
デジスパイス4を使っていて、例えばTC2000のようにセクタータイムが公式計時で測られるコースでよくありがちな不思議な現象。
一周のLAPタイムは公式計時とデジスパイス4で1/100の桁が少しずれるかどうか、ほぼ正確なのに対し、セクタータイムは結構ずれる!と言うことがありませんか?
セクター位置が少しおかしいのかな?とセクター編集機能を使って修正しても、他のセクターがより合わなくなったり、結構合ったか?みたいに思っても別の日のログだとまた全然ずれる!!
そこで一言、
デジスパイスのコースに設定されているセクター位置は正確であり、修正しても意味がありません!!
「修正した位置が正しく次も使える」わけではないと言う意味になります。その理由を以下に説明します。
1周のLAPタイムは正確なのに、なぜセクタータイムがずれるのか、以下はデジスパイス(株)に問い合わせ、技術者のS様より回答いただき、ブログへの掲載許可もいただいた内容になります。S様、大変親切ご丁寧に回答いただきありがとうございました。
歴史ある計測器なので、とっくに認識している方も多く釈迦に説法とは思いますが、私はネットの検索でデジスパのセクタータイムがずれる理由を簡単には見つけられなかったので、最近使い始め、同じ気づきから必死にセクター位置を修正して合わせようとしている方が同じく無駄な時間を使わずに済むよう、一応ブログ記事として共有しておきます。
まずは先に理由をめちゃくちゃ端的に言ってしまいます。セクタータイムがずれる理由は、
計測毎にセクターの長さが変わるから
です。
・・・ほー、そうなんだー、なるほどね。と思われる方は、このブログは以上になります。
え、どゆこと?なんで?と思われる方は、S様によるもう少し詳細な以下の説明をお読みください。また、読んでいただければ「シフト現象」によりセクタータイムがずれることは必然であり、セクター位置を修正することに意味がないことが分かると思います。
------------------説明開始----------------
GPSの測位には誤差があり軌跡のシフト現象が発生します。(軌跡全体がずれる現象)
シフトは、おおよそ半径1.5mの円の範囲内をゆっくりですが常に移動している感じで発生します。
デジスパイスが3から4になり測位精度は格段に向上しましたがシフト現象がなくなったわけではありません。
これに対しコントロールラインやセクターゲートの設定位置は固定です。
コントロールラインからコントロールラインまでの一周の軌跡で見るとシフトが起きたとしてもその距離はほぼ同じです。
ところがコントロールラインから1つ目のセクターゲートまで、1つ目のセクターゲートから次のセクターゲートまでと分割してみると正しい軌跡に対しシフトした軌跡の距離は短くなったり長くなったりします。(添付の図を参照してください)
どこかのセクターが短ければ、別のセクターが長くなり一周でみるとつじつまは合うことになりますが。
これがトランスポンダーのタイムに対して、デジスパイスのラップタイムはほぼ変わらないのにセクタタイムに差が出る要因です。
また、1台の車両に複数のトランスポンダーを搭載して計測してもラップタイムやセクタータイムが全く同じになることはありませんのでそこもご理解いただければと思います。
------------------説明終了----------------
そして、上記の説明で「添付の図」と書いてあるのが以下の図になります。S様、記載ありがとうございました。

こちらはTC2000のイメージで、実際のセクター1のゲート位置は違いますが、説明を理解しやすくするためあえて1ヘア前として記載してくれています。
シフト現象により、その時の車両移動軌跡は、本当は水色のラインですが、GPS計測によるシフト現象によりピンク色として認識、しかしコントロールラインもセクターゲート位置は正しく座標で定義されておりずれないため、この計測時点のセクター距離はピンク、と短くなることになります。
以上、セクター位置は正しく、修正しても意味が無いことの説明でした。
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Posted at
2023/12/04 00:06:43