
交通トラブルに於いて、「弱者優先」と言う言葉が有りますが、基本、車対車の事故の場合、その事故の発生状況に寄り、責任割合が決められます。
ところが、前述の「弱者優先」を理由にした判決は、多くの交通トラブルで見られ、歩行者より自転車、自転車よりバイク、バイクより四輪車と言った具合に、事故の発生状況よりは、事故での弱者保護と言う観点から、弱者救済的な判決に偏りが生じているのが現状のようです。
まっ、それでも、最近は、「だから自転車の事故が減らない」と言う理由からか、自転車への取り締まりも強化されてはいるようです。
このように車の運転手には、理不尽な状況が無くならないのが現状。
そうして、そんな釈然としない判決に異議を唱え、裁判を起こし、遂に無罪を勝ち取ったと言うニュースが有りましたので、紹介を致しましょう。
先ず事故の状況は、こう…。
2021年10月に、福岡県古賀市のとある交差点で起きた、乗用車とバイクの右直事故。
バイクの男性は、怪我で済んだようですが、そもそもの事故の原因は、バイクの信号無視によるモノ。
現場は、片側三車線の交差点で、右折信号は無く、一般的な青→黄→赤と変わるタイプの信号。
そこに、バイクが近づき、停止線手前20mで黄色に…。
他の三車線には車が居て、黄色で速度を落とし、三車線共に車は赤信号で停止。
ところが、バイクは、その車の間をする抜けて、赤信号で交差点内へ…。
当然、今回事故を起こした対向車線の右折車両は、全赤状態で右折を始めたところに、信号無視のバイクが突っ込んで来た事故だったようです。
状況的には、車は明らかな被害者的な立場…なんですが、警察は、当初「バイク側は赤信号」だったと言う証拠が無かった事から、車側の前方不注意で処理をしたようです。
しかし、車側の運転手が、異議を申し立てた事で、警察も再捜査をしたところ、「バイク側は赤信号」だったことを確認。
ところが、警察は、バイク側の赤信号を認識した上で、車の運転手を略式起訴。
更に、裁判所は、罰金30万円の略式命令出したそうです。
当然、車の運転手は納得が行く訳も無く、不服申し立てを行った裁判を開始。
警察の言い分は、下記。
――赤信号でも死角から飛び出してくる車両がないか注意すべきだった――
アイゴー…、隣国の裁判所か?(笑)
まぁ、確かに右折した先の横断歩道とかでの歩行者や、自転車には注意もしますが、まさかすり抜けで信号無視して来るバイクなんて、想定すら無理で注意しようが無いですよね…?
で、この裁判に1年以上を費やした結果、ここで、裁判所は赤信号で停車している車の間をすり抜けした上に信号無視してきた車両には、「注意義務なし」との判定が下され、晴れて無罪判決を受けたようです。
まっ、検察が控訴しなければの話ですが…。
こちらは、高齢運転の賛否が社会問題になった裁判です。
2019年4月に東京池袋で起きた、元高級官僚者の高齢男性が起こした交通死亡事故の裁判です。
この事故では、母子が犠牲になると言う痛ましい事故でした。
しかし、この加害者は、自分の非を認めず、車の欠陥であると最後まで供述した事で、被害者遺族にまで心に大きな傷を負わせた事故でもありました。
更に、今どきのSNSでの誹謗中傷にも拍車が掛かり、こちらでも裁判になった案件が有ったりもし、被害者の意としない大きなニュースにもなりました。
その交通事故に対する、賠償を求めた民事裁判が行われ、1億4600万円と言う賠償が命じられたようです。
しかし、この事故は、多くのSNSで被害者への誹謗中傷が書き込まれ、別の所で炎上している関心事ともなっており、この判決を受けても、ソッコで「殺人予告」が投稿されたとか?
「服役しているこんな年寄りに高額な賠償金を払わせるのか!」等、筋違いのコメも有ったようです…?
てか、この裁判は、その保険会社が、支払いを渋っての裁判なので、加害者は全く関係ないんですけどね
刑事裁判としては、既に禁固5年が決まり、加害者は服役中のようです。
てか、事故は4年前ですから、残り1年程?
2人を死なせている刑にしては、やはり、軽いと思わざるを得ませんよね?
で、この事故でやり玉に挙がった高齢運転ですが、若い方からの声は、厳しいモノが多いようです。
下記は、この報道を受けての読者の声です。
・3年間有効となっているが、75歳も過ぎて、3年間同じ状態でいるわけがない。1年どころか、半年で状態が悪化する。 ので、 75歳以上は、有効期間1年間
・免許更新時は大丈夫だったのに、それから数ヶ月ですっかりボケてしまうことも。私の父もそうでした。いま持病がないとかって関係ないです
・AT限定免許は70歳以上になったら返納とかしないと高齢者による運転ミスはなくならんでしょ。運転できるのは認可された自動ブレーキ装置、MT車どちらかだけにしないと
私自身70歳を越し、非難を浴びる立場ですので、こう言う声を聴きますと、やはり耳が痛いですし、確かに、若い時のように無謀な運転は、やる気力も無いし、怖さも感じ始め、出来ませんしね…。
よって、免許証返納も、いざわが身に降り掛かりますと、事故を起こしたら…等と、考えはしますが、やはり長年の車生活をして来た身では、躊躇はしますよね…。
まして、上のようなコメを見ますと、自分等がその年になった時、果たして有言実行出来るヤツが何人いるのかとの思いも有り、反感意識も沸きますし…。