
高齢者事故が報道されますと、ネットでは、ソッコで「老害運転手は免許証自主返納せよ!」とのコメントで溢れ返っております。
更に免許証更新でも認知症検査が義務化され、高齢者には車社会から厳しい現実を突きつけられている状況となっております。
その免許証自主返納ですが、都会のように電車の路線が隅々まで張り巡らされ、そのついでにバス路線も充実しておりますが、田舎ですとそうはいきません。
まして、昨今の運転手不足から、バスの本数は減る一方で…。
と、そんなところに、面白い記事が有りましたので紹介を致しましょう。
――「高齢者が積極的に運転免許を返納する必要はない」…意外と知られていない"高齢のドライバー"をめぐる現実――
その記事のタイトルです。
まっ、この筆者は、高齢者が運転する事を奨励しているのとは少し違うようです。
要約しますと、高齢者運転への制度の整備は進んでいるので、敢えて高齢者自らが、積極的に返納する必要は無い…という事のようです。
どういう事なのか、詳しく見て見ましょう…。
先ずは、世間での事故報道。
高齢者による、店舗突っ込みなどは優先的に報道されるため、視聴者は「又老害運転手か…」と、印象付けられているわけで…。
しかし、統計的に見ますと、高齢者の事故が特別に多いと言うコトは無いのだそうです。
現実に、筑波大学での2023年10月に発表した報告書に寄りますと、「高齢運転者が事故を起こすリスクは若年者よりも低い」との結果報告が…。
死亡事故に関しては、高齢者自身が運転手としての死亡例は高いモノの、事故そのもののリスクは低く、高齢運転者による衝突相手の死亡例は、若年層の運転手に比べまして差は無いのだそうです。
――つまり、高齢者が自動車を運転することに特段大きな社会的リスクがあるとは言えず、高齢者の免許返納を積極的に推進する理由があるとは言えない――
と、述べられております。
要は、高齢者運転事故をトップ記事として流すコトで、兵庫県知事選で問題になった報道関係に寄る印象操作が行われたように、暗に高齢者の免許証自主返納を促しているとも言えるのでしょうか?
又、別機関による「高齢者への運転寿命延伸プロジェクト」なるモノが紹介されておりました。
以下は、その機関のHPに書かれているモノだそうです。
「単に高齢というのみで運転を中止すると、生活の自立を阻害したり、うつなどの疾病発症のリスクを高め、寿命の短縮にもつながることが多くの研究で確認されています」
「運転を中止した高齢者は、運転を継続していた高齢者と比較して、要介護状態になる危険性が約8倍に上昇する」
「運転をしていた高齢者は運転をしていなかった高齢者に対して、認知症のリスクが約4割減少する」
オイオイ、自主返納と、言っていることが全く逆じゃね!?(笑)
更に、筆者は、免許証の更新期間を短くしたり、実車技能検査を課したり、認知機能試験を課したりの法的な整備も拡充され、敢えて自主返納しなくても…と、免許証更新を客観的に判定するシステムがあるとも記されております。
又、先にも述べましたが、大都市圏の電車社会と、地方都市の車社会を、同一に考えるのは難しいとも述べられております。
電車路線が発達している、東京圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)や大阪圏(京都府、大阪府、兵庫県)では、車の利用率は50%以下と当然低く、逆に、地方の群馬県、福井県、富山県、山梨県、長野県、鳥取県、徳島県など15県は、車利用が70%超えとのこと。
そうして、これらは、庶民の生活にも大きく影響しているとのコト。
飲みに行く事ひとつとっても、電車圏では「今日、飲みに行くか?」と急な提案でも飲み会が成立するのに、車圏では事前の確認が必要で、当然、帰りの足の確保も重要。
更に、街の構造も大きく変化。
電車圏では、当然、電車の駅が中心地で、駅に沿って商店街が賑わうのに対し、車圏では、敢えて狭い駅周辺に行く必要も無く、郊外の広々とした駐車場を持つ複合施設が賑わうと言うコトに…。
これが、今、地方都市の駅周辺活性化を悩ませている実態のようです。
そう、いくら商店街が頑張っても、根本的に駅に必要性を感じない人には、足が向かない訳で…。
となりますと、高齢者にとりましては、買い物難民が増える要因でもあるようです。
実際、免許証を自主返納した高齢者が必要に駆られ、結局無免許で運転して検挙された実例も有りますモンね…。
まっ、いくら事故のリスクは年代を通じて大して変わらないと言いましても、やはり、事故を起こしてからでは「あの時、返しておけば…」と思っても遅い訳で…。
私も、返納を考えたことが無いと言えばウソになりますが、いざ返納となりますと、やはり、躊躇致しますモンね…。
まっ、返納するにしましても、大型二輪だけは残すでしょうが…?(笑)
ブログ一覧 |
話題 | 日記
Posted at
2024/12/18 07:00:13