前回のブログで、各種制約からポルシェを買おうと決めたものの、ポルシェは車種、グレード、オプション等のバリエーションが豊富すぎて複雑で、
選ぶのが超~~~大変
です。
ので、まずは前編で車種を決めるところの考え方を。。。更には車種を決めた後には、オプションが豊富過ぎて、中古で買うとなると何が付いている、何が付いていないをよく比較しないと価格設定が適切か、どちらが価値があるのか、単純に表示価格だけでは全然分からないため、その辺りの選定を後編でダラブ?(ダラダラブログ)したいと思います。
と言うことで、そんなの知ってるよ!と言う詳しい方には釈迦に説法となってしまうので適当に読み飛ばしていただきたいのですが、まずは基本的なこのテーマから。
●911か、ケイマン/ボクスター か。
これはもう、あくまで自分の場合は、と言うことで既に方向性はあったのですが、色々な人の意見を聞いたり、方向性を裏付けるために調べたりしました。

結果、自分にとっては自分の考えていた方向性に違いはないことを再認識しました。

方向性をイメージにするとこう言う感じ。

絵にする意味が余り無い位単純ですが(笑)、つまり、運転の気持ち良さ・楽しさと言う点でとても高い位置にある911に、ケイマン、ボクスターはほとんど匹敵するし、モデルによっては911より上にあること。しかし一方で、今回必須と考えている所有するヨロコビの要素である、「ロマン」及び「昔からの憧れ」成分で、911の方が相当高く、そこはやはりとても良いマシンであっても、まだ20年の歴史のマシンでは及ばないことになります。ちなみにMR-Sだって相当レベル高いんですけどね~~~。十分気持ちよく、楽しいのですが、ホントわずかな差になります。
と言うことで個人的な考え方としては
もう答えは出ており、911。
自分が20年遅く生まれていたら「子供の頃から憧れていたケイマン!」とか答えは違ったかも知れませんが。。。
ちなみにケイマン、ボクスターとまとめて言っていますがこの2車は運転する楽しさを重視するならケイマン、気持ち良さを重視するならボクスター、と考えています。前、澤選手のブログで読んだのはサーキットのタイムも富士で2-3秒、ケイマンの方が速いとか。でも春・秋のオープンでお山を走る爽快感は絶対ボクスターですよね。
そうそう、サーキットを走る自分の中で結構重要なのはサーキットのラップタイム。ケイマン、ボクスターは一定の良いタイムで満足を得るためのコストが911に比べて総じて安い!と考える風潮があると思いますが本当でしょうか。
これを確かめるために、色々な前提があると思うので一括りには言えないことではありますが、
ニュルブルクリンク北コースの歴代ラップタイム表から、大体8分以内の記録からポルシェを選んで比較してみました(同車種の重複?っぽいのは速い記録を残して削除)。
ニュルブルクリンク北コースは基本的に森の中の高速区間が多く、どちらかと言うとある程度パワーがある方がタイムは出やすく、更に路面は余り良くなく、特に高速区間の超高速コーナーのアンジュレーションを躊躇なく踏み切るためには少し固めでよく動く足回りが必要になります。これはニュル北をツーリングワゴンからGT500まで、様々な車種で色々なセッティングを試しながら1000周以上は走ったであろう私の経験からの意見です。
それはグランツーリスモだっちゅーの(爆
背景色が無色(白)は、GT2, GT3, ターボ等のいわゆる役物ポルシェで、パワーがあり、GTなんちゃらは足回りやボディ剛性が強化されているので絶対速いやつ。RSって付いてるのは由緒正しい変態カーで、最近の世代で一番変態な型はGT2RSです。古くは早瀬左近はRSに乗っていて、妹の早瀬ミキはターボに乗っていましたね(・_・)ヾ(~O~;)ソレハマンガ...
これらは最近のものだと大変お高く、予算的に厳しいので除外します。
また、赤背景はスポーツ車種ではないので除いて考え、残る黄色背景色が、速いのか?どうなのか?今回確認したい車種。
※とりあえずこのランキングには718ケイマンGT4が入ってないっすねー。
で、赤背景は除いて考えるといいながらいきなりパナメーラターボ!吊るしでTC2000を5秒で走ってしまうと言う実質スポーツカーぶりからは妥当ではありますが改めてこれは凄いっすね。997後期のターボより上ですと!?まあ997後期のターボ/ターボSはちょっと条件に不利があったことが想像されますが。。。
と言うのと、本題の、確かにケイマンが111位、123位あたりで911勢に食い込んで来ているのは事実ですが、コスパ高いかと言うと、ケイマンの中でもここに食い込んでくるターボのSモデルとGT4の中古は安い911よりよっぽど高いので、個人的には価格相応な感じがします。
ただ価格相応であれば、ロマン成分を求めないならばミッドシップと言うこともあり
RRのマゾヒスティックな快感
に涙が出てしまうタイプの方ならば運転の楽しさ・気持ち良さ的に答えはケイマン・ボクスターになりますね。あっ、ヨダレが出てしまうタイプの方は911かと・・・。あと、チューニングをする想定なら718ケイマン・ボクスターは化けますね。ケイマンSとかでも、ブーストアップ+αで430psとかってメニューもあるのでカレラSをもブチ抜く可能性ありだと思います。
いつの日か、「ポルシェ最後のRR」なんてワードが使われるかも?
ちなみに上の表の、991ターボは高すぎて予算アウトなので、それ以下のラインの上位をピックアップして、少し排気量等の情報を付加してみました。

きっと各997ターボには不利な条件があったのだろう、、、ではありますが、非力でタイムが上回る991シャーシーはすげーな、と思いました。タイヤの進化もあるのかも知れませんが、ストレートは超負けるし、重さもそこまでは変わらないので、かなり良く曲がるのだと思います。
●911ならどの911か。
次にこの問題です。予算や考え方で、人によって全然違うと思いますし、オレの愛車が一番!どんなにボロでも一緒にいられれば幸せ!って人もいるかもしれませんが私の場合、見た目のカッコ良さ、ドライバーズシートに座ったときの内装の良さは所有するヨロコビ成分になることの自覚があるのでまず内外装から。
予算から992以降と空冷は空前絶後の価格高騰で対象外、996はメンテが大変そうなのとお顔がちょっと好みでないため、やはり↑上のラップタイムでも絞り込まれた通り997, 991の比較になります。
■外装
まず外見上の違い。画像は
Openers様他、ネットから拝借。
フロントから見た状態。左が新しい991、右が古い997。

フロントからの違いは判別し辛いものの、何度も見ていると相当違うことに気付きます。991の方が52mmトレッドが広がり、その分ライトが外に出て全幅が変わってないのに広く見え、車高も5mmしか違わないのに低く見えると言うマジック。しかし恐らく普通の人には大して変わらないように見えると思うので、997の方がお値打ちと言うことが出来ます。
一方のリア。上↑の写真位置でそのまま撮ったのか、今度は左が997で右が991になります。

こちらがかなり違います。まずテールランプの位置が高く、細くなりました。
また、上部・車室部分のサイドライン、上下の長さが少し短くなり、リアフェンダーにかけてのラインを997が「なで肩」系の優しいラインとするなら991は真横に伸びる「いかり肩」でメリハリの利いたマッチョなライン。これ、個人的には991ではサイドラインでは大径化するタイヤに対応したホイールハウスの高さを稼ぎつつ、空力的に露骨なディフューザー形状は取らないもののボディー下面のエアを抜きやすくすることとかを意図して排気系の位置を少し高めにしてるんじゃぁ?とか思ったりもします。
もう少し分かりやすくするため、よりラインがハッキリわかるターボモデル(幅が広い)で比較します。
こちらなで肩997(前期)。

全体的にバランス良く張り出して美しいライン。かっこいいながらもなぜかホッとするような優しさも秘めている感じがします。
一方「いかり肩」991(前期)。

ルーフから車室部分をストーンと落ちて、そこからフェンダーアーチに向けて真横に伸びる、997に比べるとポルシェとしての意匠は残しつつ、より今風にマッチョなラインに変化。リアウインドウの両側のボディラインの縦の長さが短いためフェンダーアーチの上辺が高くなり、大径タイヤに対応しているのも分かると思います。
デザイン、どっちがかっこいいか?なんて完全に個人個人の感覚で違うと思いますが、私の場合は997の方がそれこそ930の息吹すら継承するロマンを感じつつも、991の武骨で押し出しの強い今風マッチョラインと、洗練された感じのするテールランプの造形に魅力を感じました。
■内装
一方内装は、996までの普通の乗用車風からするとかなり997で良くなっている

ものの、やはり少し乗用車風。伝統の5連メーターはしっかり継承しつつも、最近のスポーツカーの中にあっては正直あまりスポーティーな印象は受けません。
一方の991。

こちらは、991が出る少し前に発売になったパナメーラの内装デザインを継承しており、センターコンソールが後部シート方面に向けてつながってちょっと囲まれ管のあるスポーツカーっぽくなりました。
また、中央のエアコン吹き出し口の丸みが直線基調になり、996で大きく変わってしまった内装デザインが、993以前の空冷横一文字型に回帰しつつあります(後継機種で、さらに回帰します)。
あと、機能面でサイドブレーキがハンドレバーから電気スイッチ式に変わってしまったため、サイドをきっかけとしたドリフトとかは難しくなりました。
ネガティブな点としては、質感、ゴージャスさと言う点において、60万位するオールレザーインテリアのオプションを選ばないとダッシュボードとかプラスチッキーで1500万とかする車の一般的なレベルに劣ること。
・・・と言う見た目の話でした。運転とはちょっと違うものの、停めた自分の車を外から眺めたり、ドライバーズシートに座ったときのコックピット感、所有するヨロコビではホント大切だと思っています。
しかし運転も大好きな私としては同様に大切なのが中身。997から991になってどう変わっていて、それが自分にとってどうなのか、です。一言で言うと、軽くなって、パワーも上がった、です。と言うと私的にはもう・・・?とは言え、一応軽く比べてみます。
■動力系
動力系は997の後期で大きな変化があり、車の世代としては991で大きな変化をしていますが実はエンジン自体はマイナーチェンジ程度で馬力が多少上がった程度になります。
カレラ:345ps → 350ps
カレラS:385ps → 400ps
ターボ:500ps → 520ps
■車体
991ではこれまでにないディメンジョンの大幅変更をしてきました。
・ホイールベース100mm延長&フロントトレッド50mm拡幅
→正直、コレがニュルのラップタイムにかなり効いてると思います。長年守って来たRRらしい挙動をするディメンジョンを、一気に大幅に安定方向に。
・安全部材を強化しつつ、40kgの軽量化・・・中の人のダイエットサポート?
・前輪切れ角アップによる
ドリフトアングル回転半径向上
・電動パワステ
・MT車に7速MTを採用

7MTは他にシボレーやアストンマーティン位しか採用してないっすよね。
■空力
・可変リアスポの大型化
ちなみにサンルーフ開けてる・開けてないでリアスポの角度を最適に調整したりします。芸が細かい!
■電子制御
電子制御系はオプションのものも多いため、適用するかどうかは考え方次第。新型NSXとかは各レーサーの試乗で酷評されていましたが、ポルシェは比較的好評でどうか・・・。
以下、997時代からあった、例えばショックの減衰力可変システム(PASM)等を除き、991から導入された、ちょっと気になる電子制御(オプション含む&一部は997GT3でも導入されてたかも)。
・電子制御スタビライザー
スタビは「売ってる中で一番太いのね」とか注文する時代ではなく、と言うかタダの棒ではなく、中央にモーターを仕込み、ロールを感知してコンピューター制御でひねってロールを抑制する方式に。そんなとこにモーター入れて大丈夫なの??と思いますがこのモーター、タダの棒では対応できない強い入力に対してもより水平を保とうとしてくれるらしい。マジ?
・ダイナミックエンジンマウント
エンジンマウントは固くして乗り心地の悪さに走り屋として酔いしれながら乗っていたらホントに振動で酔ってしまうものではなく、マウントに磁力で固さが変化する液体を注入し、ドライビングスタイルを検知してハードに攻めているときは固くして、優しい運転のときと路面状況が悪いときは検知して柔らかくしてくれる。
・トルクベクタリング
LSDなんて内側掻いたら直結してくれればオケ!ではなく、左右輪のトルク配分を変え、外側を回して旋回性を高めたり、安定方向に振ったりしてくれる。高速コーナー進入を検知すると、イン側の後輪に軽くブレーキをかけてノーズをクイッと入れてくれる。マツダだとGVCとか呼ばれるヤツですね。
・・・と言うことで例によってやたら冗長でめっちゃ長くなりましたが、997vs991対決、どちらにすべきか。。。グレードで言うと、予算も踏まえて997前期ターボか、991前期カレラSか。
で、結論としては
991カレラS
にすることに。
一番判断難しかったのが、上に記載した、
「ホイールベース100mm延長&フロントトレッド50mm拡幅
→
長年守って来たRRらしい挙動をするディメンジョンを、一気に大幅に安定方向に。」
って言う点の考え方。
今40歳位だったら、多分997ターボにしていたと思います。やっぱポルシェの中でもターボだけはスーパーカーだし、早瀬ミキが乗ってたし、夜な夜な湾岸に出没して「ブラックバード」と呼ばれてたし、ロマン成分激高。運転難しくても、タイムが出なくても、991に進化してしまう前の911らしい糸の上のコーナーリング?を最後の997で経験しておくべき。
でも私には後がない可能性があり、最悪最後のスポーツカーになったとしても、最後にRRを経験して(他の駆動方式は全部所有した&ターボは4WD)、カーライフを閉じたい。
また、どれを選んでも結局パワーアップのためのチューニングは色々すると思うので、NAならば初めから少しパワーがあるカレラS、と言うことにしたのでした。
前期・後期については、991は後期から3Lターボ。多分パワーアップがしやすく中の人の進化が止まってもタイムが伸ばしやすいと思います。。。が、前期は恐らく最後の3.8L NA。役物程ではないにしても、鋭く吹け上がるNA6気筒。著名人のコメントも、やはりNAの方が音がいいと言う意見が多く、NA6発を堪能したいと思います。
(最後の中古車選定に続きます、、多分)