
車の名義変更。
ディーラーにお願いしなきゃ、って思いました?
・車の持ち主
所有権留保の解除、と聞いてなんだか晴れ晴れしい気分になってしまうのが悔しい?ですが、ついにラングラーちゃんにもその時が。
ラングラーちゃんは5年残価設定型ローンで購入していたのですが、そろそろ5年。
最終回のお支払いの時期です。
たまたまタイミングが合ったので、3ヶ月だけ早めて繰り上げ返済しました。
残価設定型ローンで車を購入した場合、車の所有者、いわゆる"名義"はローン会社になっていることが多いと思います。
ローンを完済したらようやく晴れて自分のモノになるわけですが、車検証には所有者欄がなく、備考欄に所有者情報としてローン会社の名前が載っています。
これを自分に変更する必要があるわけです。
まぁ、この場合はほぼディーラーにお任せするのが一般的でしょうが、興味があったので自分でやってみることにしました。
・どんな手続が必要か
車の売買や譲渡で車の持ち主が変わる場合、移転登録、いわゆる"名義変更"を行いますが、ローンを完済して、所有者をローン会社から自分に変更する場合は、「所有権留保の解除」と言います。
残価設定型ローンで購入した自動車は、ローンを完済するまで車両の所有権を留保し、ローンを完済するまでは所有者はローン会社、購入者は「使用者」として車を使用する権利を得ているわけです。
ローンを完済したあとは、車の所有者となるため、車検証の書き換えが必要で、この場合の運輸支局での登録申請を「移転登録」といいます。
さて、この所有権留保の解除及び移転登録には、どんな手続が必要なのでしょうか。
一番単純なパターンで、車の所有者となるだけでその他一切の変更がない場合は、割と簡単な手続きで終わります。
まず、ローンを完済すると、ローン会社から車両の譲渡に関する案内が来ます。
ここでローン会社から「譲渡証明書」、「ローン会社の印鑑証明」、「ローン会社の委任状」を入手します。
今回私の場合は、繰上一括返済を申し出たので、振込が確認でき次第これらの書類を送ってもらう手続きがとれ、代金を振込んで数日でいきなりこれらの書類が送られてきました。
ローン会社によっては、完済後これらの書類を改めて請求する書面を送る必要があるところもあるようです。
この書類の中で大事なのが、「譲渡証明書」。
車という財産を譲渡するための書類なのですから、それはそれは大事な書類だというのはわかるのですが、法律に基づいて再発行は不可能なようです。怖っ。
これらの書類に記入を済ませ用意ができたら、自分の印鑑証明と実印を持って管轄の運輸支局に出向き、移転登録申請をして、車検証を新しく発行してもらいます。
とまぁ簡単に書きますが、実際にやろうと思ったら、運輸支局も市町村役所も平日しかやってないので、平日にこの2ヶ所に行く時間が必要です。
さらに私の場合、引っ越しで住所が変わっていましたので、「使用者の住所」も変更となります。
移転登録の際に使用の本拠が変更になる場合、保管場所証明(いわゆる“車庫証明”)を取得する必要があります。
また、住所の変更を証明する書類として、前住所と現住所が同時に載っている住民票などの書類が必要です。
だんだんややこしくなってきました。
この保管場所証明もなかなかにクセモノで、車を買ったときにディーラーから、「この書類書いといてね」シリーズのなかにあるのですが、自分で取得しようと思うとなかなかにめんどくさい。
「自動車保管場所証明申請書」、「保管場所標章交付申請書」、「保管場所承諾証明書」、「保管場所の所在図、配置図」を作成して、警察署に出向いて手数料を払い申請します。通常、発行までに1週間程度かかるので、もう一度警察署に出向いて受け取りをします。
保管場所としてアパートの駐車場や契約駐車場を申請する場合、大家さんや管理会社の承諾や書類、契約書の写しを添付するなど、さらにややこしくなります。
そりゃディーラーにお願いするわ。
というめんどくささ。
さて、私の場合で整理すると。
(1)ローン会社から譲渡に関する書類を受け取り記入する
(2)保管場所証明に関する書類を作成する
(3)保管場所とする土地の所有者に保管場所使用承諾証明書を用意してもらう
(4)警察署に行って保管場所証明の申請する
(5)約1週間後もう一度警察署に行って保管場所証明書と保管場所標章を受け取る
(6)市町村役所に印鑑証明、住民票をとりにいく
(7)運輸支局に行って移転登録を行う
平日に、市町村役所、警察署(2回)、運輸支局へ出向く必要があり、仕事中にちょっと抜けて行ける人はいいですが、普通は休みをとらないと無理でしょう。
どうやろうかと休みの計画を練っているとき、偶然にもワンストップサービス(OSS)なるものを知りました。
・自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)
自動車保有関係手続のワンストップサービス
なんと、電子申請ができるようです。
もちろん個人での申請も想定されており、代行費用が節約できますよ、などと謳われています。
しかもこのワンストップサービスを使うと、車庫証明の手続きと、移転登録が同時にできる上、マイナンバーカードを使用して電子署名することで、印鑑登録や実印が不要になります。
個人的に感じたメリットとしては、
・自宅から申請できる
・24時間365日申請できる
・手数料の電子納付ができる
・保管場所の手続きが組み込まれているため、保管場所証明書の発行を待つ必要がない
・勝手のわからない運輸支局での手続きが自宅でできる
といったところです。
自分の仕事上この手のお役所系電子申請はなんとなく感覚がつかめ、さらに興味が湧いたのでOSSを使用して手続きしてみることにしました。
ただし、いいことばかりではありません。
譲渡証明書や委任状が電子ファイルではなくて紙媒体の場合、申請開始時に結局運輸支局に出向いて書類を提出し、申請が完了次第再度運輸支局に出向いて車検証を受け取る必要があること、また、申請が完了時に警察署に出向いて保管場所標章を受けとる必要があることです。
ワンストップサービスとは言いますが、結局は何度か運輸支局や警察署に出向く必要があるようです。
現状ではほとんどの場合、譲渡証明書は紙媒体で送られてくるようなので。
・手続きを開始する
実際に手続きを初めてみて、やはりOSSを使用してよかったと思いました。
OSSを知ったのが所有権留保解除の手続きを始めようとしていた直前だったので、紙媒体での手続方法はあらかた調べてありました。
特に、運輸支局で必要なOCRシートは、書き方が独特な上、見慣れない書類なので苦手意識が芽生えていました。
ところが、OSSで申請を初めてみると、入力フォームに情報を入れていく形なので、明らかに間違ったことを書いたり選択したりするとエラーになるため、わかりやすかったです。
この界隈一連の特徴的な言い回しは少し調べたりしましたが、なんとかなりました。
OSSには申請ガイドも用意されているので、そのあたりをしっかり参照すれば自分でもできます。
なにしろ、明らかに業界オーラむんむんの運輸支局であたふたしながら書類を作成しなくても、自宅で落ち着いて申請できるのは大きいです。
一通り申請内容を入力し、マイナンバーカードで電子署名をして送信します。
今回は譲渡証明書、旧所有者の印鑑証明書、委任状が紙媒体であったため、その旨を申請中に入力しているのですが、申請の送信時に、それらの書類を運輸支局まで提出する旨の案内が出てきます。
運輸支局に行ってみました。
・運輸支局で書類の提出
私の管轄の運輸支局は、岐阜運輸支局。
11:45~13:00まではお昼休みです。
13時少し前に運輸支局に到着しました。
すでに中に人がいたので、入っていってみると、待合ではたくさんの業界人が申請の開始を待っています。
基本的には番号札を取って物事をすすめるようです。
紙申請の場合、登録窓口にある発券機のボタンを押すと、2枚の番号札が出てきて、1枚は自分の控え、もう1枚は完成した書類に添付して専用のボックスに投函するルールになっていることがわかりました。
さて、ワンストップサービスの場合はどうやって書類を提出するのでしょうか。
わからなかったので、1番の相談コーナーに行ってみました。
個人の方と思われる方が数名相談コーナーで待っていたので、自分も相談コーナーの番号札を取って待ちます。
13時になりました。午後からの申請受付が始まる旨の館内放送が流れ、相談コーナーも次々と相談が進んでいきます。
自分の番になったので、相談コーナーへ。
相談コーナーの方はとても丁寧に案内してくださり、それまで業界オーラに圧倒されていた自分が少し落ち着きました。
えるまー「ワンストップサービスを利用して申請をしたのですが、受付審査の書類提出は、どのように行えばよろしいでしょうか?」
相談員「まずその書類見せていただけますか?」
ここで、OSSで申請したときに、持参する書類として案内が出ていた下記の書類を見せました。
・譲渡証明書(記入済み)
・ローン会社の印鑑証明
・委任状(記入済み)
・自分の住民票
相談員「車検証はお持ちですか?」
えっ。車検証、この段階でいるの?
案内には出ておらず。持ってきていません。
ラングラーとは違う車で来ていたため、車にもありません。
え「今日は持ってないです。必要なのですか?」
相談員「車検証は必ず必要です。他に、ご自身の印鑑証明、実印が必要ですがお持ちですか?」
え「今日は持っていないです。ワンストップサービスの案内では出てこなかったので。それに、ワンストップサービスで電子署名をしているから実印は不要なのではないですか?」
相談員「え? あ、オーエスエス? オーエスエスで申請されたんですか?」
え「はい、そうです。」
相談員「あー! オーエスエスね、少々お待ち下さい。その書類もらえますか? ついでにその番号札も。」
(勘違いして、登録窓口の番号札を先に取ってしまっていたのだ)
相談員さんは、番号札と書類をどこかに持っていきました。
相談員さんがしれっと戻ってきて、次の番号の方を呼びました。
......私はどうすれば?
次の番号札の人が現れなかったので、窓口に行って、
え「待ってれば、さきほどの番号で呼ばれるんでしょうか?」
相談員「ええ、呼ばれますからお待ち下さい。」
......うまいこといったな...;;
しばらく待っていると、ワンストップサービスから、申請が次のステップに進んだから確認するようにとのメールが届きました。
確認すると受付審査が通ったので、車庫証明の手続きが始まったため、手数料を納付するようにとの案内です。
受付審査とは、ワンストップサービスの第一段階。
受付審査を始めるために、運輸支局に上記の紙書類を持ち込む必要があるわけです。
程なくして、大声で呼ばれました。
紙申請の方々は、呼び出しシステムを使って自動音声で呼ばれているので驚きました。
「258番の"えるまー"さーん!!」
OSS用の窓口などないので、空いている適当な窓口に呼ばれました。
職員「はい、受付審査用の書類は受け取りましたのでこれでおっけーです。ただ、個人でOSS申請される方はほぼみえないので、次の手続きがどうなるかこちらではわからないです...」
......運輸支局の職員でわからないってどういうこと;;;
でも大丈夫。OSSには、申請のフローや次どうするかがちゃんと出てくるようになっています。
え「わかりました。オンラインで次のステップが確認できるようになっているから大丈夫だと思います。先程手数料納付の案内が来ました。」
職員「ならよかったです。手数料を納付していただくと、手続きが進むと思います。」
え「現車検証は、最後に新しい車検証を受け取りに来るときに持参すればよろしいでしょうか?」
職員「ええ、最後に車検証の受け取りに来るときにお持ちください。交換するような形になります。」
ということで、陸運支局での書類提出は無事終了のようです。
駐車場に戻って一息つきながら、携帯で保管場所証明手続きの手数料を電子納付しました。
申請初日はここまで。
保管場所証明手続きの手数料納付のステータスが「済」になったところで、その日のうちはそれ以上ステータスが進むことはありませんでした。
前半はここまで。
なんとか申請を始めることができました。
無事車検証の変更までたどり着けるでしょうか。