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イイね!
2010年10月21日

正しいコーナリングテクニックって?(第五弾)

前回投稿は今後のシリーズ投稿を読むための準備でした。
まだの方は最低限これだけは読んで覚えてください
面倒ならこの先は読まない方が良いです。もっとヘビーですから(爆)

さて、ここから先は私なりに考えたクルマの乗りこなし方です。
素人ですから間違ったことも言うと思いますが、その際は是非博愛の精神でご教示くださいm(._.)m

今日のお題目は「アンダーステアが強いクルマの乗りこなし方」です。

正直こういう風にまじめに考えるまでは「アンダーステアはハンドルを切った方向に切った分だけクルマが曲がらない状態」というザックリしたイメージしか持っていませんでした。アンダーが出るのはクルマが上手く曲げられていない証拠ですが、テクニックの問題だけじゃなく実際問題アンダーが出やすいクルマと出にくいクルマがありますよね。先日説明した図に当てはめ、アンダー傾向の強いクルマとは?何故それは起こるのか?を考えれば自ずと適した走らせ方も導き出されると思っています。

しかし本題に入る前に話の軸を決める必要があります。第四弾で考えた通り、クルマはスピード域が高くなればなるほど減速に要する時間と加速に要する時間の差が大きくなり、その傾向はエンジンが非力になればなるほど顕著になる筈です。ならばラップタイム(=平均速度)を考える場合、低速コーナーで失速することよりも高速コーナーで失速することの方がはるかに痛いですよね。そしてその傾向はエンジンのトルクが細くなればなるほど大きくなる筈。従って私はベストな走行ラインというのはエンジンが発生できるトルクやコーナーのRやコースの勾配で変わるものと考えています。そこまで踏み込むと話が無限大に広がってしまうので最適ラインの話はまた別の編に取って置き、今日は車重・トルクといった条件は全く同じと仮定した上で、アンダーステアが出やすいクルマとそうでないクルマと比較し、乗りこなす為の留意点について考えたいと思います。

私なりの解釈では「アンダーが出やすいクルマ」とは何らかの理由(重量バランス・タイヤの前後バランス・アライメント等々)でもともとフロントタイヤの摩擦力がリアタイヤの摩擦力を下回っているクルマです。図でニュートラルステア(言葉あってるのか???)のクルマと比較するとこんな感じになります。

この2台を例の図のC区間(コーナー中一定速度で旋回する区間)の状態で比較すると下のようになります。
アンダー傾向のクルマはフロントの摩擦力がネックとなり自然とリアタイヤのキャパを余す形になります。その状態のままアクセルを踏み足すと(或いは舵を切り足すと)フロントタイヤだけがキャパを超え、結果クルマは真っ直ぐ進もうとします。これがクルマの特性に基づく“アンダーステア”です。

他にはコースの勾配で生まれるアンダーステアもあります。上り勾配ではクルマは自然と後ろ加重になりますから、フロントタイヤの摩擦円が小さくなり同じ状況が発生します。アンダーへの対処方法はどんなクルマに乗っていても他人事ではないということですね(笑)

ところでテレビでレースを見ていると「高速コーナーでオーバーが出る」なんて話をよく聞きますが、速度によって変わるのは下のような理由だと思います。逆のケースもあるようですがそれはおそらくキャンバー角やダウンフォースといった、ここで考慮していない要素がより大きな影響を与えているのだと思います。

さて次の図を眺める限り、アンダーステア傾向のクルマの弱点はコーナリングの最中にリアタイヤのキャパを活かし切れないこと。つまり同じ重量で4輪全ての有効摩擦を使い切っているクルマに比べC区間でのコーナリングスピードが劣ること。それとクルマがしっかりコーナー出口方向を向くまではアクセルを踏んでいけないことだと思います。

実は今までのJ’sロドスタは超ドアンダーの設定でした。コーナリングスピードが落ちるにも関わらずそういうセッティングにする理由は何か?それは「安定性」です。オーバースピードでコーナリングしても余計なヨー(最悪スピン)が発生しないですし、コーナー出口ではアクセルを踏み込むだけでヨーを収束できます。実際は世の中のほぼ全ての市販車が安全性の観点から弱アンダーの特性を狙って設計されている筈です。



以上の考察が正しいとすれば、アンダーが出やすいクルマを乗りこなすには基本的にコーナリングスピードで勝負してはならず、いかに上手くヨーを作り出してクルマの向きを早い段階でコーナー出口に向けてあげるかが肝になります。具体的には...

①最も初歩的な方法として、ボトムスピードを十分落とす。これは低速コーナーではラップタイム的にもそれほど痛くない筈です。高速コーナーでは避けたいですが

②もう少し上を望むならコーナリング中に細かなアクセルオフ又は柔らかいブレーキで意図的に弱い前加重を発生させフロントの摩擦円を大きくする(いわゆるセナ足や左足ブレーキ)

③短いコーナーなら進入のブレーキ区間で意図的にリアをスライドさせ可能な限りクルマの向きを変えてしまう(但しこれにはそれなりの進入速度が必要)

④だらだらした長いコーナーは2区間に切り分けて途中で舵角を緩めてブレーキを入れる箇所を作る


といった感じでしょうか。何れのテクも制動方向の話であり、失敗すると惨めな結果が待っています。制動方向の話ということは、要するにコーナーの前半で殆どの勝負が決まってしまいまうということです。よくデータロガーでプロの運転と自分の運転を比べ「アクセルを開けるタイミングが遅い」と悩む人がいますが、だからと言ってアクセルを早く踏めば良いわけではなく、正解は「アクセルを開けられる状態にもっていくのが遅い(クルマの向きが変わっていない)」ということだと思います。
因みにですが上で言った走らせ方は私の愛車ケイマン(コーナリングマシン♪)にはあまり合わない走らせ方です。でも、以上の理由でアンダーステアが出やすいクルマに乗るなら、最大半径の正円を描くコーナリング(C区間を最も長く取る走り方)に拘るのはナンセンスだ思うのです。いかがでしょうか?

今日のポイント:
☆アンダー傾向のクルマはコーナリングの最中にリアタイヤのキャパを活かし切れない
☆アンダーは速度域が低いコーナーでより顕著に出る
☆コーナリングスピードよりも、いかに上手くヨーを発生させてクルマの向きを早い段階でコーナー出口に向けてあげるかが肝


長々お付き合いいただきありがとうございました。第五弾は以上です。

下書きが底をついたのでこれから先はだいたい週一ペースにしようと思います。
次回のお題目は「オーバーステア・ドリフト・スピン」です。


参考:
第一弾(最大の正円を描くラインに対する疑問)
第二弾(トレールブレーキに対する疑問)
第三弾(タイヤが発揮できる運動性能)
第四弾(クルマが発生できる運動(Gとヨー))
ブログ一覧 | サーキット | クルマ
Posted at 2010/10/21 22:49:08

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この記事へのコメント

2010年10月21日 23:42
>J’sロドスタは超ドアンダーの設定
というと、ボクはドアンダーのクルマに慣れてないってこと・・・なのかしら?

言われてみれば、あんまり『曲がらないクルマ』って・・・My人生史上、セレクトしたことない気が。(^^;)
コメントへの返答
2010年10月24日 7:12
慣れというより、ドアンダーに合った車の姿勢作りとラインを覚えれば良いだけの話だと思います。
レース前はムリそうだけど、是非例の場所行きましょう!(謎)
2010年10月21日 23:50
カートはやはりタイヤによって変わってくる部分が多いですね。
自分はアンダーのときは強くブレーキを踏み、リアステアにより頼るようにし、オーバーのときはブレーキを残すよう使い分けしています。
コメントへの返答
2010年10月24日 7:15
そうそう。こうして考えてみるとタイヤによって随分変わるのがよくわかります。

>アンダーのときは強くブレーキを踏み
>オーバーのときはブレーキを残す
なるほど~カートのアンダーは苦手です...次回に参考にさせてもらいますね!
2010年10月22日 0:15
勉強になります♪みなさんもおっしゃってますが、本が書けそうな勢いですね!さすがはイメトレのMizpeaさんです!w

アンダーが出るもう一つのパターンとしては長い直線からのブレーキングで、フロントのグリップを縦方向で使い切ってしまって、横方向のグリップが残っていない場合ですね。FSWで言うと1コーナー突っ込みすぎて曲がれないパターンとかw。フロントに荷重を乗せないとクルマは曲がってくれませんが、乗せすぎても曲がらない。路面状況やタイヤのグリップ力によって、リアルタイムに状況判断しながら速く走らせるのって、本当に難しいですよね。
コメントへの返答
2010年10月24日 7:28
ありがとうございます。イメージで理解したいのでどうしてもこういうスタイルになってしまいます(笑)

そうですね。実は強いブレーキング時のステア操作で発生するアンダーについて触れようかどうしようか迷いました。結局触れなかったのはいわゆる「突っ込みすぎ」というのはアンダーやオーバーに関係なく単純な失敗ですし、タイヤのグリップに対する過信から起こるものですよね。だからテクニックではなくドライバーの感覚の問題と判断したのです。

>リアルタイムに状況判断しながら速く走らせるのって、本当に難しい
だから楽しいのでしょうね!
2010年10月22日 2:36
はじめまして。
思わず「イイね!」付けちゃいました♪
なんとなく解っている理屈ではあるんですが他人に説明するのって難しいですよね(^^;
私もカート乗りなので、カートやフォーミュラのような軽くて機動力&制動力がある車だと“オーバースピード=即アンダー”で失速の原因です。なのでそのような車の特性を考えると低速コーナーは、
①直線的に最大制動。
②ややブレーキ残しながら(フロント加重)ステア。(スローIN)
③クリップ手前からアクセルを調節して開けていく。
④全開で立ち上がる。(ファーストOUT)
というのが理屈としても、また操作性の良さからしてもベストかなと判断して走っています。
高速コーナーでのアンダーは怖くてムリなのでセッティング変えちゃいます(ーー;)

長々と失礼致しました。
コメントへの返答
2010年10月24日 7:33
はじめまして!
ありがとうございます。
今後もコツコツやりますので(^^)

>なんとなく解っている理屈ではあるんですが他人に説明するのって難しい
そうですね。私はイメージで理解したいタイプなので図にしないとどうもしっくりこないんです。アホともいいます(笑)

カート乗りの方は小さなロスが命取りですから色々深く考えてらっしゃいますね!私の周りでも速い人は大抵カート経験者です。
2010年10月22日 7:16
CREFの宮○さんにの重心移動のお話をお聞きしました。
Mizpeaさんのブログで、より理解を深めた気がします。
有難うございます!
これからも頑張って続けてくださ~い(ワクワク!)
コメントへの返答
2010年10月24日 7:35
何かの役に立てばうれしいです!

まあ自分自身の理解のためにやっていることですし、よちよち頑張ります。

間違いも書くと思いますから気をつけて(笑)
2010年10月22日 8:19
先生!頭痛が、、、

私が遅い理由だけはハッキリしました(笑)
コメントへの返答
2010年10月24日 7:36
僕も頭痛が(笑)

お互い安全第一でいきましょう(^^)
2010年10月22日 10:41
激しく勉強状態です(笑)。でも納得納得。

あんまり理屈で考えて無かったですが、コーナリングはなるべく早い段階でボトムは最大限高めで脱出方向に向きを変えてアクセルを踏むのが大事だと思って今まで走ってます。

だけど進入スピードや路面温度状態やタイヤ状態やクルマの特性で向きを変えるまでにアンダーになったりオーバーになったり目まぐるしく変わるので人間側でその合わせ込みをするのが難しくもあり楽しいです。
コメントへの返答
2010年10月24日 7:41
大体あってますかねぇ?間違った話が合ったらズバッと指摘してくださいね。

>なるべく早い段階でボトムは最大限高めで脱出方向に向きを変えて
全くその通りだと思います。向きを変えるのが早くてもボトムを落としすぎてはダメですし。その部分は文字で説明しても仕方なく、それぞれのクルマのキャパとその日の状態、コース状態に合わせてドライバーが感じなくちゃいけないと思います。やっぱり最後は人ですから(^^)
2010年10月22日 16:54
みずぴー

また大作が・・・
ところで アンダー傾向のJ'sロドが 他の車種や同じロドでもコーナー早いのは何故でしょう?!
伊左治マジック?!(笑
コメントへの返答
2010年10月24日 7:42
超大作になりそうです(爆)

>アンダー傾向のJ'sロドが 他の車種や同じロドでもコーナー早いのは何故
上手いからです。
言わせないでください(爆)
2010年10月22日 18:18
AE86時代の事を、すごく思い出します。あ~。あの時のあの状態はこう言う事で説明できるのね~的な。
(今回のお題とはまったく違いますが)ドアンダーと言えば、昔のパートタイム四駆です。初代エスクードを東名で四駆にして、超~安定してる~♪(わーい♪わーい♪)  でも・・・ちょっとキツイ高速コーナーで切っても切っても曲がらな~い!!死ぬかと思いました。(爆♪
コメントへの返答
2010年10月24日 7:43
次のお題目はオーバーステア・ドリフト・スピンです。AE86にバッチリの内容ですのでお楽しみに(^^)

エスクードで高速コーナーでアンダー...
考えるだけで怖いです(爆)
2011年1月13日 16:58
なんだ かんだで ここまで来ました!

ここの説明も特に文句の言いようもないのですが・・・・

あえて書いてみます。。(これもかなり苦痛・・・)

アンダーセッティングって言っても 色々あるように思います。
書いてあるように 市販車での 安全方向のアンダーステアセッティング F1でのアロンソが好むアンダーセッティング・・・おなじアンダーセッティングですが 全然違いますよね。 きっと(笑

ボクはここにある NAロドスタ 耐久号について書きますが このクルマは2WayLSDが入っていてかなり効くセッティングでした。。これだけでもプッシングアンダーが出るんですが(他に一杯利点があるので これはしょうがないのですが) またもうひとつは きっと伊左治セットだと思うんですが 安全&踏んでいけるセッティングだったと思います。

上のコメで コーナーでなんで J'sは速かったのでしょう?! なんて書きましたが アンダーのクルマの方がアクセル踏める分速度は上がりますよね! でもアンダー出してもコース上を走ってるわけです。。(多少距離は伸びますがね)

例えば 中級クラスのドライバーが 多少レコードライン外れても 安心してアクセルを踏める耐久ロドスタと 絶妙なニュートラルセッティングのロドスタ・・・ きっと後者は 自分に自信ないと少し怖くて気持ちよくアクセル開けれないでしょうし ギリギリでコーナーに突っ込めないでしょう。 耐久レースのような長い時間乗ることでミスが発生しやすかったり アクシデントが発生しやすいレースには向かないと思うのです。

そう考えると すげー上手いドライバーで ニュートラルステアを完全にコントロールできなければアクセルは アンダーセッティングのクルマより 踏めない=みすぴーの言う Laptime(平均スピード)の上昇は望めないのです。

アクセルイマイチ開けれないけどレコードラインの短縮距離≦アンダーでレコードラインでないけどアクセル踏めてる

になるのかと思いますが いかがですか?

ボク達は決して上手くないけど ボク達のレベルに合ったセッティングのクルマに乗ったことでかえって 他のクルマより速く走れたのではないかと 思うのであります。 ハイ!
コメントへの返答
2011年1月15日 11:55
僕もやっとここまで来ました(爆)

だいたい合ってますかね~???

F1ドライバーの言う「アンダー」はコーナー出口のラインをアクセルでコントロールしやすいセッティングということだと思います。逆にオーバーの利点はコーナー入り口のブレーキで自在にヨーをコントロールできることではないでしょうか。

市販車の安全方向のアンダーは単純に「絶対オーバーが出ない」ですよね。おっしゃるように狙っていることが違うから、F1とは違うでしょうね。

J'sロドスタのセッティングは色々な人が乗ることと、長丁場の耐久に使うということを加味して、伊佐治さんが安定性や乗りやすさを優先してセッティングしてくれてますね。クルマの動きがナーバスじゃないことが耐久レースで集中力を保つ上では重要ですからね。あと、実際のレースではレコードラインを走行している他車をコーナー中にオーバーテイクすることは難しいですから、その先での抜きやすさを考えるとアクセルが踏みやすいセッティングが正解だと思います。J'sロドスタ、その後更に乗りやすくなっているので今度試してみてくださいね。僕たちにピッタリです(^^)

さて、

飛行機に乗ります~


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