ、新車おろしのC200だ。距離はあまり伸びていないのに内装は随分汚された感じ。正規ディーラーでさえ最近のベンツユーザは行儀の悪い奴が多くなったし、またディーラーの返却後チェックも甘い。いま日本は全ての企業でヤル気のなさが蔓延しており、もう政治についてワーワー言ったところで何も改善しようがなく、日本は完全に終わってると思う。
せめて、メカニックは真面目に仕事してくれたらいいなと願うが、もしダメでもあまり厳しいことも言えないな。。漏れたオイルは全部、一体成型フロアカーペット下の、フロアパンのくぼみに溜まっていたという。シートをはずしカーペットをめくってオイルを拭き取り、匂いなども特に残らなそうだという報告だった。不幸中の幸い。この一体成型のフロアカーペットは、交換用の新品ベージュが世界中どこにも存在しないのだ。スピーカー工事のときに純正カーペットのロール生地は2mほど取り寄せたが、それも補修程度の量しかない。
嬉しいわけではないが、いつ来るかと不安だったものが現実となったことで、これから交換を進めていけばクルマが再び健康を取り戻していくと思えば、いいキッカケだとは感じた。
しかし、いずれも生産終了部品。また日本にもドイツにも、新品在庫はないという。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんか、えらい明るくアッサリ言ってくれたが。聞き間違えじゃないよな、やっぱり。
エート、・・・・・・・・・・・・・。
油圧系統って密閉回路だから途中の部品ヌキで組み戻せないし、いま内装もバラバラだよね。。
"o(-_-; *) ウゥム ・・・・・・。
え、修理どーすんの?って、なるよね誰でも。
こういうのはホント、途方に暮れる。
そして古い車に乗っていると、いとも簡単にいろいろな場面で何度でも、途方に暮れるような目に遭わされる。部品が高くて買えない直せないという話ではなく、直そうにも必要な部品が「この世に存在してない」という。
どーーしろっつうんだよ?
だがディーラーでは、ここでお手上げ。交換部品がないかぎり、ディーラーではできることがない。リビルド品が容易に入手できるなら手配してもらえることもあるが、今回は全く入手の目処もなく、むしろ私に向かって「どうしましょう?」と問いかけてくるわけだ。
そりゃあ私なんか前のR107から今のR230まで、いくら23年の付き合いだと言っても所詮は中古車の持込み客だから仕方ないが、これが23年前に新車販売した客だったら、一体どう言うつもりだろうか? 新車だって年をとったら同じように部品の寿命がくるんだしね。
「修理できないから、買い替えてください」では、まるでガキの使いだ。営業トークとしてはタイミング的にも内容的にも下の下(ゲのゲ)だから、大人のプライドがあったら口が裂けても言えないセリフだろう。まあ私だって並行車の持込み太古車R107で20年以上も付き合ってくれた間柄だから、これでもまだマシな対応ってことなんだろうな。たぶん。修理できないからと工場からすぐに追い出されなかっただけでも。
正規ディーラー工場のプロがお手上げなのに、私みたいな普通人に一体、何ができる?
どうしましょう?って、なんだよ俺の車を見殺しにすんのかよ!と、うろたえたって全然おかしくないシーンだが、言っても何も解決しないし1ミリも修理は進まない。言われた方だって、無能よばわりされて気分いいはずもないだろう。私は口を閉じて、ここから先は自助努力で部品を何とか調達するしかない。
海外から何か探してくるか、国内で建機ほか油圧シリンダーのオーバーホールができる業者を探し、組み付けできる部品をディーラー工場に渡してあげればよいのだ。
ということで、まずはR107時代に培った海外ネットワークをあたってみるが、世界中どこにも新品在庫はなかった。解体車から取り外しただけのような中古部品ならいくらでも出回っているのだが、私は絶対イヤだ。
私にとってR230は、カタチが太古車R107と違い全然イマ車にみえるのでつい勘違いしてしまうのだが、これでも17年前の中古車だし、そしてまだ買って半年しか経っていない。中古車を初期化する最初の1年なんて、こういうものだ。ここでしっかり手を入れてやれば、しばらく安心して乗れる車になるだろう。たぶん。
これも根拠のない希望的観測だな。工場を出て17年も経てば、全ての部品がいつ寿命が来たっておかしくない。工場を出た瞬間から全ての部品について「用意、ドン!」のストップウォッチが回り始めている。この世に生まれたものは全てが、そうなのだ。
R230との関係については、まだまだ見きわめ中。なにしろ前の太古車R107は22年半ずっと手を入れながら一緒に過ごした。このクルマとは、まだ半年。私の気に入らない部分がたくさんあるのは仕方ない。一応ひと通りお金はかけてみるが、合わないかもなと感じたら、別れるのは早いほうがいい。
足回り一式をディーラー工場で新品全とっかえしたのに、どうも釈然としない。タイヤのミシュランPS4Sが固すぎるせいなのか、何なのか。空気圧を多少どうこうした程度では、とても調整がつかない。あるいは高価だったが新品の純正バネや純正ショックを捨ててビルシュタインやH&Rの社外品に替えなきゃいけないんだろうか。まずはタイヤをどうするか、サイズ変更も視野に入れて考えないといけない。
とにかくクルマの修理整備が終わり、戻ってくる日が待ち遠しい。ようやく気候も少し涼しくなってきたので、せめて短かい秋の気持ちよいオープンドライブを楽しみたいな。
オーディオ工事2のときに「車内インターネット環境にはGoogleChromeが必要!」と考え再び検討したAppCast2については、旅行より前に慶洋エンジニアリングから検証用の貸出サンプルが届いていた。補助電源用ケーブルも入ったコンプリートキットだった。そして旅行にいく前に検証も済ませてしまった。
Ottocast U2-AIR ProのUSB-Cと差し替えて、AppCast2をつなぐ。前回とは違って今度のAppCast2は無事に起動し、iPhone12とのテザリングも難なくクリア。
メーカーに代わって接続検証をやらされているようなものだが、Carrozzeria DMH-SF700とAppCast2とiPhone12は、各機器がまともならアッサリ接続できます。
無事に接続できると、大量のプリインアプリのアイコンがSF700の画面に並んだ。
ほとんどはエンタメ系の動画サービスで、もちろんGoogleChromeもあった。
その大量のアプリアイコンを見た途端に「あ、私はこの殆どを使わないな」と感じた。
しばらくCarPlayでGoogleMapとAppleMusicを使っており、また以前わたしが「好みのコンテンツはChromeのブックマークで管理しており・・・」などと言っていたものについても、個別にDLしてオーディオトラックだけを切り離し、AAC/MP3音源化することにより既にMusicで聞き始めている。
つまり「絶対にSF700でChromeが見れないと困る状況」というのが、存在しないことに気付いたのだった。だいいちワイヤレスのBT接続だからiPhoneのChromeはフリーで使えるわけだし。わざわざOttocastをAppCast2に買い替えて、タッチ反応が鈍く動作がノロいSF700の画面でChromeを使う必要が、いまや全然ない。
一番最初の出会いは重要だなと、改めて思った。オーディオ工事1でAppCastが完調品だったら、Otto-Airに手を出すこともなかったし、殆ど使わないアプリばかりだったとしても、それはそれで疑問なくAppCastで車内インターネット生活を始めて、たまにはドライブインで動画を見たりして、それなりに「見れるようにしといてよかったな」なんて思っていたかもしれない。
だが今はミニマム必要なものはハッキリ分かったので、もうAppCast2はいらない。
私にとって「使わない豊富な機能」というのは、つまり余分な機能。何年かに1回は、あれば助かる場面があるかもしれないが、なくても普通そんなに困らないもの。自分に必要なものは、すでに分かっている。
なので慶洋エンジニアリングには「Carrozzeria DMH-SF700との接続はOK」の結果をお伝えすると共に、自分が想定した使い方が当初とは違ってきたので購入は見送る旨もお伝えし、サンプル機を返送した。
当初お目当てだったAppCast2のBTリモコン(エアマウス)は、使ってみるまでもなかったのが残念だった。AppCast2のリモコンでプレイリストの選択や曲送りなど、いまSF700+Can-Busキットのステアリングリモコン設定でできないことが可能になればと思っていたのだが、CarPlayを起動したときに、Musicを立ち上げて、やってみればよかったな。
先に「あっ、こんなにたくさんのアプリは全然いらない」と即断してしまい、せっかくだからアレコレ探求してみようというモードにならず、さっさと撤去し箱に戻して返送準備しないと、というモードに切り替わってしまった。なにしろ旅行前だったしね。。
長期旅行の予定だったので、持っていったら10日ぐらい借りっぱなしになってしまうし、そうすると順番待ちしている他の人に申し訳ないので。。
それだけが、心残り。もしリモコンが色々できて有能だったら、多彩なアプリのほうではなくリモコンのためにAppCast2という選択肢は、あったかもしれない。
・・・いつか、また検証用の貸出サンプルを借りるかも。
ディーラーでの大規模工事も終わり、気持ち良い状態で旅行に使ってみた。MagSafeは相変わらず、iPhone12を認識したりしなかったり、充電マークが出ている状態でもCarPlayでMapとMusicを使っていると徐々にiPhoneのバッテリーが減ってくる始末。
これでは長時間ドライブには全く役に立たない。
考えられる問題点として、このMagSafe充電器が単に不良品ではないのだろうか。
購入した楽天モバイルに交換依頼すると、Apple製品はAppleサポートが直接対応するから、そちらに問い合わせろという。
Appleサポートに電話してみると、まず最初にシリアルを教えろという。
・・・そんなもん、自動車にガッチリ取り付けられているので今すぐ分からんわい。
イラッ...(_ _)💢
結局、また今度オーディオ手直し工事2でショップ入庫するときに、コンソールをバラしてMagSafeを配線ごと取り外してからの再交渉となる。
・・・何をするにも、メンドイ構成のシステムを組んでしまったな。今度の入庫は9月中旬だから、まだ1ヶ月以上も先の話だ。たった6千円そこらの製品のためにしては手間と時間を取りすぎる。充電が減るのでは利便性など全然ないし、もう捨ててしまおうか。
ちなみに、めんどいAppleサポートの相手なんかせずMagSafeを捨てたくなった経緯について。
旅行の帰りにようやく気付いたが「長時間ドライブなら、車から乗り降りもしないのだから、別に無線じゃなく有線接続でよいのでは?」と考え、Ottocastを外してSF700から引っ張っている給電USBにiPhone12をつないでみた。
するとCarPlayを使いながらすぐ100%までしっかり充電される、快適な状態になった。
・・・なんだ、結局こういうことか。
イライラッ...(_ _)💢
街乗りは短時間で車の乗り降りが多いのでiPhone12のバッテリーの範囲内でCarPlayを無線Ottocast経由で使い、長距離ドライブでは長時間乗り降りしないので有線のCarPlayにするのがシンプルかつ確実な解決法のようだ。Musicの音質も、ほんの僅かだが向上した気がした。気のせいかもしれないレベルなので、本当のことは分からない。
これならMagSafe充電器など必要ないが、まずは不良を疑っているので、まずは一旦不良品として交換し、それでも改善がないようならMagSafe自体がダメな製品と判断し、返品する。役に立たないMagSafeなど捨ててしまってもよいのだが、疑問に決着がつかないままアヤフヤな知識しか蓄積しないのが一番気持ち悪いので、面倒くさいが最後まで突き詰めて、本当のことを知りたい。
・・・と今はそう思っているが、この先1ヶ月の間に気が変わって、何ひとつ役に立ってないMagSafeなんか見るのもイヤになり、いきなりコンソールからひっぺがして投げ捨てるかもしれない。
それほどまでに役に立たず、まったく用のない奴ということが判明したMagSafeだけでなく、いま役に立っているOttocastも立場は危ういが、普段の街乗りでは乗り降りのたびに接続ケーブルをiPhoneに差したり抜いたりするほうが面倒なので、Ottocastのほうはしばらくそのまま使ってみてもいい。こいつにはイライラさせられなかった。
OttoのU2Air-Proはスマートライフの役に立っており、買った甲斐があったといえる。
MagSafeを捨てたあとは、ここにコインストックを復旧してもいいな。地方へ旅行に行くと短い有料道路などで、いまだETC化されていないものが残っているため、小銭を使う場面は意外とあるのだ。
・・・などと、一度は交換すると言ったのに、もう捨てる気分のほうに傾いている。。。
それぐらい、いまはワイヤレス充電器というものが嫌いになってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
<後日追記>
いろいろ多忙な日々を過ごしているうちに返品期限を過ぎたので、捨てました。
もうワイヤレス充電器はコリゴリ。2度と見たくない。
このクルマを購入して4ヶ月のあいだ、少しずつしか乗れなかったが、感じた不具合は全て、20年以上付き合っているディーラーマンと相談しながら、部品については国内在庫あり/ドイツ在庫あり/正規流通に在庫なく私が探す必要があるもの、など部品の手配を手分けしつつ、徹底的な修理整備のリフレッシュ計画を立てていた。
いよいよ実行。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
10日間で、今回もよく面倒をみてもらったと思う。奈良のメーター修理屋さんも修理品が到着したその日のうちに返送してくれたので、ディーラーですぐに付け戻し、液晶に故障コードを出し確認しながらの作業に最小ロスタイムで着手できたのは大きかったと思う。
色々なプロに助けられ、私は今ようやく、本当に幸せになった。
ーーーーー
簡単に言うと、エンジンとミッションについて、オイルやクーラントの漏れ等をシールやホース類の全交換、およびマウント類の全交換。必要に応じ、周辺ショートパーツ類の交換。
足回りはブッシュだけ単品で交換できないアーム類の全交換、前後スプリングとショックの全交換。
インテリアは運転席と助手席の機能面で全体修理、および中古車の汚いシートベルトを全交換。
ATシフトレバーの感触がR107と違い非常に悪かった件は、リンクブッシュやスリーブ類の全交換。センタコンソールリッドのゆるんだダンパー交換や、センタコンソール周辺の動作しないスイッチや配線遊びなど一掃、修理。
内装関連の留め具欠損などによる、ゆるみやガタの一掃、修理。トランクのクロージングサポートやトリム修理。
エアコン関連の点検および整備。
ーーーーー
足回りを新品に全とっかえしたおかげで、購入以来どうもおかしかった挙動や乗り心地が、まともになった。普通はスプリングなど廃車するまで交換しない人も多いが、今回は全てを完全にリセットしたかったので、前後とも交換してもらった。
またシートベルトも、もともと白いベルトなのに汚れた手で触ったりドアに挟んだり、以前のオーナーの汗などを吸ったかシミがあったりとカナリ気持ち悪かったので、純正で新品が出ますと聞いて、喜んで全とっかえしてもらった。
おかげで、これもかなりスッキリした。いま日本中でいちばんキレイなシートベルトが付いたR230だと、自信を持って言い切れる。
ベンツは本当に「お金をかけてでも、いつまでも気持ちよく乗りたい」そういう価値観の人が選ぶべき車だと思う。
「まだアレコレ乗りたい経験したい」という人はベンツに短期間ちょっと乗ったぐらいでは、全然いいところが分からないんじゃないだろうか。長く乗っていると色々な部品が決まった周期で、笑ってしまうほど本当に一斉にパタッと寿命がきて、乗り心地がおかしくなってくる。他メーカーのクルマと一番違うのは、修理や交換したあと本当に車が元通りに戻るところだ。
「車体の剛性が・・・」とシタリ顔で言う人も多いが、もともとベンツのSLは同じ時代の他メーカーのオープンカーに比べたら常に、とんでもなく丈夫なクルマ。それどころか世界中の自動車メーカーの開発目標にされている。
それを「SLはボディ剛性が弱いからガタガタだし内装キシミ音もする」なんて軽々しく言ってる人は、200万ぐらいかけて足回りの全とっかえと内装の完全整備をディーラーでやってもらったらいいと思います。
私が平均毎年100万ほどかけて22年半27.5万キロ乗った太古車のR107は、トータルの走行距離が33万キロを超えていたが、それでも走行7~8万キロ程度の中古国産車よりも遥かにシッカリした丈夫で美しい車だった。
今回は購入してから短期間でここまで初期化するため、ものすごい金額がかかってしまった。買い物記録のほうに積算してみたが、ちょっと馬鹿げた金額かなとも思う。
この車はディーラー整備をされてきたディーラー車だったが、ショボイ整備しか受けていなかったことが分かる中古車だった。それを1回の修理でまともに直そうと思ったらこのぐらいの金額が簡単に吹っ飛んでしまうのは確かに残念ポイント。私だって決して鼻歌気分ではなく請求書の金額を見るたび毎回、これは経費で落とせない一般民が絶対に買ってはいけない車だったなと、思い知らされる。
だが正しい修理に適切なお金さえかけてやれば、確実に喜びを返してくれるのも、また真実。人生の中でも、対価に見合う喜びを返してくれる人やモノって、そう多くありません。他の車はどんな感じだろうとか、そんなつまらない欲や煩悩を抱えたくない人間にとっては最良の選択肢と思う。
しかし私が知っているのは伝説的クオリティ時代のベンツ。いま乗り始めた2000年代の、急激なコストダウンで設計や素材に先天的な持病をたくさん抱えた時代のベンツがどれほど長持ちする機械なのかは全く予想もつかないが、今回いったん完全に初期化ができたと思うので、これからあちこち旅行に出掛け、しっかり走り込んで、SL350との生活を楽しみたい。
この車を購入して約4ヶ月が経ち、ようやく新しい生活が始められそうだ。
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